聖騎士はつるはしよりも発破
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「ガオーン」を倒し「呪われた老木」と戦った日から2週間が過ぎた
結局「呪われた老木」は私達とアーサーさん達のギルド「円卓の騎士」との合同で倒す事になった
「呪われた老木」はどちらかと言うと私みたいなタンク職として戦うよりもアタッカーやヒーラーが色々と大変な戦い、という感じだ
敵のモチーフになっているものが木なだけに「呪われた老木」はその場から動く事はできないし向きを変える事もできない
だから私は「呪われた老木」の真正面に立って攻撃を防ぐだけでも良かったのだけどアタッカーやヒーラー達はそうも言ってられなかった
まず第一に「呪われた老木」の目の前に誰かがいないと「呪われた老木」は自分の正面以外をやたらめったらと攻撃しだす
私が最初に近づいて行こうとした時にも枝や蔓や根が荒れ狂うように動き回りこれどうやって横から攻撃するんだろう?と思って足が止まってしまったものだ
そうしていたらアーサーさんが「「呪われた老木」の攻撃範囲にはいると周囲の攻撃は止まるよ」と言ってくれたので私は恐る恐る近づいて行ったら確かに攻撃は太い2本の枝のみになってあとは静かになったから攻略に集中できたけれど検証していたのなら最初から教えて欲しかった
後で聞いた話によると最初に自分達も驚いたから教えるよりはちゃんと驚いた方がゲームを楽しめるだろうという事で教えてくれなかったみたいだけど
うーん・・・確かにそれはそうかもしれない
あの時は本当に驚いて足が止まっちゃったくらいだし
そして攻略が始まったのだけれど私は本当に最初から最後まで太い枝を防いでるだけだった
枝がしなりながら襲い掛かってくるからしっかりと防ぎ切るタイミングが難しかった事と吹き飛ばされないようにする事、あとは終盤に私を攻撃する枝が増えて攻撃パターンが増えたからそれに対応しなければならないくらいで簡単と言えば簡単だった
それよりも周りのプレイヤーの方が動き回って大変だった
上から蔓が伸びプレイヤーを吊し上げてはそれを助ける為に攻撃する場所を変えなければならなかったり上から落ちてくる実が何故か時間が経つと爆発したり、地面から根っこが急に飛び出してきたりと多分私以外のプレイヤーで開幕からずっと同じ場所で攻略をしていた人はいないはずだ
遠距離職の人がいる所も同様に攻撃が襲ってきたのでヒーラーだろうがなんだろうが皆走り回っていた
もし私の周りに実が落ちてきて私がその場を移動しなければならなくなったとしたら最初のやたらめったらと暴れまわる行動を取るかもしれないと思い近くを人が通る度に少しひやひやしたものだ
最終的には根っこが人型に変わって襲ってきた理枝の先が竜の頭のような形をしたものをぶんぶんと振り回してきたがなんとか討伐するができた
ドロップは魔法職用のミシッククラスのネックレスだったようだがオークションで「円卓の騎士」のハイウィザードの人が買っていった
マーリンがちょっと惜しそうにしていたけど流石に今は高すぎる、と言っていた
「防御システム」がまた歩き出したと聞いたのでどうやらフィールドレイドモンスターは現実時間の一週間でリポップするらしい
毎週狩る事ができればそれはそれで美味しいんだろうけど最近クラスチェンジしてる人も多くなってきたので毎回とまでは行かないだろう
フィールドレイドモンスターは流石に大きいしアナウンスが入るから内緒にして独占!とはいかないのがちょっと残念だな、とは思うけどその辺はしょうがない
一応前回討伐した時間を計っていたみたいだけど討伐した時間とは1時間弱のずれがあったからぴったり一週間といかないので張り込みが大事だ
まあ、私達2回目もアーサーさんに誘われる形で「防御システム」の討伐ができたんだけど
さて、それはさておき今日これからの予定はと言うと
「アサギ、なにしてんの、オネさんもログインしたしダンチョーの所いくわよ」
「あ!うん!今行くよー!」
学校に行っている間に「まおクエ」の大型アップデートが終わったので急いでログインしたらダンチョーから6人全員揃ったらダンチョーの所に来てほしいと頼まれたのだ
これはきっと大型アップデートで色々なものが追加されたから前に言ってた邪教徒の新しい建物への攻略を頼まれるに違いない
「色々邪教徒関連のストーリーが進むのかな?」
「どうでしょうね、隠れ家も神殿も大して情報が得られなかったし・・・今回もなにもないんじゃないかしらね」
「次はどんなところだろうなぁ」
私達は6人全員で土の教会へと向かった
そういえば「ガオーン」のクエストも全員進める事ができた
土の教会の受付の人に「ガオーン」倒せたんですよー、って言ったら「その事をダンチョーには?」と聞かれたのでセッキーが「ああ、やっぱりこれがフラグね」と言っていた
どうやら教会の内部の人、誰でもいいから話せば話がダンチョーの所まで行きクエストが進むようだ
多分練兵場でも上の人に話が行ってクエストが進むだろうともセッキーは言っていた
団長室に着いたので今回は普通の強さでドアをノックする
