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聖騎士は怪しい薬はNG

皆様の声を聞かせてくださると幸いです


感想、評価お待ちしております

 アサギは「強化された邪教徒ドレナリン」の攻撃に若干の気持ち悪さを感じながらもなんとか攻撃を防いでいる

 なるべく相手の顔を見ずに攻撃に使われる巨大なハンマーを見る事によってしっかりと盾を攻撃に合わせる事ができていた

 それにより異常ともいえる相手の関節息の広さにも気づく事ができた

 いつもならばここに来るだろう、という攻撃の軌道がそこからさらに角度を変えて当たる事もあるのでどちらかと言えばハンマーに盾を叩きつけるように攻撃を防いでいる

 今までならそのような防御の仕方をすれば後ろに飛ばされていたであろうハンマーによる攻撃も光の盾を発動させている間はVITを上げる事と防御力を上げる事でしか上がらないウェイトもあがるのでなんとか吹き飛ばされずに戦闘を維持する事ができていた


「いやー、光の盾はほんとにいいスキルだー、でもこんなスキルが高レベルじゃないと取れないって事はこれからどんどん大きくて強い敵が増えていくって事なんだろうなぁ」


「そうね、本来ならここでは取れないくらいのスキルなんでしょ?それがあるから「強化された邪教徒ドレナリン」の攻撃をその場で防げてるけどなかったらもっと大変なんでしょうね」


「うん、多分背中に壁つけながらの戦闘になってただろうなー」


 後ろに押されるなら押されても動かない場所にいればいいじゃんという事である

「強化された邪教徒ドレナリン」は「カクシテル神殿」の悪魔よりも攻撃頻度が少ないので防ぐのは大変じゃない

 背中に壁を付けたままでもしっかりと防ぎ切れるだろう

 そんな事を考えている間にも「強化された邪教徒ドレナリン」のHPはどんどんと削られていく

 アサギが敵の攻撃を防ぎ切りヘイトを維持できるのなら攻撃の手が緩む事はない

 アサギの新スキルを見て自分もはやくジョブレベルをあげたい!との思いがその手を更に加速させていく


「そろそろHP半分よ、注意してね」


「はーい!」


 そしてHPが半分になった時「強化された邪教徒ドレナリン」は高く飛びあがりプレイヤーが進入できない所へと移動した


「ふんふん、まあ、強化されてるってくらいなんだから次の強化の仕方もそうなるよね」


「強化された邪教徒ドレナリン」は腰につけた袋からゴソゴソとなにかを取り出しそれを勢いよく口に含んだ


「いやー、まさか含み薬だとはなぁ、薬って言えばほら、普通注射器でこう、ぶすっとさ」


「んー・・・うるさくなりそうだから配慮したんじゃない?」


「そんなもんかねぇ?」


「いやー、どうだろね、まだまだ次があってもおかしくないしね」


「確かに、それもそうだな」


 薬を飲みこんだ「強化された邪教徒ドレナリン」は「さらに強化された邪教徒ドレナリン」と名前を変えアサギの目の前に飛び降りてきた

 今までよりも攻撃の強さも速度も速くなっている

「強化された邪教徒ドレナリン」はスキルで攻撃をしてくる時に大きく身体を捻り横から薙ぐ様にハンマーを振り回してきていた

 ノックバックを嫌い、背中を壁につけながら戦っていると逃げられないスキルかもしれないがアサギは後方に移動できる空間があるので身体を捻った瞬間に後ろに飛ぶ事でそのスキルを防いでいた

