聖騎士と次なる進路
皆様の声を聞かせてくださると幸いです
感想、評価お待ちしております
アサギ達は2人をボロい物置に連れていき今までの事、秘密にしている事などを全て話した
「へー、そうなんだ、なかなか楽しんでるねぇ、アサギちゃん、もちろん秘密にするよ!こう見ても口は堅いからね!」
オネはそう言ってくれたがダガーは何かを考えこんでいるようだった
「ダガー君どうしたの?ダガー君は・・・その・・・ずるいとかやっぱ思っちゃう?」
「あ、いや・・・そうではない・・・いや、そうじゃないんだ、ただクラス的な強さ以外もアサギさんはちゃんと持ってるから・・・俺ならきっと特別な職業になんてなっていたらきっと単調なレベル上げしかしてないだろうな、って・・・」
「んー、まあ、パラディンが好きってのもあるけど最初の出会いが強烈だったからね、きっとそれがよかったんだよ」
「会ってみたい・・・俺もそのダンチョーに会えないかな!?」
「あ、私も会ってみたいな、できれば棍の使い方上手い人が教会の内部にいれば稽古してもらえないかな」
「んー、土の教会には色んな人がいるから多分いるとは思うけど・・・邪教徒関連のゴタゴタでちょっと忙しいみたいなんだよね、話は聞いてみるけどだめだったらごめんね?」
「ううん、私もクエスト受けに教会は行った事あるけどそんな偉い人と話なんかできなかったから話を通してくれるだけでも十分だよ」
「ああ、我儘を言っているのはこっちなんだ、謝る必要はないさ」
「じゃあ教会に行ってみようか」
「うん、あ、ごめんね?狩り行きたかったら今度でもいいよ?」
「大丈夫だよ、オネさん、パーティメンバーが強くなるのは私達にだって得があるから、ね、セッキー」
「そうね、話をしてみるだけでも行ってみるのは早い方がいいと思うわ」
「うんうん、じゃあいこう!」
アサギ達は6人でダンチョーの元へと向かう
挨拶をしながら教会に入るとオネとダガーが周りをきょろきょろと見渡していた
「本当にここの人と仲がいいのね、皆挨拶をしてくれるし・・・中に入っても何も言わないわ」
「あ、ああ・・・ただのNPCだと思ってたが・・・仲がいいとこんなに変わるものなのか・・・?」
「んー・・・まあ、NPCだけど結構いいAIはいってるみたいだからね、これで驚いてたら「あいつ」と会ったらもっと驚くね」
「「あいつ?」」
「あれはここで慣れてる私達ですらびっくりするくらい感情を表に出しているからね、そりゃあきっと驚くと思うわ、だからそれまで内緒ね」
「くふふ、そうだね、内緒内緒」
「えー、なんだろう、楽しみだな」
「あいつ・・・き、気になる!!」
「くふふ、その時が来たらちゃんと教えるよ」
「さて、この部屋がダンチョーの部屋だよ、全体チャンネルで喋ってね」
アサギはダンチョーの部屋の扉をノックする
「ダンチョー団長、アサギでーす、はいっていいですかー?」
「おう、アサギか、ちょうどいい、入れ入れ」
「お邪魔しまーす!」
「「「「「お邪魔しまーす」」」」」
「おう?また見ない顔が増えてるな、槍に棍か、構わないぞ、でもナイトマスター志望なら練兵場の方がいいんじゃないか?」
相変わらずの察しの良さを始めて目の当たりにしたオネとダガーは目を見開き驚いている
「まあまあ、とりあえず紹介するね、この人が土の教会の騎士団団長のダンチョー、で、こっちのシャーマンがオネさんでこっちのナイトはダガー君」
「ダンチョーだ、よろしくな」
「オネです、よろしくおねがいします」
「ダガーだ、よろしく頼む」
「だがな、アサギ今は無理だ」
「あー、やっぱり忙しいのかな?皆いつもよりバタバタしてる感じだし」
「まあ、そうだけどそうじゃあない、忙しいのはお前たちの方だからな」
アサギ達6人の全員の頭の上にハテナが浮かぶ
「え?どういうことですか?ダンチョー団長」
「わからんか、セッキー」
「えーっと・・・クエストですか?」
「そう、正解だ、アサギ達のパーティに土の教会からのクエストの受注をしてもらいたい、やってくれるか?」
「うん、どこに行けばいいの?」
「おい、アサギ、せめてダンチョー団長からクエストの内容を聞いてから受けろよ、あ、こいつもう受注してやがる」
「だってさマーリン、ダンチョー団長が私達ができないクエストをこっちに振ると思う?」
「・・・いや、思えん」
「でしょ?」
「あっちゃんだめよ~、値段の交渉ができないでしょ!」
まぁちゃんが笑いながら冗談をいう
「あ!そうか!ダンチョー団長!やっぱなしで!!」
「ハッハッハ、もう受注したからそれは受け付けられねぇな!安心しろ、値段はそれなりに払ってやる・・・なにしろ、場所が場所だからな」
ダンチョーの表情がとたんに険しくなる
「お前ら「悪竜エドラ」って知ってるか?知らんか、じゃあ「ドラゴンズホール」は?そうか、聞いた事があるか、「悪竜エドラ」はドラゴンズホールを寝床にしててずっと寝ている竜なんだがな・・・邪教徒の奴らがちょっかいを出したもんだからどうやら起きちまったらしいんだ」
