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聖騎士と騎士と祈祷師

皆様の声を聞かせてくださると幸いです

感想、評価お待ちしております

 アサギ達は「ロブボール」を終え王都の門前に戻ってきた

 ぐーっとアサギは大きく伸びをする


「ふー!とにかく勝ててよかったね!皆ありがとうね!」


「本当によかったわ、「ロブボール」の最初のパーティがこんなにいいんじゃ今から野良が怖いわ」


 オネが笑いながら言う


「くふふ、そう言ってくれると私としても嬉しいな!」


「それにしてもアサギちゃんはやっぱり前衛系の職業だったのね、動きがそんな感じだったもんね、パラディン予定のナイトかな?」


「おー、オネさんわかるの!?」


「なんとなくだけどね、皆を守ろうとしてるように動いてたからタンクなのかなー、って」


「ロブボール」のフィールド内では外と見た目は変わらないが武器を装備する事ができない、なので装備の外見変更をしている場合はぱっと見では職業が判明しずらいのだ

 アサギは普段はパラディンとして金属鎧の見た目をそのまま使っているが今回はステータスも固定されるし装備も意味がないという事で防御力は一切ないが見た目的に動きやすいとTシャツとパンツを着ていた


「うんうん!私は普段タンクやってるんだよ!くふふ、わかっちゃったかー!くふふふふ」


「あらあら、アサギちゃんはタンクが大好きなのね」


「うん!私パラディンが好きなの!だからこのゲームをやる前からやる職業決めてたんだ!」


「へぇ、動きが凄いよかったけど何か部活でもやってるの?」


「ううん、部活はやってないよ、身体動かすのは好きだけどね」


「アサギ、あんまり年齢がわかる事言っちゃだめよ、まあ、相手がオネさんじゃなかったら答える前に止めているけどね」


「あ、ごめんなさいね、別に個人情報を細かく聞くつもりはなかったんだけど・・・身体の使い方が上手かったからつい、アサギちゃんほんとごめんなさいね」


「ううん、気にしないでいいよ、オネさん、私もつい答えちゃっただけだし、身体の使い方が上手いのは多分この世界の中でいっぱい稽古をつけてもらってるからだよ、リアルの方ではそこまで得意って訳じゃあないよ」


「ありがとうね、アサギちゃんセッキーちゃん、この世界の中ってNPCにって事?」


「うん、ほら、日本じゃ武器を持って戦ってる人とかほぼいないでしょ?魔法使える人なんかもいない訳だし、でもこっちの世界の人は一応産まれた時からモブとかがいる訳だから武器の使い方とか連携の仕方とか上手いと思って教えてもらってるんだ」


「なるほど・・・確かにそれはそうだね、でも連携の仕方はなんとなくわかるけど武器の使い方ってスキルを使っていってCTが明けたらまた使って、ってだけじゃあダメなの?」


「私達に色々教えてくれた人はそれじゃあダメだって言ってるよ、ステータスやスキル以外にも強さはあるって、私もそうだと思うんだ、ただ攻撃をしながらスキルをどんどん使っていくより色々考えて動きながらスキルを使っていく方が・・・穴がないっていうのかな?隙が少ないっていうか・・・とにかくそんな感じ!」


「あー、なるほどね、うんうん、言ってる事わかるよ、そっかー・・・色々考えながらか・・・うーん、最近野良とかで狩り行ってる時にもうちょっと軽やかに、っていうのかな?動けないかなー、って思ってたからすっごく参考になるよ、レベルもなかなか伸び悩んできたしね」


 アサギはオネにそう言われ、じゃあオネさんも土の教会で稽古をつけてもらえばいいんじゃ?と思ったのだがその時セッキーがアサギにしか聞こえない個人チャンネルで話しかけてきた


『アサギ、あんまり土の教会の人の負担を増やしちゃだめよ、まずは教会に人を増やしてもいいのか許可を取ってから稽古の事を話すべきだわ』


 それもそうだと思った

 NPCはゲーム中で生きている、もちろん仕事だってある、アサギやまぁちゃんに稽古をつけてもらってる時以外だって彼らは働いているのだ


『私も稽古をつけてもらってるからあまり言える義理ではないけどね』


 それならば、とアサギは考えた


「じゃあオネさん私達と一緒に狩り行こうよ!フレンド登録しよー!」


「それは嬉しいなー!でも私はこんな小っちゃい外見でも社会人だからね、あんまり皆と一緒に狩りはいけないかなー?平日は遅くなりそうだし、うーん、休日にパーティ枠があいてたら誘ってくれると嬉しいな」