「ダンチョー団長、アサギです、来ましたー」
「おう、待ってたぞ、入れ入れ」
「失礼しまーす」
「おう、とりあえず座ってくれ、今にお前ら用のお茶もくるだろ、話はそれかたにしよう」
そう言うと団長室に7つほどお茶が運ばれてきた
もちろん7つ目はダンチョーの分だ
「今回呼んだのは前にも言ったが新たに見つけた邪教徒のアジトを叩いてもらいたいからだ」
「はい、わかりました、場所はどこですか?」
「ふふん、話が早くて助かるってもんだ、場所は「ヨンツメーノ」から行ける所だ、最近ようやく調査に行った奴らが帰ってきてな、正確な位置を知る事ができたんだ」
『完全にアプデで新しくできた場所ね』
『うん、そうだね、今まで「ヨンツメーノ」からこっち側に何もなかったもんね』
『こうなるとやっぱゲームの中で今目の前に居る人はNPCなんだって思っちゃうな』
「ん?どうかしたかお前ら」
「あ、いえ、大丈夫です!!」
「そうか?まあいいか、地図で言うとここだ、ここに建物の入り口がある、内部を調査、いやできれば壊滅してきてほしい、頼んだぞ」
「「「「「「はい!」」」」」
「さて、じゃあ出発しましょうか」
「「ヨンツメーノ」行くのも久しぶりな気がするな、最近ずっと「カクシテル神殿」行ってたもんな」
「確かにそうだね~、所で新しい所はまたインスタンスダンジョンかな?」
「多分そうでしょうね、アプデされてから出来た場所だからレベル帯的には今の私達で行けるくらいなんだろうけど、まだレベルキャップも解放されてないしね」
「そうだな、まあ、まだレベルキャップに到達してないんだけどな」
「でもクラスチェンジしてからそこまで上がらないんだからきっとすぐ到達するでしょ、そしたら装備集めだね」
「そうだな、フィールドレイドモンスターだって狩りたいし・・・今あれ以外でミシッククラス落とす奴いるのかな?」
「どうかしらね、可能性があるとすれば骨の迷宮の奥かしら?」
「あー、あそこの5階か?そういや強い装備落とすって言ってたよな、ダンチョーが」
「レベルキャップに行くまでにエンドコンテンツを少し終わらせてるってのも変な話だけどね」
「4階はリッチーで5階がスケルトンだっけか、早く倒してみたいもんだ」
「そうね、でもとりあえず今は邪教徒の所よ、多分メダルで新しい装備と交換できるんじゃないかしらね」
「おお!ついに邪教徒メダルに新装備が!!」
「多分だけどね」
「そうとなったら周回だな」
「ええ、当然周回よ」
アサギ達は王都の転送装置から「ヨンツメーノ」まで飛びそして騎乗動物に乗り込んで目的地へと向かう
「おー、此処こんな道あったんだねー」
「掲示板に有った写真見てみ、ちょうどこの場所でSS撮ってた人が居たらしいんだけどまあ、綺麗に道になったもんだな」
マーリンが表示させた2枚の写真は同じ場所で同じように撮られた写真だったのだが明確に違いがあった
1枚目の写真では巨大な岩の壁を背にしているのに2枚目の写真はそこにぽっかりと穴が開いたように道ができていたのである
「ふふ、SSをNPCに見せれないのはこんな写真を見せなくするつもりもあったのかもしれないわね」
「確かにな」
「さて先を急ぎましょう」
「「「「「おー!」」」」」
そしてアサギ達は「ヨンツメーノ」から騎乗動物に乗り30分ほど走った所でようやく目的に着いた
目的地に近づくにつれフィールドに邪教徒が出現するようになっていき、最終的にはパーティ用の強さになっていたので時間がかかったのだ
「ふぅ、やっと着いたというか見つけたと言うか・・・」
「そうね、建物って言われてたから家みたいなものを探していたから大分わかりにくかったわね」
「ああ、まさか地下に行くとは思わなかったな」
アサギ達の目の前には巨大なマンホールのようなものがあった
「うん、じゃあ入るよー、えっとね、ダンジョン名は・・・「邪教徒の採掘現場」・・・?」
「な、なんかイメージと違うわね・・・」
「採掘現場・・・建物・・・建物って言っていいのか?」
「んー・・・まあ、ダンチョー達は中までは入ってないんじゃないかしら、邪教徒がこんだけ居る訳だからね」
「その辺はNPCとプレイヤーの違いか、あんまり全部知ってても変な話と言えば変な話だしな」
「よし、じゃあ「邪教徒の採掘現場」入るよー!」
「「「「「おー!」」」」」
アサギがウインドウに表示された「「邪教徒の採掘現場」に入りますか」との問いにはいと答えると目の前の景色が瞬時に変わった
「おー・・・どうやら降りてきたみたいだね」
「そうだな、後ろにご丁寧に地上へと繋がる梯子があるぞ」
「あはは、ほんとだ、一応私達もあれ使って降りてきたって事になってるんだね」
「そうだな、使ってないけどな」
「さて、じゃあ攻略をしていく訳だけど・・・」
「うん?どしたのセッキー」
「皆忘れてない?邪教徒関連の場所でよく会うあいつの事」
「あ!!そうか!!いるかもしれないんだ!!」
「そうか、最近邪教徒と戦ってないから忘れてぜ・・・」
「「ダクパラ」・・・次は絶対に負けない!!」
アサギ達はその気持ちを胸にし「邪教徒の採掘現場」を歩き始めた




