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聖騎士と固い信頼

ダンチョーからますと会話が続いて続いてしかたがない

4人目のプレイヤーを出そう出そうと思ってもなかなかでてくるシーンまでいけないという

「よし、じゃあ私、ダンチョーに言ってくるよ」


「ん?一人で行くのか?」


「うん、できればそうしたいんだけど・・・いいかな?」


「私達は構わないわよ、じゃあちょっとその辺うろついてくるわね、終わったらパーティチャンネルで話しかけてね」


「うん、わかった、じゃあ行ってくるね!」


 アサギは2人と王都の入り口で分かれ土の教会を目指す


(緊張するけど・・・私が内緒にしてもらってたんだから私だけで言うべきだよね・・・)


 アサギはしばし俯き、覚悟をきめ顔を前に向けた


「よぉ、アサギ!おつかれさん、モブは一杯倒せたか?」


「う、うわあああ!!」


「おいおい、人の顔見てうわあ、はないだろ、何度顔を合わせてると思ってるんだ?」


「あ、ダンチョー団長すいません、ちょっと考え事していたもので・・・」


「ああ、そうだったのか?じゃあ急に話かけて悪かったな」


「い、いえ・・・大丈夫です、あのダンチョー団長、ちょっとお話があるんですけど今大丈夫ですか?」


「あー、今なー、ほらさっき邪教徒が襲い掛かってきただろ?あいつらはずっと昔から全教会の敵なんだよ、だからな、今あいつらがどんな奴で昔と何が変わって何が変わってないかとか調べたりと対応に追われているんだよ・・・フクフの奴がな!だから俺は大丈夫だぞ、ハーッハッハ!!」


「え、それ本当に大丈夫なんですか?だってフクフ副団長めっちゃこっちを睨んでますけど、え?いいの?え?」


「いいんだいいんだ、おい、フクフ副団長!きっちり調べて報告にこい!もちろんアサギが帰った後にだ!」


「フクフ副団長!なるべく早く帰りますから!ほんと!そんな目で見ないで!!」


「ハーッハッハ、引継ぎも終わったし団長室に行くか!」


「フクフ副団長!ほんと早く終わらせます!!」


「いいんだよ、アサギ君、こちらは一気に終わらせて団長の仕事を増やせるだけ増やしてやるだけだからね、ゆっくりしていきなさい、今紅茶を届けさせよう」


「ありがとうございます!!砂糖あまあまミルクぐびぐびでお願いします!!」


「さ、砂糖あまあまのミルクぐびぐび・・・?」


 フクフがアサギの紅茶の趣味を反芻した時にはアサギはもう背中を向け団長室の方へ向かっていた


「ふむ・・・あまあまのぐびぐびか・・・、おい、君、団長室に紅茶を届けてあげてくれ、ああ、1個でいい、いつもの女の子だ、砂糖あまあまのミルクぐびぐびだそうだが、あ、知ってる?そうか、じゃあそれをついでに私にもくれないか、ああ、団長になんか持っていかなくてもいい、乾いてしまえばいいんだ」


 団長室にあるソファーに座り他愛のない事を喋っていると紅茶が1つアサギの元に届けられた

 1つしか届けられなかった事でダンチョーが「フクフめ・・・」と言ったがアサギのせいでもあるので聞こえない振りをして早く要件を済ませて帰ろうと思った


「ああ、そうだ、アサギに言おうと思った事があったんだ、セッキーとマーリンにも伝えておいてくれ、王都内部や周辺には流石にいないが邪教徒の連中があちこちで見かけられるようになった、で、邪教徒を倒して奴らの邪教徒の証であるメダルを収集してくれ、メダルをポイントに変えて集めたポイントで色々なものと交換できるぞ、これは教会からのまあ、一種のクエストみたいなもんだな、予算は城からたっぷりもぎ取ったから安心して数を集めてきてくれ、ハッハッハ!!いい武器や防具がわんさかあるぞ、あー、でもまだ今のアサギには装備できないか?もちろん数を集めた方が強い武器や防具と交換できるがその武器をもう1度ポイントに変える事はできないからな、ちなみに奴らの階級は知っているか?そうだ、9等とか8等とか強い奴は将校とかもいるんだがな、その等級が上の奴のメダルの方がポイントがたまるからな、だが死なないとは言え無茶はするなよ」


