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聖騎士といつか辿り着くべき場所

皆様の声を聞かせてくださると幸いです


感想、評価お待ちしております

「どうする?とりあえず消耗品買い直して「呪われた老木」まで待機って事でいいか?」


「そうね、ちょっと疲れたから私は休憩したいわ」


「うんうん、私も疲れたよー、あっちゃんの教会でちょっと横になってようかな、消耗品は元々いっぱい持ってたから補充する必要ないし」


「私もそうしようかな、流石に疲れちゃった」


「俺は補充が必要だな、MPポーション結構使ったから」


「じゃあ私達は休憩で男2人は買い物、アサギはどうするの?」


「え、ああ、えっと私は・・・」


「あ、そうだ、アサギ、ダンチョーに「ガオーン」が倒せたって報告しに行ったら?前に倒すんだー、ってダンチョーに言ってたしその為の特訓にも付き合ってもらってたんだから」


「そ、そうだね、うん、そうしてくるよ」


「お、それなら俺も一緒に行こう!」


「マーリン、あんたは消耗品の補充があるんでしょ、いいからそっち行ってきなさいよ」


「え?まぁ、そうだけど」


「アサギ、さっさと行ってきなさい」


「はーい、じゃあ行ってくるね」


「はい、いってらっしゃい、ほら、男2人はさっさと補充に行ってきなさい、普段からしっかり必要な分以上に持ってないから毎回買い出しに行く事になるのよ」


「「は、はーい!」」


 アサギはすぐに帰還スクロールを使い教会に戻り土の教会へと駆け出した

 受付の人や中に居た教会の人に挨拶をしながらのその速度は収まらない

 そして


「ダンチョー団長!アサギです!入っていいですか!」


 団長室のドアをドンドンと叩きながら叫んだ


「おー、いいぞー」


 中からダンチョーの声が聞こえた

 アサギはドアを勢いよく開け団長室の中へ飛び込んだ


「おー?どうしたんだ、アサギ、今日は一人か?」


「ダンチョー!皆で「ガオーン」倒せました!」


「おお!そうか!強くなったな、アサギ、おめでとう・・・と言ってやりたい所だが納得してないみたいだな、その顔は」


「・・・はい・・・「ガオーン」を倒す直前に私スキルを使って攻撃を受けなくしたんですけど・・・」


「ふむ・・・その時に喰らった最後の一撃は受け切れなかった、ってとこか」


「っ!!そ、そうです・・・私最初の方は反応で来たんですけど下から来る方の攻撃はまったく反応できなくて・・・それで・・・倒せた!って喜びはもちろんあるんですけどなんて言うか勝てた、って実感が湧かなくて・・・むしろあの攻撃を見たら負けたんじゃないか、ってくらいに思えてきちゃって、それに途中の攻撃もなんとか捌いたり防いだりしてたけど最後の速度で来られてたら全然防ぐ事だってできてないだろうし、身体には当たってなかったけどもしあれをスキル発動前に使われてたらきっと吹き飛ばされてただろうから、それで!!・・・私、最初嬉しかったんです、「ガオーン」と対峙した時、「ガオーン」と目が合って最初の時の続きが出来るって、今度こそ本気の「ガオーン」を皆で倒すんだって・・・でも・・・結局私達は・・・ううん、私は「ガオーン」の本気すら出せてなくて・・・」


