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教皇は力を振るう

最近12時に間に合わないな・・・

 3階へと進むとそこには大きな空間があった


「どれどれ、まずはマップ確認だな、えーっとこのまま奥に進んで左右に部屋があるな、更にまっすぐ進んでいくとまた左右に部屋か、んで1番奥が多分ラスボスだが・・・全部の部屋にボスがいるとなるとあと4体か?「マモッテルン」は防具落とさないのかもしれないな」


「いいえ、ここには「ダクパラ」がいるはずよ、あいつはイベントボスなはず、だからきっとあいつは防具を落とさないわ」


「ああ、そういえば「ダクパラ」倒すクエストあったね」


「そうだよまぁちゃん!楽しみだなー!!」


「うん?あっちゃんなんでそんなに楽しみなの?」


「だってあいつはパラディンタイプの邪教徒だよ!?色々動きを勉強できると思うし・・・なによりパラディンだよ!?」


「まぁちゃんほっとけ、いつもの事だ」


「ああ・・・そうね・・・」


「楽しみ楽しみ!じゃあ早速進んでいくよー!」


「「「おおー!!!」」」


 そうして4人は奥の道へと進んでいく、もはやこの辺のモブなどはリンクするモブをしっかり見極め巡回をひっかけない限り何も怖くはない、本来はアサギ達のレベルは少々推奨レベルよりは低いのだがそれを武器と動きでカバーしていた

 左右に小部屋がある真ん中の部屋までついた所でマップをみていたセッキーが気づく


「あー!やっぱりランダムポップのボスよ、絶対!!右にはネームドいるけど左にはいないもの!!これでここは周回決定となったわ!!!」


「ま、まぁ・・・元々周回予定ではあったしな、落ち着けよ、セッキー」


「そうそう、どうせレベル上げもしないといけないしね、まだまだいけない場所も多いし」


「それはそうだけど・・・」


「それにどうせ1回じゃあ皆の武器もでないし、魂もどんなのか見たいもんね」


「まあ、まずは不自然に空間があいてていかにも本当なここにボスがいますよー、な左の部屋から潰そうか」


「そうよね、経験も欲しいもんね・・・」


 うんうん、と3人が首肯する

 ボスがいない部屋なんてものは大した事はない、さっさと中にいる敵を全滅させて次は右の部屋の攻略を開始する、巡回を倒しボスとリンクしそうなモブを全て倒し残ったのはボスと脇に立つ2体のモブだけとなった


「んー・・・どうみてもシーフタイプ、いや、シャドウタイプのボスとクレリックタイプとマジシャンタイプか」


「ボスの名前は「ミギノー」だな、クレリック潰してマジシャン潰してからボスか?」


「んー・・・マーリンは「ミギノー」に足止めかな?それでマジシャンを私が引き寄せるからまぁちゃんはクレリック倒してくれるとさくさくいけるはず」


「うん、わかった」


「最初の挨拶はどうするの、アサギ」


「うん?もちろん「ミギノー」だよー」


「よし、わかった、挨拶が終わったら足止めかけるな、レジストされる可能性もあるからそこだけ忘れないようにな」


「うん、わかった、じゃあいくよー!「ミギノー」!よろしくおねがいしまっす!!!」


 アサギは挨拶と突撃を同時に行う、幸い回避スキルを発動される事はなく「ミギノー」はアサギの突撃に吹っ飛ばされそのあとマーリンの足止めスキルによりその場に釘付けとなる

 しかし相手はシャドウタイプである、プレイヤーのシャドウが使えるスキルを相手も使えるのだ

 アサギがマジシャンタイプを光の腕で引き寄せた時に「ミギノー」のノックバック状態が解除され瞬間移動スキルによりアサギの背後に回りそのまま攻撃を開始する


「あ、そうなんだ、瞬間移動は足止め外せるんだ」


「へー、じゃあ私もマジシャン相手には取っておいた方がいいかもなー」


 まぁちゃんはクレリックタイプの後ろに瞬間移動して連続スキルを叩き込みながら言った

 アサギは「ミギノー」にスタンスキルを叩き込みながらマジシャンタイプのヘイトを固定する、魔法攻撃ろうが盾でガードに成功すればダメージは減少する、アサギは敵のマジシャンタイプの使う魔法がマーリンのよく使う火属性の魔法ばかりなので危なげなく魔法に盾を合わせ防ぐ事ができた