「あ、はい、わかりました、ありがとうございます、実はさっきの襲撃騒ぎで6等兵と戦ったんですけどなんかそいつ強さを抑えてから来たらしくて本当は上級将校だったみたいです、名前はダクパラって言ってました」


 なるほど、つまり邪教徒討伐ポイントでアイテムゲットか、実にゲーム的だなとアサギは考えた

 これはプレイヤー全員が周知しているのだろうか?教会でメダルをポイントに変えるという事は教会と仲良くなってなければだめなのか?いや、しかしそれだと流石にバランスが悪いか、海野Pはそんな事しないだろうから多分告知されているんだろう


「ほう、上級将校か・・・危なかったな、そいつが本気になっていたら多分勝ててないだろう、というか今の外遊人にそんな奴に勝てる奴がいるか・・・これは問題だな・・・情報感謝する、ダクパラだな、よし、奴は何か言っていたか?他に将校がいたとか何が目的でここに来たか、とか」


「えー、っと・・・なんか邪教の神が天啓を下したみたいです」


「ほう、内容は言ってたか?」


(ドキドキする・・・もしこれでダンチョーに嘘をついてた事を怒られたら・・・軽蔑されたら・・・でも・・・)


「えっとですね・・・7番目にして最初の神の教皇を見に来たそうです・・・」


「7番目にして・・・最初の神・・・?聞いた事がないな・・・なんだそれは・・・?」


「えっと、ダンチョー団長ちょっと見てもらいたいものがあるんですけど」


 そう言ってアサギはパラディンロードの剣と教皇の冠を机に置く


「これは!?パラディンロードの剣と・・・教皇の冠だと!?一体どこの!?いやまて、これはそのクラスについていないと所有する事ができないそのクラスであるという証そのもの、何故アサギがこれを!?まさか7番目にして最初の神の教皇って・・・お前なのか・・・?」


「はい・・・実は私は6柱の教会のどこにも所属してなくてですね・・・自分で教会を立ち上げ教皇となりパラディンロードになっているんです、黙っていて・・・嘘をついててすいませんでした!」


 アサギは頭を下げた、謝ったから頭を下げたというよりダンチョーの顔を見ていられなかったからだ


「いや、そうか・・・だから・・・レベル1でパラディン・・・いや、しかし、なあアサギ・・・教皇様・・・?パラディンロード様・・・?」


「アサギでいいです!」


 アサギはとっさにがばっと顔をあげ・・・ダンチョーの顔を見て目を合わせてしまう

 その顔は・・・優しそうに微笑んでいた


「ああ、アサギ、そうだ、お前はアサギだもんな、まだまだ実力不足ではあるが稽古も頑張っていて立派な聖騎士道を持ち合わせたアサギだ」


「はい・・はいっ!!」


 アサギの目に若干涙が浮かぶ


「まったく・・・最近言おうとしていた、いや、最初から隠してた事はこれだったのか・・・まあ確かに驚きはしたが何で隠してた?セッキーの指示か?」


「あー、いや、ほんとはパラディンにクラスチェンジするのってソードマンとナイトのレベルをあげてからじゃないですか・・・それをしないでいきなりパラディンロードになったら絶対周りがうるさいと思いまして・・・セッキーにも言われましたけど私もそう思う所があってですね、もしそれでゴタゴタしてこの世界にこれなくなったらいやなので隠そうかと・・・」


「ふむ、まあ、それはそうだろうな、そうか・・・お前はパラディンロードだったのか」


「は、はい・・・」


「バカだな、アサギは」


「え?」


「言ってくれればパラディンロードのスキルとかもちゃんと鍛えてやったのによぉ、ま!会ってそこまで時間も経ってない奴に教えるのは無理か」


「あ・・・すいません」


「その様子を見るに言ってくれたのは俺が最初みたいだな、嬉しいぜアサギ、流石によその教会の教皇様をうちの教会に所属させる事はできないが、まあ、この入り浸りっぷりだ、お前の教会の神様もきっとここに来るのは許してくれてるんだろうぜ、ん?なんでセッキーはうちに所属してるんだ?」


「えーっと私1人の教会で私がその辺をよくわかってないと言いますか・・・でも私も土の教会からクエスト受けたりとかしてますんでそこらへんは自由なのかな・・・?」


「随分と心の広い神様だな、名前は?」


「創造神ウミノピー様です」


「創造神!?創造神、か・・・ウミノピーさまねぇ、聞いた事はないが・・・つまりあれだろう?光の神様と闇の神様を創られた神様って訳だろう?んー・・・そうなるとまあ・・・自分の孫みたいなもんなのか、土の神様は・・・だからそこまでゆるくても大丈夫なのか?」