「アサギ、最後のその攻撃はな、言ってみれば挑戦状だ」


「ちょう・・・せん・・・じょう・・・?」


「アサギがあいつと会ったのは「チトトーイ荒野」だろ?あいつはな、あそこでは強い奴を探しているだけなんだよ」


「え?探してる?それって・・・?」


「アサギには黙っていて悪かったが「ガオーン」の本気は「チトトーイ荒野」では最後の一瞬しか見る事はできない、これは絶対だ」


「え?え?」


「これは多分俺達現地の人間のルールなんだがな、「ガオーン」を討伐した事がない奴には絶対に言ってはいけない事なんだが」


 そう言いながらダンチョーはお茶を飲み始める

 アサギはその時間を待ってるのすら惜しいほどに焦れていた


「なんですか!その言ってはいけない事って!!」


「「ガオーン」は自分の住処まで辿り着いた者のみに全力を出すんだ」


『「クエスト「ガオーン」の住処への道その1、まだまだ道半ば」が解放されました』


「えっ!?えっ!?」


 アサギはダンチョーの言葉といきなり現れたウインドウと両方に驚きの声をあげた


「そこまで辿り着ける奴は少ない、最後どころか途中を越えれる奴も、な」


「な、なんでそんな!!」


「ん?なんで言わなかったかって?「チトトーイ荒野」ですらあの強さなんだぞ?もし興味本位に奴の住処まで行ってみろ、確実に殺されるからだ、まあ、「チトトーイ荒野」の「ガオーン」すら倒せないようじゃあそこまで行く前に殺されるかもしれないがな」


「・・・じゃあダンチョーはその住処を知っているんですか・・・?」


「俺か?いや、知らん」


「へ?」


「仮に知ってたとしても今のアサギじゃあどうせ勝てないんだから教える訳ないだろ、それとも乗り込んで「ガオーン」にまた1発で倒されたいのか?」


「い、いや・・・そう言う訳じゃ・・・」


「とにかくお前はまだまだ弱いって事だ!さっき部下が報告しにきたんだが「トークノ森」の奥の方にまだでっかいモンスターが現れたそうじゃないか、あれはお前達に関係あんのか?」


「あ、いえ、私達が起こした訳じゃあないですけど・・・」


「けど?」


「えっと、これから討伐に行こうとはしてます」


「そうか、まあ外遊人だ、死ぬ事はないとしても無茶な事はするなよ、前に言った事覚えてるか?お前の盾は」


「皆の盾!ですよね!」


「そうだ、わかってるならいい」


「はい!ありがとうございます!!じゃあ準備とかあるんでこれで!」


「おう、頑張って来い」


「はい!」


「ああ、そうだな、アサギ、「ガオーン」討伐おめでとう、また強くなったな」


「っ!!ありがとうございます!!」


「おう、じゃあまたそのモンスター倒したら報告に来い」


「はい、行ってきます!!」


 アサギは立ち上がりドアの前で深々と頭を下げるとドアを勢いよく開け駆け出した

 来る時は下向きだった視線も今では遠く真っすぐ向いている


「やれやれ・・・だがまぁ・・・向上心があるってのは素晴らしい事だな」




「皆!ただいま!ねぇ、聞いて聞いて!凄い事聞いちゃった!」


 アサギは自分の教会の中へと飛び込みそうまくし立てた


「おかえり、アサギ、どうしたの?」


「なんかあったの?あっちゃん」


 思い思いの格好で休憩してた5人がアサギの方を向く


「「ガオーン」にはまだ続きがあったんだよ!!」


 アサギ以外の頭の上に「?」マークのエモーションが浮かぶ


「どういう事?」


「うんとね、今ダンチョーに討伐の報告に行ってきたんだけどね、「ガオーン」は自分の住処まで辿り着いたプレイヤーにじゃないと本気を出さないんだって!!で、そこまで行くにはクエストを何個かクリアしないといけないみたい!!」


「えぇっと・・・つまり「チトトーイ荒野」以外にも「ガオーン」はいるって事で、「チトトーイ荒野」の「ガオーン」を倒したからクエストが進んだって事でいいのかしら?」


「うん!それ!」


「クエストあったのか、でも俺達進んでないな、倒すだけじゃあだめなのか?」


「えーっと・・・どうなんだろ?私はダンチョーに言われた時にウインドウ出たけど・・・」


「んー・・・別に土の教会と「ガオーン」はそこまで繋がりがある訳じゃあないから一定以上の地位にいるNPCに「ガオーン」討伐を報告するとクエストが発生する、って所かしらね、もしかしたら「ガオーン」を討伐対象にしてるクエストとかもあるかもしれないし」