「この邪教徒火属性ばっかり使う、もしかしたらマーリンも邪教徒かも!?」


「邪教徒になったら特殊職業つけんのかなー?流石にプレイヤーは邪教徒つけないか?」


「多分無理じゃないかなぁ?邪教徒の神様の名前もわからないからね、名前がわかれば・・・ワンチャン?」


「ある訳ないでしょ、もし邪教徒になったらマーリンはプレイヤーに毎日襲われるわよ、というか私が倒すわ、復活ポイント抑えてあげる」


「おおー、せっちゃん、私も私もー」


「あ!私も!ポイントたくさんゲットだ!」


「容赦ないな、うちの女性陣は・・・邪教徒やめとこ」


「そうね、それが1番よ、クレリックタイプ消滅したわ!まぁちゃん次マジシャンタイプね!」


「はいはーい!」


 雑談を交わしながら取り巻きのモブの2体を蹴散らしていく、マーリンとまぁちゃんの火力があれば多少レベルが高くても大した時間もかからずにHPは減っていく、残るは「ミギノー」だけとなった


「さて、流石に「隠密隊隊長」よりは強いかな?」


 他のモブがいなくなったことでアサギ達は本格的に「ミギノー」の攻略に移った

 2階で倒した「隠密隊隊長」とタイプは同じ系統ではあるがあちらはシーフでこちらはシャドウタイプだ、簡単に違いを言えばシャドウタイプは武器を両手に持っている

 右から左からと「ミギノー」の持つ短剣がアサギを襲う、なかなかの速度である、しかしアサギの狙いは相手の攻撃を盾に当てる事が発動条件の反撃スキルなので相手の手数が多いという事は発動条件を満たしやすいという事でもあった


「ほいっ!ここだっ!」


 アサギは右の剣を躱し左の剣に自ら盾をぶつける様に動かし発動条件を満たす、しかしすぐには発動しない、上限は存在するが防げば防ぐだけ威力があがる反撃スキルなのだ、防いだ回数によってスタン効果の時間も長くなる、よほどの事がない限りは1発防いだだけで使う事はないだろう


「うわー、なんだかんだであっちゃん上手いんだよなー・・・あんだけ防がれるパラディン相手にどう立ち回ればいいんだろう・・・」


「そうよね・・・目の前で自分と同じ職のモブがあんな簡単に攻撃防がれてると自信無くすわよね・・・」


「そうか?シャドウはまだ手がない訳じゃあないだろう、瞬間移動もあるし盾に攻撃しても一応ダメージははいるんだから連続スキルを叩き込んでいけばいい、アサギのスタンとかノックバックとかでスキルが途切れないように回避スキルを使ってだな、あとは気合で避けるんだ!」


「気合ねぇ・・・あっちゃんのあの圧力を目の前にして・・・気合ねぇ・・・」


「へぇ、一応マーリンも対アサギで何か考えた事あるんだ?」


「おお、当然だ!「ダクパラ」の件もあるし色々考えておくだけでも何かあった時に対応できるだろ?」


「そうだね、確かに、で、マー君はあっちゃんが敵だとしたらどうするの?」


「詠唱が無い、もしくは少ない魔法でチクチクと削る、近づかれそうになったら鈍足の魔法もあるし凍らすスキルも足止めも一応ある、問題は光の腕だ」


「あー・・・あっちゃんのあれ敵に回すととんでもない効果よね、自分の元に引き寄せてからの足止め効果でしょ?あっちゃんのスタンスキルは数多いから引き摺られたら回避スキルは温存できないか」


「シャドウは回避できるがウィザードにはそんなもんはないからな、一応バリアあるけど光の腕で引き摺られるって事はもうバリア壊されてる、って事だからな、アサギに遠距離攻撃がない時はなんとかなったんだがあの光の玉を見てまた考え直しだよ」


「そうね、遠距離があるなしで大分攻略の仕方って変わってくるわよね、突撃スキルも割とえげつない速度してるしあれも要注意よね、2人のVITなら確定でノックバックよ」


「ああ、それもあったね!うわー、やっぱあっちゃんを倒すのは難しいなー!!」


「スキルだけ考えてもパラディンは相当強いからな、アサギの場合はそれに加えてパラディンロードのスキル上限突破がある、んで武器が強い、更にはダンチョーの稽古で対人経験が豊富、っと・・・どう崩していけばいいのか本当にわかんねぇな」


「3人とも私を倒す作戦はいいとしてそろそろ50パーだよー」


「「「はーい」」」


 3人が対アサギをどうするか考えている間は特に問題は起こらなかった

 多少の攻撃にスーパーアーマーがついてはいたがアサギはそれを軽々と防ぐ、スキルを使っていない通常攻撃は避けられるものは全て避けていた、もうすぐ50パーと言う所でアサギは少し無理矢理に相手の攻撃を盾を当て計10発盾に当てる事に成功する、そして即座に反撃スキルを発動させスタンと同時に大ダメージを与えスタンさせたまま相手のHPを50パー以下にした


