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聖騎士と盗賊

毎日アクセスしてくださりありがとうございます

本当にありがたいです、もっともっと書き続けたいです

「じゃあ話すね、私が「まおクエ」でやった事を」






 移動スクロールで王都へついたアサギ達4人は人に会話を聞かれない場所へ向かおうとしていた、パーティチャンネルを使えば誰に聞かれる訳でもないがそれはそう・・・雰囲気と言う奴だ


「じゃあとりあえずは酒場でも行こうか?話し合いとしては1番でしょ、あっちゃん達はそれでいい?」


「あ、そっか、えっとねまぁちゃん、ちょっと着いてきてくれる?」


「え?うん、いいけど・・・」


 アサギ達は王都内部の道具屋の方へ向かっていく


「うん?道具屋?アイテムの補充するの?ああ、先にドロップ売って清算するの?」


「ううん、違うよー」


 そう言ってアサギは道具屋の裏の方にあるぼろい物置・・・もとい教会の前まで歩いた


「まぁちゃん、ここはいって」


「え?なにここ?」


「私の教会だよ、邪教徒から言わせれば7番目にして最初の教会、かな」


「教会?こんなにぼろいのに?」


「あはは、確かに俺らも最初に聞いた時はこんなリアクションだったな」


 アサギの教会は確かにぼろい、なにしろ元は使われてない物置だったのだ、アサギが綺麗にしたとは言え元が元なのでそこまで綺麗だとは言い難い

 アサギは道具屋のおかみさんに家賃として幾ばくかのお金を払っているのでこの場所で安全にログアウトをする事ができるようになっている

 まだハウジングシステムが解禁されていないので普通のプレイヤーは宿屋にはいってからログアウトをするのが基本ではあるのでこれもついでに話しておこうとこの場所に誘ったのだ

 室内はアサギとセッキーがどこからか買い付けて運び込んだテーブルと椅子、そしてアサギが描いた創造神ウミノピーの似顔絵が飾られている(アサギはできればいつのにかこれを銅像にしたいと考えている)だけの殺風景なものだ


「ハウジングじゃなくてNPCにお金払って借りてるだけだからそこまで自由に何か置けるって訳じゃあないけどね、宗教作るには教会が必要だから借りたの」


「宗教ねぇ・・・なんかちょっと胡散臭いのに巻き込まれちゃった感じ?あっちゃんゲーム内でツボ売るの?」


「そんな事しないよ!第一モブ倒せばお金なんかいくらでも稼げるじゃない」


「まあ、そう・・・よね、うん、ごめんね、それにしてもびっくりだね、そうかNPCから借りれば今でも王都内部に家持てるのか、言われてみれば普通の事だけどはハウジングがまだ実装されてない!って固定観念がそんな普通の事に頭を使わせなかったのかな」


「あー、どうだろう、確かにハウジングあるよー、って言われてる訳だしそんな事考えない人が多いのかもね」


「それもそうね、ハウジングで自分の家買う予定はあったけど実装するまでは家が持てないでログアウトは宿屋でやるものだと私も思い込んでたわ」


「だなー、よくまあ、ほんと初日にそこまで考えつくよな」


「初日!?」


「そうだよ、私が教会作ったのはサービス開始の日だよ」


「なんかますます興味がでてきた、教えてくれるんでしょ?最初から」


「じゃあ話すね、私が「まおクエ」でやった事を」


 アサギはまぁちゃんに、新しく仲間になりかけた少女に「まおクエ」に初めてログインした日に行った事を詳しく話した

 教会の事、神様の事、教皇の事、パラディンロードの事、土の教会の稽古の事を

 セッキーやマーリンにも話をしていない事以外は全てを話した


「神様って声だけじゃないんだ・・・一応アバターも用意されてるのね、知らなかった・・・それにしても・・・うーん、あっちゃんがパラディンに凄く憧れがあってはやくなりたくて色々やらかしたって事ね、そういえば告知に予期していないクラスチェンジがー、とか書いてあったけど、あれがあっちゃんな訳だ?」