 だが「さらに強化された邪教徒ドレナリン」は今までですら人の可動域の限界よりも捻っていたのに更に多く捻りを加えて振り回してきた

 アサギは身体を捻った段階で後ろに飛んだのだがダメージを受けてしまった

 ダメージを受けたタイミングも悪かった、さっきまでの「ドレナリン」だったらたとえ攻撃を食らったとしても盾を構えている状況で、しかも地に足がついた状態だった

 だが「さらに強化された邪教徒ドレナリン」のハンマーを振る速度は上がっておりアサギがダメージを受けたのは盾を構える前、しかもジャンプからの着地が終わる前だった

 それによりアサギはダメージを受け後方へと吹き飛ばされてしまう

 初めて食らうスキルの直撃によりアサギはHPは大きく削られる

 飛ばされたアサギへとさらに追撃を加えようと「さらに強化された邪教徒ドレナリン」は進んでいく

 アサギは素早く立ち上がり盾を構えた

 ハンマーがアサギを襲うがその攻撃はしっかりと盾で防がれる

 そしてアサギのHPはセッキーとオネによりどんどんと回復していった


「ふー、今ちょっと危なかった」


「さっきまでより攻撃範囲が広がったのかしらね、もうあのスキル後ろへ跳ばない方がいいんじゃない?」


「うん、そうみたい、ハンマーが直接当たった訳じゃないけど風圧?でダメージはいったのかも」


 そう話した瞬間に「さらに強化された邪教徒ドレナリン」はまた身体を大きく捻った

 アサギはその場から動かずに盾を構える

 盾に普通の攻撃を止めた時以上の衝撃が加わる、だが今回はしっかりと防いでいたので吹き飛ばされる事もなく耐える事ができた

 よし、とアサギは攻撃を加える為に剣を振りかぶる

 だが「さらに強化された邪教徒ドレナリン」の攻撃は終わっていなかった

 どうやらさっきはアサギが後方へ移動したからスキルが途中で中断されたようだ

 アサギの盾に当たった事など微塵も気にする事なく「さらに強化された邪教徒ドレナリン」はハンマーごと身体を回している

 そしてちょうど身体が一回転した時軌道を変えアサギの頭目掛け力の限りハンマーを振り下ろした

 またタイミングが悪かった

 盾は構えていたが剣で攻撃をしようとしていた時である

 しかもアサギ目からはちょうどハンマーが「さらに強化された邪教徒ドレナリン」の身体で隠れて見えなかった

 今までの攻撃が横からばかりだったのもあったので上下の動きに目が慣れていなかったというのもあったのかもしれない

 アサギは振り下ろされるハンマーにまるで自分から当たりに行くように前にでながら食らってしまった


「ぎゃ!!」


 その衝撃に耐えきれずアサギは倒れこんでしまう

 一撃で死んでしまうようなダメージではなかったのが幸いだろう

 倒れているアサギに追撃はくるがセッキーとオネが必死に回復をしているのでHPは回復している

 だが回復魔法だってCTはあるし何十個も種類がある訳でない

 アサギはスタン状態になっているので起き上がる事はできない

 ダメージを軽減できない状態の中「さらに強化された邪教徒ドレナリン」は追撃の手を休めなかった


「あー!危なかった!!!」


 アサギのHPが回復をかけられながらもじわりじわりと減っていく中アサギは起き上がり盾を構えた

 攻撃を防ぐ事ができるのならば被ダメージが回復量を超える事はない

 アサギのHPはどんどんと増えていく


「1発1発のダメージが大きいからスタンは要注意ね」


「ほんとだね、今ちょっとやられるかと思ったよ、回復ありがとね、セッキー、オネさん」


「大丈夫よ」


「うん、頑張って、アサギちゃん」


「うん!」


「最悪なのは今のスキル1発目2発目両方防げなかった時よ、それでスタンもはいったら多分回復追いつかない」


「わかった!気を付ける!」


 アサギは気合を入れなおしハンマーの動きに視線を戻す

 スキルの動きも1度身体を持って経験したので次に来た時は最初も、更にその次の攻撃も防ぐ事ができた

 これで「さらに強化された邪教徒ドレナリン」には負ける事はないだろう

 皆がそう思ったその時HPが残り25パーセントになった

「ドレナリン」はまた進入不可の場所へと跳んだ

 肩で息をしている、あちらもどうやらお疲れらしい

 ゴソゴソとまた腰につけた袋に手を入れ出す


「あ、やっぱり」


 マーリンが声をあげる

「ドレナリン」の右手には怪しげなものが握られていた


「もっと強化されるぞ、気を付けろよ!」


「ドレナリン」は怪しげなものを持った右手を首に近づけるとそれを首に刺しこみ


「あ!倒れた!」


 ばたりとその場で倒れこむ

 だがすぐに起き上がり、その場で今まで両手で持っていたハンマーを片手で持ち上げ振り回し始める


「うわー、火力まだ上がったんだろうなぁ」


「名前もまた変わってるぞ」


「ドレナリン」は「狂化した邪教徒ドレナリン」に名前を変えアサギの目の前に飛び込んできた

 ぶんっ!と先ほどまでよりも速い速度でハンマーが振るわれる

 今までは両手で持っていたので左側からのみ攻撃がきていたのだが片手になった事で左右両方からもハンマーが振るわれる事になったからだ

 左右から来る攻撃にもなんとか対応していくアサギ

 それにしびれを切らしたかのように「狂化した邪教徒ドレナリン」はハンマーを両手で持ち直し身体を大きく捻り始めた

 さっきよりも捻りが強くなったのでハンマーがアサギの目の前にまで来ている

 そしてスキルが発動された

 左から勢いよく迫ってくるハンマーを盾で防ぐ

 ハンマーが盾に当たったのを気にも留めずにアサギの目の前を通り過ぎる

 そしてアサギの脳天を目掛け振り下ろされるハンマー

 アサギはそれもしっかりと盾で防いだ

 だが攻撃はそれでは終わらなかった

「狂化した邪教徒ドレナリン」はやはり盾にハンマーが当たった事を気にも留めずにそのまま地面へと向かって振り下ろしながらその場で高く飛びあがりハンマーを身体ごと縦方向に1回転させながらまたアサギの脳天目掛け振り下ろした

 3発目の攻撃はどうやら範囲攻撃のようだった

 盾で防いだアサギだけでなく周りに居たダガーのHPが減っている

 まぁちゃんは完全回避のスキルを発動させていたのでダメージはなかったがダガーは後方へと吹き飛ばされた


「3回目は範囲か、スキルを確認したら2人は離れた方がよさそうね」


「うん、これが続くとなるとスキルのCT間に合わないもんね」


「攻撃の余波だってのに結構ダメージあるしな、素直に下がった方がよさそうだ」


 だがどうやら「狂化した邪教徒ドレナリン」もこのスキルにはリスクがあるらしい

 数秒ではあるがハンマーを地面につけたまま肩で息をし、攻撃の手が止まっている

 3発全てが直撃してしまえばどうなるかはわからないがどれかを防げれば回復は間に合うだろう

 まあ、アサギは3発とも全てのダメージを軽減させる事に成功しているのだが


「とりあえず攻撃方法は普通のと今のだけっぽいね!あと少し!頑張ろう!!」


「「「「「おー!」」」」」


「ドレナリン」のHPはあと少し、残すは奥へ消えた「研究所所長ハッカセー」、そして奴はこの施設に現れるのだろうか

 だがアサギにはそんな事を考える余裕はなくしっかりと「ドレナリン」の握るハンマーへと向けられていた

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