聖騎士と肉体言語
新キャラ「まぁちゃん」は周川県美って名前の設定です
同じ学校じゃないキャラの設定ですので周りの県の人→周り→まわり→まぁちゃん
相変わらず安直ですね
リアルネームは多分本編にはでてきません
「へー、3人は同じ学校なんだ?いいねー、友達と一緒にゲームできるなんて」
「んー、ずっとソロでたまに野良でインスタントとかフリーダンジョンにはいってた感じかな?」
「その武器かっこいいね、どこの?え?骨の迷宮?聞いた事ないなぁ・・・ふーん、教会は行ってないからフラグ回収できてなかったんだね、あー、掲示板か、あんまり見てないなー」
「私も武器強くしたいんだよね、コボルトの砦で短剣落ちるといいなー」
そんな他愛のない雑談を交わしながら4人となった聖騎士達はフリーダンジョン「コボルトの砦」に向かっていた
「んー・・・あっちゃんってあんまり攻撃スキル持ってないの?」
「え?ど、どうして?」
「んー、まだ敵がパーティ用のモブじゃなくてHPも少ないから倒すのはやいけど同じスキルしか使ってないから、パッシブとか支援とか優先したの?」
「あー、えーっと、えっとね、私最初からパラディン志望だから挑発スキルとか優先したんだよ、2人と一緒にやるのもわかってたから火力はマーリンに任せられるしいいかな、って」
「あー、なるほど、確かに火力がいるパーティを最初から組めてたらその方が効率がいいね」
「えへへ、でしょでしょ?」
もちろんこれは嘘だ、パーティを組む事になったのでゴタゴタを生み出さない為にセッキーが考えた嘘
アサギは本来のレベルからいけば攻撃スキルが少ない、パラディンのスキルを数えたとしても少ないが知らない人間の前でソードマンとして使えるスキルは1つしかない、だからそこを疑問に持たれた時にとりあえずは答えられるようにしておいたのだ
「それにね、このゲームはステータスとスキルだけで勝てる訳じゃあないんだ、って事を教えてもらってね、スキルがなくても身体と装備の使い方次第ではダメージが稼げるんだよ」
「ああ、そんな事言ってたね、私も身体をちゃんと使ってたから強くなるかも、とか」
「うんうん、そうそう、まぁちゃんが槍の人と戦ってる時にね、考えながら動いてる感じがしたんだよね」
「んー・・・そうかなー・・・?あんまり自信ないな、でもあっちゃん達はそんな戦い方を誰に聞いたの?トッププレイヤーの人達?」
「ううん、土の教会の団長さんだよ、とっても強いんだ」
「へー、NPCってそんな事教えてくれるんだ」
「いや、多分アサギが特別でたまたまその人と波長が合っただけだと思うぞ」
「あら、マー君そうなの?」
「お、おう、2人のノリと趣味があってるんだよ、だからゲームが始まってこんな短時間で仲良くなれたんだ」
「なるほどね、その武器のインスタンスダンジョンを教えてくれたくらいだからよっぽど仲が良くなったんだね」
「稽古中は何度も何度もボコボコにされてるんだけどね、それでもアサギは向かっていくのよ、そういう所も気に入ったみたいよ」
「へー、稽古までつけてもらってるんだ?せっちゃんとマー君はボコボコにされに行かないの?」
「いや、ほら私達は前衛職じゃないからね、まぁちゃんも頼んでみれば?きっとボコボコにしてくれるわよ」
「えー、っと!遠慮しとこうかな!」
「えー!それじゃあ強くなれないよ、まぁちゃん!」
「んー・・・じゃああっちゃんの実力を見せてもらってから考える事にするよ」
「あら、じゃあ稽古確定よ?まぁちゃん」
「え?せっちゃんどゆこと?」
「ああ、確定だな、頑張れよ、まぁちゃん」
「え、マー君まで・・・え、あっちゃんってそんなに強いの?」
「「見ればわかるよ」」
「う、うん、わかった」
アサギが上手いと褒める2人がここまで言うなんてアサギはどこまで強いのだろうか、まぁちゃんはこのゲームを始める時と同じような高揚感を感じていた
「なんかそうなると責任重大だね、よし、そろそろ砦に尽くし気合入れて行こう!まぁちゃん!こういう時の返事は「おおー!」でお願いね!じゃあ頑張ろー!」
「「「おおー!!」」」
4人は気合を十分に「コボルトの砦」に足を踏み入れる
フリーダンジョンやインスタントダンジョンなどはモブがパーティ用となっているのでフィールドと言われている所に湧く敵よりもHPが多く設定されておりその分経験値も多い
ドロップも良いものが設定されておりフィールドのモブが落とす物は確率が高く落ちるようになっている
「結構人いるんだね、どうする?定点狩り?移動狩り?」