「そうそう、お陰でGMのゲマスさんに呼び出されてね、職員室に呼ばれた時くらい緊張したよ」


「あはは、なんかそれわかる、悪い事してなくても緊張するよね!」


 うんうん、とアサギとマーリンが首を縦に振る、その横でセッキーは用事でよく行くのでその感情がわからない、という顔をしていた


「せっちゃんって生徒会とかやってたタイプでしょ?」


「そうだよー、中学生の時は生徒会長だったー」


「なるほど、だからわからないんだね、あの緊張は」


「そうね、週に何度か行ってたかしら」


「そうかー、じゃあ仕方ないかー、んー、でさ、あっちゃんはさっきの砦の戦闘でパラディンのスキルを1個も使ってなかったの?」


「挑発スキルはソードマンにも複数あるし見た目でわからないから使ってたけど後は使ってないかな、あー、でもスキルって発動させようとすると出るのと身体の動かし方で出るのの2つ発動方法があるじゃない?だからちょっとは発動しちゃってたかな?身体にしみ込んじゃってるみたい」


「なるほど~、んー、そっかー、でもなんで隠してたの?まあ、想像はつくけど、一応」


「多分想像通りだよ、知れ渡るとずるだとかチートだとかで騒ぐ人が増えるだろうし、一応運営側が許可を出してくれて入るけどね、それでもうるさいのはめんどくさいじゃない?最初から始めるってのも考えなかった訳じゃあないけどやっぱはやくパラディンになっていたかったと言うか・・・」


「そうねー、絶対騒ぐのはいるよね・・・武器ちょっと見せてよ」


「うん、いいよ、許可するね」


 アサギはアイテム表示を許可する


「うわ、なにこれ、強化してなくてもこの火力!?魂も凄いいいのはいってるね、これは関係あるの?・・・え?ないの?」


「うん、骨の迷宮のラスボスのレアバージョンのドロップだよ」


 首を横にしながらアサギが答える


「え、これ骨の迷宮のドロップなんだ、へー、ラスボスのレアバージョンドロップなんだー、凄いね、私も欲しいな」


「1週間潜りまくって何十周もしたけど1回しかそっち出なかったから現実的じゃないなー」


「あー、そうなんだ、うわー・・・運いいね、時間ある時野良で周回しようかな・・・・」


「あー、それで、なんだけどね、まぁちゃん・・・」


「うん?ああ、もちろん誰にも言わないよ、掲示板にも書き込まないし」


「本当!?」


 アサギの表情がパッと明るくなる、会って数時間しか経っていなかったがここまで仲良くなったのだ、できればこのまま4人でパーティを組んでいたいと思っていた


「もちろんよ、あっちゃん達と狩りしてて楽しかったし、それにスキルを減らしててもあの強さでしょ?強いだけじゃなくて上手いのもあるし、そりゃあ私だって羨ましいなー、とは思うけどね?ずるい、ってのはちょっと違うかな?あっちゃんがパラディンが好きで初日に頑張った結果なんでしょう?それをずるいってのはやっぱ違うな」


「うう、ありがとう、まぁちゃん」


「あはは、まあ強い人達と一緒の方が効率がいい、ってのもあるけどね、私も上手くなるにはその方が、ね」


「うん!まぁちゃん一緒に稽古して上手くなろうね!」


「そうだね、一緒にボコボコになるんだもんね」


「わ、私は最近ボコボコって程じゃあないよ!?」


 創造神の教会に楽しそうな笑い声が響き渡る




「じゃあ無事にまぁちゃんがうちのパーティに正式に加入という事で今後の予定だけど、皆バッグの中身を見てくれる?」


 セッキーのその声に3人はバッグの中身を確認する

 このゲームはアイテムの取得方法を選ぶことができる、アサギ達はアイテムをいちいち拾うのがめんどくさいのでモブを倒した時点でバッグの中にアイテムが移動する自動取得にしてある