「今のうちに!」


 アサギは右肩に剣を担ぐ


「10発防ぐとあんなにスタン長いのね・・・気を付けないと・・・」


「ほいさっ!!!」


「あれ?エクスカリバーじゃないのか、今回」


「あら、マーリン知らないの?なんでもエクスカリバーはもうちょっと盛り上がってないと使わないわよ」


「「ふーん・・・」」


 流石セッキーはわかっているとアサギは心の中で感心した、しかし視線は「ミギノー」から動かさない、今までのボスも全てHPが半分を切ったところで特殊な行動をしてきたからだ

 だから視線を動かさない、動かさない・・・うごかさ・・・


「ねぇ!なんか「ミギノー」ぶれてない!?」


 アサギが叫んだ時「ミギノー」は強烈に光りだす、光が消えた時そこには


「「ミギノー」と・・・「ヒダリノー」!?」


「ミギノー」は分身を繰り出したのだ


「いや、名前違うけど・・・とりあえず「ヒダリノー」からか?「ミギノー」はボス鑑定でHPバー見えてるけど「ヒダリノー」にはないから多分そこまで強くない、まぁちゃん頼んだ」


「了解!!」


「アサギはそのまま「ミギノー」を抑えててくれ!」


「まっかせてー!まぁちゃん頑張って!あ、そだ、身代わりスキル使っとく?」


「大丈夫だよ、あっちゃん!これくらいなら余裕!」


 ただ1人セッキーだけは考えていた、今までのボスに比べたら変化が少ないと、今更モブが1人だけ増えた所で何か変わるのだろうか、ここより低レベルのボスであるナイットンですら5、6体は召喚したというのに・・・なにか見落としていないか・・・何故分身なのに名前が違うのか・・・


「もうすぐ「ヒダリノー」終わるよ!全然HPない!」


 なら・・・なんでこのタイミングで分身?意味のない行動とは思えない・・・セッキーは考えるが答えが見つからない、見つからないまままぁちゃんが「ヒダリノー」のHPを全て削り切る


「きゃっ!!」


 悲鳴が聞こえたので3人はまぁちゃんの方を見る、するとそこにいたまぁちゃんの肩に「ヒダリノー」が覆いかぶさるように憑りついていた


「うわー、防御0だって!1分間!!しかも移動不可ー」


「まじかよ!あっぶねー!アサギが「ヒダリノー」倒してたらタンクできない所だったな!」


「ほんとね・・・怖いスキルだわ・・・」


「身代わり使わなくてよかったぁ・・・セッキー解除できないの?」


「だめね、特殊スキルで解除不可って書いてあるわ」


「うわー、ほんと怖い!まぁちゃんそこで待っててね!」


「うぅー・・・なんか身体が重い気がするー・・・」


「ヒダリノー」の怨念がまぁちゃんに発動した事により「ミギノー」にバフがつき火力と速度があがっていた、どうやらバフとデバフ両方行える使い勝手のよいスキルのようだ


「なら次は「ヒダリノー」放置安定?」


「いや、この類のスキルは自爆も考えられるわ、どうせそう思う人もいるとは思うから情報待ちでいいんじゃないかしら?」


「自爆でもしアサギに怨念向いたらそれこそだもんなぁ・・・デスペナ考えると・・・1分くらいなら待てるな」


「あー・・・確かにね」


「ミギノー」の攻撃がはやくなったとしてもアサギのやる事は変わらない、相手の攻撃を躱し、防ぎ、こちらの攻撃を当てる、ただそれだけだ

 それを繰り返せば相手のヘイトはアサギを向きHPはマーリンが削ってくれる、まぁちゃんが戦闘に参加できない今多少削りは遅くなったが問題はない、あとは相手がどんなスキルを使ってくるかではあるが・・・

 もうそろそろHPが尽きそうになった時「ミギノー」が急に後ろに自ら飛んだ


「何か来るよ!」


 言い終わるか終わらないかの間に「ミギノー」は突然4人の視界から消え失せた


「ハイディング!」


「だめ!スキル使っても見つからない!多分高レベルのハイディングだよ!」


「んー・・・出番か・・・」


 アサギはそう言いながら剣を頭上に掲げた


「創造神の御業が一、奇跡の一、天罰」


 辺りに壮大な雷鳴が鳴り響き、アサギの目の前で「ミギノー」は消滅した

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