定点狩りとはその場をあまり動かずに湧き出る敵を自分の元に寄せたりして敵を倒していく狩り方で、移動狩りはパーティ全員で動きながら敵を探していく狩り方である
効率的には湧き方や同じ場所にいる人数などで上下するのでどちらがオススメとは言い難い
「調べた所によるとここのモブはフリーダンジョン内にランダムポップで数は固定だから誰かが倒したら倒した瞬間にどこかに湧くみたいよ、これだけ人がいるなら定点狩りでもいいけど・・・場所あいてるかしら?」
「どうせこんだけいるならよく湧く場所とかは抑えられてるんだろう?移動しながら空いてる場所探してあれば定点でいいんじゃないか?」
「よし!じゃあそれで行こう!とりあえず奥に進むね、まぁちゃんモブの背中向けるからそこから攻撃開始でよろしくー」
「おおー!」
「「「おおー!!」」」
狩り方の意見をすり合わせアサギは移動を開始する、辺りには人が多い為範囲魔法の中に入らないように移動するのが少し難しい
移動しながら誰も手を出していない湧いたばかりのモブを倒していく、だがなかなか4人が狩りをするのに的な場所は見つからないようだ
「いやー、なかなかいい場所はありませんなー」
「そうね、この人数だものね、アサギ今度はあっちに向かってみましょう」
「はいはーい」
(すごい・・・敵が湧いたのとほぼ同時にヘイトをしっかり取ってくれる、しかもちゃんと位置取りまでやりやすいように動いてくれて・・・複数同時でも1度も後ろにモブが流れてこないわ、しかもすぐにどれから攻撃をすればいいのか数字のサインをつけてくれる、せっちゃんとマー君も足止めスキルをどれにすればいいのかわかるようにそいつだけには違うサインをつけて・・・それをこんなお喋りしながらこなすなんて・・・)
「まぁちゃんどうだ?アサギはなかなかのもんだろ?」
「え、ええ、そうね、思った以上かも」
「そうだろう?ちなみに気付いてるか?アサギが数字の1をつけているモブは攻撃スキルを一切使ってこない」
「・・・え?」
「よく見てみな」
(どういう事?なんで皆で叩いてるモブはスキルを使ってこないの?ソードマンにそんなスキルあったっけ?・・・あ!違う、あれはスキルじゃない!あっちゃんが相手の攻撃を止めてるんだ、発生を潰してるうの!?え、しかも数字1だけじゃないじゃない!盾や身体を使って相手の腕や身体を止めて・・・あ、足も踏んでる!凄い!これがステータスやスキル以外の強さ!?)
「ね、アサギは結構やるでしょ?」
「う、うん、凄い、凄いじゃないのあっちゃん!」
「え、そ、そうかな?くふふふ、嬉しいなぁ」
「それにせっちゃんもマー君も凄いわ、連携が取れてると言うか流れるようにパーティが動いてるというか・・・なんて言えばいいのかわからないけど!とにかく凄い!」
「全部アサギのお陰よ、アサギがこれだけ囲まれてもHPは減りにくいし後ろにモブは流れてこないから2人とも余裕を持って全体を見れるのよ」
「だなー、1度このやりやすさを知ったらなかなか野良には戻れないぞー」
「ええ、ほんとね・・・挑発スキルも多いからなのか私が全力で攻撃しても全然ヘイトこっちにこないし・・・こんなにやりやすくて楽しいパーティ初めてよ!」
「えへへ、そんな褒められると・・・くふふふふ、照れちゃうよ」
「やっぱりまぁちゃんも稽古確定みたいね、頑張ってね」
「ああ、まあ、アサギから頼めばダンチョーも嫌とは言わないだろ、アサギ、ちゃんと頼んでやれよ?」
「うん!まぁちゃんも一緒にボコボコにされようね!」
「ぼ、ボコボコはちょっと遠慮したいかな!!」
4人は楽しく会話をしながら移動していく、まだまだ良い場所が見つからない、更に奥へ進み「コボルトの砦」の真ん中くらいに来てみたが人はいないがモブが全然湧いていない場所についた
「この辺は敵がいないわねぇ、これ以上進むとモブのレベルが高くなってあんまり美味しいとは言えないわね、アサギでも3体同時に耐えれるかわからないしそこに更に湧いたら全滅の可能性もあるわ、人があんまりいないから逃げれなくもないけどMPKとかちょっと遠慮したいわね」
「そうだねー・・・んー・・・戻ってみようか」
アサギが後ろを振り返り3人の方へ向く
「危ない!」
アサギはセッキーとマーリンの間を突撃スキルで走り抜ける
「え?」
3人が振り返る、まぁちゃん以外の2人はアサギが走り出した時にはすでに戦闘態勢にはいっていた
アサギが使わないようにしていたパラディンのスキルを使っている以上何かある、今まで戦っていたコボルトには必要がないだろうからそれ以外の何かがある、と瞬時に理解していたのだ