「どうなんでしょう、ただ私が自分でクエストを発注して受注してこなして報告をして報酬を受け取る、ってのは流石に難しいので見て見ぬ振りをしてくれているのかもしれません」


「そんなもなのかねぇ・・・あー、お前がステータスにINTを振らないって言ったのはこの剣と冠のお陰か」


「あ、はい、そうですそうです、剣もですけど冠で大分INTに補正がかかるので振らなくていいかな、と思いました」


「そうか、そりゃああの教皇様の証だからな、ん?お前パラディンロードでもあり教皇様でもあるのか?」


「はい、教皇はサブ職の方になっちゃってますけど」


「サブ職?ああ、外遊人は鍛冶だの裁縫だのも職業にできるんだったか、しかしそこに教皇をいれるとはな・・・スキルは?使えるのか?」


「はい、任命スキルと今はあと1つだけ使えます」


「そうか、教皇スキルは特別な奇跡だって話だからな、強くなると解放されるんだったか、うちの教皇様も厳しい修行の末会得したって話だったな、そうか、流石にそっちを教えるのは難しいな」


「ああ、教皇のスキルはなんというか身体の使い方がどうこうってスキルじゃないので多分大丈夫だと思います」


「そうか?ならいいか、パラディンロードに関してはこれから少しずつ稽古にもいれてやる、実践はできないが見た事はあるし大体わかる、こっちは確実に体の動かし方で威力や隙が変わってくるぞ」


「はい!よろしくお願いします!!」


「ふむ・・・しかし邪教徒にばれたのはまずかったんじゃないか?」


「いやぁ、それがダクパラには私達外遊人がどこの教会に所属しているかわかる力があるらしくてですね、1発でばれました」


「あー・・・それは初めて聞いたな、そんな力があるのか、あー・・・じゃあ内部にスパイを送り込むことはできないのか・・・くそ!後は何か知っている情報はあるか?」


「なんか計画がどうたらとか言ってましたけどそれ以上は何も言ってないです」


「計画・・・計画か・・・やれやれ、何を企んでいるんだか・・・」


「ダンチョー団長は骨の迷宮が邪教徒の呪いでできたって話は知ってます?・・・・あっ!」


「なんだと!?どういう事だ!?あれがいつ生まれたかなんて話は一切記録が残ってないんだぞ!?」


 アサギは安心したのか言ってはいけないと言われてた事をすっかり忘れてしまっていた

 計画と言えば骨の迷宮も計画の失敗の結果なんだよなー、なんて事を考えていたからついつい喋ってしまった

 流石にここまで喋ってしまっては誤魔化す事は難しい、観念して正直に話し迷宮を塞ぐ事だけはやめてくれ、と頼み込むしか方法はなかった


「1番最初に骨の迷宮から帰った時に本見せたの覚えてますか?実はあれは外遊人しか見れないらしいんですけどその中にはこう書いてあったんです」


 アサギは内容を言おうとしたがあんまり覚えていないのでバッグから取り出して内容を口に出した


「ふむ・・・あそこには邪教徒が関わっていたのか・・・」


「あ!あの!あそこ他の外遊人の人とか結構最近行き始めたので封鎖とかしないでほしいんですけど!」


「あん?あー・・・封鎖か、んー・・・今まであそこで邪教徒を確認した事はないしその本が事実ならあそこは失敗作って事で遺棄されているんだろう、長い事扉を見張り狩りもしているが特に問題はないから封鎖まではしないでもいいだろう」


 アサギはほっとした、自分のうっかりのせいで後続の人たちの狩場が1つ減ってしまったら今後精神衛生上このゲームを続けていられなかったかもしれない


「それに骨の迷宮をお前たちはまだクリアしていないしな」


「え?それは」


「内緒だ」


 それはどういう事ですか?そう聞く前にダンチョーは答えた、そう言われたらもう聞く事はできない


「まあ、1つ言っておくとすればお前らが強くなったらその時に教えてやる、って事だけだな」


「はい!わかりました!」


「よし、じゃあセッキーとマーリンにも伝えておけ、ああ、さっきの事もな、パラディンロード様の件は俺の心に閉まっといてやる、だがアサギ、俺が言いたくなって言いたくなって我慢できなくなる前にはやく実力を伴ってパラディンロードだと名乗れるようになってくれよ?そうじゃないと俺が疲れちまうからな、ハーッハッハッハ!!」