 オネがアサギから来たフレンド登録申請に許可を出しながら答える


「あら、それなら大丈夫よ、オネさん、私達は普段4人で狩りしているからね、多分いつでも誘えるわ」


「ええ?そうなの!?でも装備は「邪教徒の隠れ家」のものでしょう!?4人でなんて凄いね!」


「オネさんは棒持ってるしシャーマンでしょ?武器被らないし一緒に行こうね!」


「ええ、そうよ、ドルイド予定のシャーマンよ、ふふ、楽しみにしてるわね」


「くふふ、楽しみだね!ちょうどいいからこれから行こうよ!」


「ま、待ってくれ、アサギさん!」


 ダガーがアサギに声をかける


「うん?ダガー君どしたの?」


「狩りに行く前に俺と対戦してくれないだろうか!?」


 ダガーの表情は真剣そのものだ

 アサギはなんとなく断りにくい空気を感じた、それに対人戦の練習にもなるし断る理由もないだろう、だが理由がわからなかった


「えーっと対戦するのはいいんだけどなんでかな?」


「俺はナイトマスター予定のナイトなんだ、「邪教徒の隠れ家」に行っているなら大してレベルも変わらないんだろう、でもさっきの「ロブボール」での動きを見て動きが全然違うのがわかった、稽古をしていると言ったが稽古をしているしていないの差を俺に教えてほしいんだ!もちろん今だって差があるのはわかっている!だがどれくらい変わるのかを教えて欲しい、俺も・・・俺もアサギさんみたいに強くなりたいんだ!!」


 アサギは最初に驚いた表情をする、そして


「うん、じゃあ闘技場行こうか」


 ニコリと笑いながら言った


「おお、面白そうだな、俺達も見に行くか、オネさんも行く?」


「うんうん、私もアサギちゃんの強さをもっと見てみたいからね!あんだけ動けてるんだからきっと強いんだろうねぇ、ダガー君頑張ってね」


「あ、ああ・・・!やってやる・・・!」






 アサギ達は闘技場の中にはいっていく


「ダガー君、リアルモードとゲームモードどっちでやる?」


 10m離れお互いに向き合いながらアサギは声をかける


 リアルモードはHPは存在せず相手に致命傷となるような攻撃を与えるか失血死などで決着がつくリアルで決闘をしているかのような戦いをするモードでゲームモードはHPを減らしたら勝ちになるモードである


「リアルモードだ」


「うん、わかったよー、じゃあ申請送るね」


「ああ!」


 アサギがダガーにリアルモードでの決闘の申請を送りダガーがそれを許可する、すると2人の間に数字が表れた

 その数字は5から始まり徐々に数字を減らし、0になったところでアサギが盾を前に掲げ勢いよく飛び出した

 ダガーは槍を持つナイトだった、槍を両手で持ち中段に構え切っ先をアサギへと向けている、AGI型なのでアサギの攻撃を躱しつつ攻撃を加えようとしているのだろう

 アサギはそんな事は意にも介さず手を伸ばせば槍の切っ先が自分の盾に当たるだろうという所まで走る

 だがダガーはまだ動かない、「ロブボール」で見たアサギの動きではまだ攻撃は当たらないとわかっているのだ

 だからアサギはまだ前に出る、1歩、また1歩、その時ダガーが前に重心を傾けるように動き出したのをアサギは見た

 ダガーはスキルを発動した、突きが速くなるスキルだ、この距離ではまず躱せないだろう、そう思い腕に力を込め真っすぐに突く

 だがアサギはそこに居なかった、アサギはダガーが重心を前に傾けた時に右足を大きく外側に伸ばしていた、それによりダガーの切っ先が向いている方向から身体をずらす事に成功する