だがそれは2人がアサギと共に狩りをしていたからわかった事であり新しくはいったまぁちゃんは一瞬遅れてしまった
「貴様が7番目にして最初の神の教皇アサギとその仲間たちか!報告にあった人数と違ってはいるが貴様が信仰をする神の名が教えてくれたぞ!」
「邪教徒!?」
まずい、3人は3人とも焦りを感じていた
まだパラディンロードの事はまぁちゃんには話をしていない、邪教徒がランダムポップなのはわかっていたがまさか最初から話しかけてくるような敵に設定されるとは思っていなかった
邪教徒の剣をアサギが盾で受け止めている
「何の用だ!?」
「知れた事よ!貴様らがダクパラ様を返り討ちにした事は我が教会に対する敵対行為だ!だから始末せよと司祭様が仰ったのだ!」
「あんた6等みたいね、つまりあの時のダクパラと同じ、またやられるとは思わなかったの?」
「クハハハ!!!俺が1人で来ていると誰が言った!?」
その声と同時に影が横から飛び出してくる、頭上の数字は6等、最初の邪教徒はソードマンタイプ、こちらはシーフタイプだ
その邪教徒はセッキーを後ろから右手に持った短剣で襲い掛かる、しかし光の腕がそれを許しはしない
「アサギ!?」
「まずはこいつらやっちゃおう!」
「わかった!」
アサギはシーフタイプを光の腕で手元に引き寄せると同時にソードマンタイプの剣を受け止めている盾から力を抜く、するとソードマンタイプが前につんのめり転びそうになる、しかし転倒まではしてくれないようだ
その後アサギはソードマンタイプの後頭部を盾で打ち抜く、スタン効果によりソードマンタイプの動きが止まる
だがそこに光の腕の強制移動後の硬直が解けたシーフタイプがアサギの後ろに回り込むスキルを使って瞬間移動してくる
幸いアサギはスタンをしなかったがこのまま背後を取られていては敵の攻撃力が増えるだけだ、アサギはソードマンタイプのヘイトを十分稼げただろうとシーフタイプの方に向きを変える
そこでシーフタイプの裏に瞬間移動してきたまぁちゃんが相手をスタン状態にした
「ナイス、まぁちゃん!」
動きを止められるとシーフタイプは脆い、襲い掛かる炎の矢と盾での攻撃、そして背後からくる短剣によりシーフタイプのHPは消えた
「くそが!」
スタンが解けていたソードマンタイプはヘイトの関係上アサギに対して攻撃を加えていたがシーフタイプ倒されたのを見るや否や逃走しようと振り返り駆け始める
「よいしょぉ!!!」
だがしかしそれをセッキーが足をかけ転倒させる事に成功する
「またそれか!!」
「流石セッキー!」
「アサギ!そいつ動かないようにできる?」
「ん、はーい」
そう言われアサギはソードマンタイプの後ろから首を絞め始める、所謂チョークスリーパーだ
「あ、ありがと・・・で、あんたなんで来たのよ?」
「先ほども言っただろうが・・・司祭様が貴様らを始末せよと仰ったのだ・・・よ、喜べ、アサギ、セッキー、マーリンには懸賞がかけられている・・・しょ、賞金首と言う奴だ!お前らは常に我々に狙われる事になったのだ!」
『クエストが発生しました、クエスト名「邪教徒の賞金首」、クエスト完了条件は邪教徒を100体倒す、インスタントダンジョン「邪教の隠れ家」内にいるダクパラ3等兵を倒す、この2つです』
「あ、クエストが発生した」
「なるほど、ダクパラの存在はこれのフラグか、しかも3等兵って事はまだまだ続きそうね」
「え?え?ダクパラって誰?どういう事?それにあっちゃんさっきのスキルは何?教皇って?」
「あ、まぁちゃん、えっとね・・・」
「知らんなら教えてやろう!こいつは、うぐぐぐぐ・・・」
アサギがチョークスリーパーに力を籠める
「・・・どゆこと?」
「話す前にとりあえずこいつ倒そうか」
「そうだな、アサギ離していいぞ」
「あ、うん」
アサギが敵を解放した瞬間にマーリンが放った炎の塊をその身に受けソードマンタイプの邪教徒は消滅した
「とりあえず安全な所に行こうか、まぁちゃんもクエスト発生した?」
「う、うん・・・「邪教徒の賞金首」ってのが発生した」
「そっか・・・よし、じゃあ最初から全部話すよ、まずは街に帰ろう」
アサギの発言に3人は首肯し登録している街にすぐに移動できる移動スクロールを使用しその場から消え去った
「はぁ・・・まさかこんなに早く話すことになるなんてなぁ・・・」
呟き終わると同時にアサギも移動スクロールを使用し辺りには静寂が漂うだけとなった
 