「はい!頑張ります!ダンチョー団長!」


「おう、じゃあ強くなりに行ってこい!」


「はい!では行ってきます!」


「おう、またこいよ」


「っ・・・はいっ!!!ありがとうございます!!!」


 アサギは砂糖あまあまミルクぐびぐびの紅茶を一気に飲み干し団長室から出て行った


 その後少しして扉がまた開かれた、椅子に座り背中を向けたダンチョーに入ってきた人物が話しかける


「ダンチョー団長、アサギ君泣いてましたよ?若い子を泣かせるなんて何考えてるんです?顔が怖いからじゃないですか?」


「おう、フクフ、ちょっと稽古内容を変えるぞ」


「あー、っと私、忙しくて稽古なんかしている時間がないと言いますか!!城からも呼ばれている身でありますし!!」


「馬鹿、お前じゃない、アサギだ」


「アサギ君ですか?もっと厳しくしようって事ですか?まあ、確かに最近のアサギ君は最初と比べて強くなりましたけど今だって割と厳しくやってますよ?私は」


「流石にお前には言わないといけないからな、色々調べさせていた訳だし」


 何を言っているんだ?フクフは眉でダンチョーにその感情を伝える


「アサギは7番目にして最初の神の教皇でありパラディンロードだったんだ」


「・・・は?」


「事実だ」


「あー・・・え?本当に?」


「事実だ」


「なるほど・・・だからレベル1で」


「ちなみに教皇はサブ職扱いでパラディンロードがメインらしい」


「そ、それは・・・」


「やはりあいつには聖騎士道がある!」


 ダンチョーは椅子を回しフクフの方に身体を向け満面の笑みを見せた、その笑みは本人的には満面なのだが周りの人間は獣のようなという枕詞をつけるような笑みだ


「はぁ・・・聖騎士道ですか・・・まあ、教皇も選べたのにパラディンロードをやってるんですからほんとにパラディンが好きなんですね、アサギ君は」


「だからあいつの稽古をパラディンロードのスキルの使い方なりも教える事にする、ああ!これならパラディンロードになっておけばよかったか!!」


「ダンチョー団長、それこの前私に言うなって言ってませんでしたっけ?」


「おっと、そうだったな、今のは忘れてくれ」


「はあ、本当にアサギ君には甘いんですね」


「そ、そうか・・・?」


「そうですよ、土の教会の者は皆そう思っていますよ」


「そ、そうか・・・むぅ・・・そうか・・・」


(やれやれ・・・聖騎士道ってのが似てるらしいからしょうがないんだろうけど・・・まあ、あの子を応援したくなるって気持ちは・・・私にもありますしね、いいでしょう、パラディンロード用の稽古、私も考えてあげましょうか)


「では今度アサギ君が来たらそのような形で稽古をつけてあげましょう、となると我々2人だけで稽古をつける事になりますがよろしいですか?」


「ん、ああ、そうか・・・いや、しかしそれだとパターンに慣れてしまっていい稽古にならない可能性が」


「その心配は我々2人に勝てるようになってからでいいと思いますよ、それに秘密なんでしょう?」


「む、それもそうか、じゃあそうするか、よし!仕事を片付けていつでも稽古できるようにするか!」


「そうですね、私も頑張りましょう」


「よし!じゃあ任せた!」


「はい?そういう事言います?アサギ君にそれを言ったらどう反応するでしょうね?私のせいで仕事しなくなるならもう来ません、ときっと言うでしょう、それがアサギ君の聖騎士道です」


「むぅ・・・!お前もだんだんわかってきたな!!くそ、そうだな、仕方ない仕事するか、書類よこせ」


「はいはい、じゃあこれ全部お願いしますよ」


 フクフは机の上にいつの間にか足元に置いてあった書類の束をドスンと置く


「な、なに、こんなにあるのか!?」


「ええ、さっき言ったでしょう、一気に終わらせて増やせるだけ増やしてやる、って、さあ!早めにお願いしますよ!ダンチョー団長!!」


「くそ!わかった、わかったよ!!」


 その日から団長室の明かりは夜遅くまで消える事がなかった日が続いたそうな

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