「いやいや、無理よ!まだ「ドラゴンズホール」にいけるレベルじゃあないわ!アサギ!このクエストは無理!」
「落ち着け、セッキー、誰も「悪竜エドラ」を倒してほしいとも「ドラゴンズホール」の中を確認してきてくれとも言わん、クエストの依頼内容は「ドラゴンズホール」前にある「シバレル雪原」に住む竜人の討伐と本当に「悪竜エドラ」が起きているのかどうかその片鱗があるかどうかの確認だ」
「「シバレル雪原」・・・パーティ用モブの竜人が住みついているフィールドね・・・6人になったし行けなくはなさそうね・・・ダンチョー団長、本当に「ドラゴンズホール」に入らなくてもいいのね?」
「ああ、「シバレル雪原」での討伐と調査、これがお前達に頼みたいクエストの全てだ、それが終わったら稽古でもなんでも付き合ってやる」
「アサギ、戦力的には行けると思うわ」
アサギはセッキーの考えを聞いた後1人1人の顔を見る、どうやら全員が行く気のようである
「うん、ダンチョー団長、改めてそのクエスト私達が受けます!」
「おう、そうか、なに、このクエストはお前達だけに頼んでる訳じゃあない、他の教会や練兵場も似たようなクエストを発行しているはずだ、だからそこまで危険はないだろう、だが俺個人としてはお前らを買っている・・・だからできればここ、ここを調査してきてほしい」
ダンチョーが机の上に広がっている「シバレル雪原」のマップの1部を指さした
「結構奥だね、ここになにがあるの?」
「ここは「ドラゴンズホール」の中で「悪竜エドラ」が寝ている場所の上なんだ、奴がもし寝ているのならばそこからイビキが聞こえるはずだ、だがそこまで行くには竜人の住処を通らなくてはいけなくてな、邪教徒共に大部分の兵を送ってるからそこまで行ける部隊が任務から戻ってくるまで時間がかかるんだ、それでお前らに白羽の矢が立った訳なんだが」
「うん、わかった、そこで音を聞いてくればいいんだね」
「ああ、そうだ、「ドラゴンズホール」は地下に長いダンジョンだからそこに直接「悪竜エドラ」が出てくることはないだろう、しかしあちらの音が聞こえるという事はこちらの音も聞こえるという事でもある、そこだけは気を付けてくれよ」
「うん!じゃあ行ってきます!」
「ああ、頼んだぞ、だが無理はするんじゃないんぞ」
「はーい!じゃあ皆「シバレル雪原」へいくぞー!」
「「「「おー!!」」」」
「ダガー君も!いくぞー!」
「お、おおー!」
アサギは満面の笑みを浮かべた
「さて「シバレル雪原」に向かう事になったけど、アサギあんたどうせ2番目の町「セカンドウ」への転送解放してないでしょ、リーダー渡しなさい」
「あ、うん、お願いします!」
リーダーをセッキーに渡した後転送装置に乗り、6人は2番目の町「セカンドウ」へとついた
「さてここから歩くわよ、「セカンドウ」から「シバレル雪原」への道は結構強いモブがでるから気を付けないといけないわ、ついでに皆の連携も確認しながら行きましょう、あ、アサギ、リーダー返すわ」
「はーい、えーっととりあえず私が先頭でしょ?あとはどう並ぶの?」
「んー・・・まあ、フィールドはそこまで気にしなくてもいいんじゃないのか?パーティ用モブがでてくるのは竜人の住処からだし、強いとは言ってもソロ用だろ?」
「マー君、セッキーはパーティ用モブが出る前に少し練習しよう、って言ってるんだよ?」
「あ、なるほど、悪いセッキー」
「構わないわ、先頭はアサギでその後にマーリンとオネさん、その後ろに私とまぁちゃん、最後がダガー君でいいかしら?」
セッキーの案に全員が首を縦に振る
「ソロ用モブでHP少ないからこの辺のはいいけどパーティ用モブが出始めたら私がヘイト固定するまで待ってね、遠距離モブは引き寄せたいけど他のパーティにもクエストが行ってる、って言ってたから引き寄せるのはできなさそうだからマーリン寝かせちゃって」
「アサギちゃん引き寄せるってどういう事?」
「ん、ああ、えーっと・・・今誰もいなさそうだね、これだよ」
アサギは周りを見渡し誰もいない事を確認すると光の腕を発動させ遠くの敵を近くに引き寄せた
「わあ、便利なスキルだね、遠くの物を近くに持ってこれるなんて、リアルでも欲しいなー」
「あはは!私も欲しいかも、テレビのリモコンとか携帯とか寝ながら取れるね」
「攻撃判定あるから潰しちゃうだろうけどな!」
「あー!じゃあだめだー!」
「皆は何かリアルに欲しいスキルとかあったー?」
他愛のない話で盛り上がりながら6人は歩み続ける
目指すは「シバレル雪原」の奥地、名前のみが書物や口伝により伝わっていると言われる「ドラゴンズホール」の内部で寝ているという「悪竜エドラ」の寝室の上である
6人は無事にこのクエストを完了する事ができるのであろうか