「ふむ、ありえそうだな」


「じゃあ俺達もダンチョーに報告しにいかないといけないのか?やっぱ一緒に行けばよかったじゃないか」


「はいはい、別にダンチョーじゃないといけないって訳じゃなさそうって言ってるし結果論よ、他には何かあった?」


「んーとね、「呪われた老木」倒したら報告にこいってだけかな」


「そう、邪教徒の建物についてはなにもなかったの」


「あ、そう言えばなかったね、まだなのかな?」


「あー、それって多分今度来るアップデートの後なんじゃあないか?」


「そう言えばメンテナンスやるのよね、いつもはゲームしながらメンテナンスやってたけど今回は入れなくなるくらいだから本当に大型のアップデートなのよね」


「新しい土地が出来たり行けなかった道が通れるようになったりするらしいぞ」


「新しい衣装に騎乗動物もね!!」


「相変わらず事前情報はそんくらいしか出なかったけどな」


「そろそろゴブリンの方がやばくなってきたってNPCの騒ぎもでかくなってきたしイベントももうすぐだろうな」


「うんうん!やる事がこれからもいっぱいだね!」


「そうね、そろそろ学校のテストもあるものね」


「「「「うっ・・・」」」」


「あらあら、皆頑張ってね」


「オネさんはテストなくていいなぁ・・・」


「あはは、もうテストは受けなくないのは事実ね、でもそれ以外でも大変なのよー?」


「それは・・・わかるけど・・・でもテストいやだー!!」


「はいはい、「まおクエ」が取り上げられない程度には勉強しなさいって言ってるでしょ」


「「「「はーい・・・」」」」


「あらあら、本当に大変だ」


「テストがない国に行きたい・・・」


「テストがない世界を作りたい・・・」


「テストを滅ぼしたい・・・」


「テストを呪ってやりたい・・・」


「まあ、とりあえずは今は「呪われた老木」だけどね」


「そうだよ!!!それだよ!!!今はそっち!!テストよりも「呪われた老木」!!」


「そうね、結局王都に居ても募集流れてこなかったから多分そろそろ集合かかるんじゃあないかしら?アサギには誰かから盾やってくれって来なかった?」


「え?あ、いや、来てないよー」


「一応円卓の人達が動いてたから募集かからなかったのかしらね・・・」


「来てもよさそうなものだけど・・・」


「アサギがアーサーと何度か喋ってるの見てたから一緒にやると思われてるんじゃあないのか?」


「それはありえるわね、でもそれだとちょっと微妙ね、できれば色々な所から声をかけてもらいたい所なんだけど・・・」


「そうなの?でもこの前アーサーさんに同じような事言われた時は何も言ってなかったじゃん」


「え?だって誘ってきてくれてるなら断るのも悪いじゃない?それにこの前のは「防御システム」の話でしょ?今回の「呪われた老木」を見つけたのはたまたま円卓だから誘われなかっただけかもしれないけど折角の金策を円卓以外から誘われたからって断る理由にはならないわ」


「んー・・・まあ、確かに・・・」


「私も見つけたらアーサーさんに言いますねとしか言ってないし・・・」


「金策になるから私も行きたいし・・・」


「そうね、ミシッククラスのアクセは私も欲しいし・・・」


「別に俺達は「円卓の騎士」に入ってる訳じゃあないし・・・」


「でしょ?だからアサギ!今度のイベントではしっかりとできるタンクだって見せつけて色んな所から誘われるようにしなさい!!」


「は、はいっ!・・・あ!そっか!もう人前で全部使ってもいいんだもんね!あー、はやくゴブリンのイベント始まらないかなー!!」


「ふふ、ますます「まおクエ」が楽しくなってきたわね、アサギ」


「うん!!」


 そう答えたアサギの顔はいつにもまして晴れやかなものだった

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