 店で売る事しかできない収集品とレア度が高くない装備品をパーティ内部で順番に取得し、レアな装備は装備できる人が取得、誰も装備できない物はそれも順番に取得するという方法を取っている


 3人のバッグの中には隠れ家の鍵と言うアイテムがいつの間にか入っていた


「多分これが「邪教徒の隠れ家」に入れるアイテムよ、キーアイテム扱いで売る事ができないからね、それに隠れ家って言葉は「邪教徒の隠れ家」以外まだ出てきていない、あの2人を倒したからなのかクエストが発生したから取得したのかはちょっとわからないけどね」


「クエストのダクパラって3等兵だっけ?さっきのが6等だろ?どんだけ強くなってるんだろうな」


「3人はそのダクパラってのと戦った事があるの?」


「うん、あるよ、そこでクエストも発生したんだよー」


「え?それは聞いてないわよ?」


「え?セッキーにはでてないの?マーリンは?」


「え、まって確認してみる・・・えーっと、特に変なのはないな」


「そうなんだ、皆に出てると思ってた」


「ちなみにどんなクエストなの?」


「えーっと「邪教の信徒を根絶しろ」だね、内容は見てなかったけど・・・どれどれ・・・」


「凄い名前のクエストね・・・」


「あー、2人にでてない理由がわかったよ、邪教徒のネームド3体倒すんだけど3次職専用だ、これ」


「どゆこと?」


「邪教徒総司令官、邪教徒教皇、邪教徒参謀を倒せだってさ」


「いつ終わるんだそれ・・・今3等兵を倒せるか、って悩んでるんだぞ」


「今はまったく関係なさそうね、教皇だから出た可能性もあるわね、教皇からしたら敵だものね、邪教徒は」


「でも強くなる楽しみが増えた感じだね」


「おお、まぁちゃん良い事言った!そうだね、目標があった方が楽しいよね!」


「まあ、確かにそうね、じゃあ私達のパーティはその3人を倒すのを目標にしましょうか、魔王より強いのかどうかはわからないけどね」


「「「おおー!!」」」


「でも今の目標は「邪教徒の隠れ家」よ、とりあえず場所もわからないから探さないといけないけど・・・邪教徒何人か捕まえて聞いてみるしかないかしら?」


「そういえばモブって喋るんだね、人型だからなのかな?」


「あれ?まぁちゃん喋る敵初めて?」


「え、3人はあるの?」


「「邪教が呼び出し者」だって喋ったわよ?」


「え、そうなの?私もあのイベントで何体か戦ったけど1回も喋らなかったよ?」


「んー?なんでだ?先にダクパラ倒したからか?それとも骨の迷宮の邪教徒の事知ってたからか?」


「両方ありそうだけど答えはでないわね、あの場に6等兵は私達が倒したダクパラ以外はいなかったから他の人に確認を取る事もできないし・・・まあ、考えても仕方がないわね」


「そうだねー、隠れ家かー、まあ、100体倒さないといけないしランダムポップだしその辺で狩りしてみようか」


「そうだな、地道にやるしかないか・・・」


「じゃあまた砦に戻る?それとも別の所?」


「んー・・・とりあえず砦でレベリングもかねてがいいかなー?」


「じゃあそうしましょうか、じゃあレベリングと「邪教徒の隠れ家」探しを同時にやるという事で、さっきは2体同時だったけど今後も1体とは限らないから注意してね、あとアサギ!パラディンスキルは注意しなさいね!誰もいなかったからいいけどほんとに誰かいたらどうするの!まぁちゃんみたいに話を聞いてくれる人ばかりじゃないのよ!」


「まあまあ、セッキー、それで助かったんだし身体が動いちゃう奴なんだよ、アサギは」


「それはわかってるわよ!わかってるから言ってるの!」


「あっちゃんは本当にせっちゃんに好かれてるねー」


「くふふ、昔からの付き合いだからねー」


「アサギ!わかってるの!?」


「は、はいっ!!!気を付けます!!」


「あはははは」


 教会の中に4人目の笑い声が響く、隠し事を無くし本当の友人となった4人目の声が

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