 ダガーの槍はアサギの横を通り過ぎる

 虚空を突き抜ける槍、ダガーはそのまま槍を横に払いアサギに当てようとするが一瞬のうちに目の前にアサギが駆け抜けてきて


「ぐはっ!!!」


 腹部に衝撃が走り後方へと吹き飛ばされた


「ガハッ!!」


 1メートルは吹き飛んだだろうかダガーは急に重力がなくなったのを感じたあとに地面に倒れこんだ

 しかしそれだけでは決着はついていない、アサギは次の攻撃を加えようとダガーを追いかける、そして倒れこんだダガーの首元目掛けて深々と剣を突き刺した


「ふー、私の勝ちだね」


「うわ、アサギちゃんえげつな・・・」


「あはは、私もあっちゃんのあの連続攻撃最初に見た時はそう思ったな」


「躊躇がないのよね、躊躇が」


「まあゲームだからな、アサギは敵をきっちり倒さないと自分以外がやられる可能性がある、って感じに思ってると思うぞ」


「うーん、タンクの鑑、いや、前衛の鑑かな」


「きっと喜ぶわ、その言葉」


「つよい・・・」


 ダガーが大の字に寝転びながら呟く


「ふっふっふー、もっかいやる?」


 その問いかけにダガーが勢いよく飛びあがる


「ああ!次はゲームモードで頼む!」


「よっしゃー!じゃあいくよー!」


 再度アサギとダガーは向かい合う、先ほど突きを躱されたからかダガーは槍を切り払えるように横に構えた

 しかしアサギはまたも前に走る、ダガーは何も気にせず向かってくるアサギに少し恐怖を覚えた


 だがダガーはなんとかその場に踏みとどまる、アサギの強さを知りたいと言ったのは自分なのだ、だから自分から後ろに引く事はできない


 そんなダガーの感情を読み取ったのかアサギのテンションがあがっていく


「ダガー君にとっておきを見せてあげるね!」


 その言葉にダガーのテンションも上がっていく

 アサギの強さが見れる、だから半端な事はできない


 ダガーも前にでた、前に出ながら右から左へ槍で切り払おうとする

 アサギはその槍を盾で防ぐとさらに前にでる、しかし防がれるのがわかっていたダガーは槍を引き寄せ小さく振りかぶりアサギに叩きつけようとする

 その時ダガーはアサギが笑うのをみた、ゾクリ、背中が寒くなる、だが槍は止められない

 アサギは盾を少しだけ上に掲げながら尚も前にでる、槍が盾に触れる


「え?ダガー君のHPが蹴り1発で吹き飛んだ!?」


「あれがアサギの必殺、VITを乗せたローキックだ、相変わらず腰のはいったいいキックだな、詳しい説明はアサギに聞いてくれな」


「さっきは2発だけど今回は1発か・・・アサギさん本当に強いな」


「くふふ、ありがとダガー君」


 アサギは倒れこんだダガーに手を差し伸べる、ダガーはその手を掴もうとして一瞬躊躇し・・・その手を握り立ち上がった


「今のはね、攻撃を防いだ瞬間に攻撃をする事でVIT分の体重を攻撃に乗せるというこの世界で教わった技術なのです!!」


「そ、そんな事ができるの!?」


「できるのです!」


「オネさん、あれ割とタイミングシビアよ、それに攻撃を受けるVITも必要だからタンク以外に向いてないわ」


「凄いな・・・アサギさんは・・・でもそうか、俺もステータスやスキル以外でまだまだ強くなれる所がって事か!ありがとう!」


「いえいえ~、そうだ!ね、ダガー君も一緒に狩り行こうよ!」


「え?でも俺とアサギさんは防具がかぶってるから・・・」


「いいのいいの!もう今のレベルでつけれる邪教徒討伐装備揃ってるから!」


「そ、そうなんだ、それなら俺も一緒に行ってや・・・いいや、一緒に行きたい!」


「う、うん!じゃあフレンド申請送るね!」


「ああ!ありがとう!」


「これでちょうど6人、しかも全員目指してる職業が違う、固定パーティの完成かしら?」


「私は時間あわないかもしれないよ?」


「いいのよ、オネさん、どうせレベルキャップの解放もまだでしょうから一緒に行ける時に一緒に遊べれば」


「そう?じゃあそうさせてもらおうかな」


「うんうん!っと・・・なると・・・」


「あっちゃん、せめて人が居ない所でね」


「あ、うん!ちょっと話があるから私の部屋に行こう!」


「え?ハウジング実装されたっけ?」


「ううん、NPCから借りてるの」


「そ、そんな事が・・・できるのか?」


「うん?できてるよー、じゃあ早速出発だー!!あ!こういう時は皆で声をあわせておー!でよろしく!準備はいい?しゅっぱーつ!」


「「「「「おー!」」」」」

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