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聖騎士と再びの剣戟

誤字報告ありがとうございました!!


皆様の声を聞かせてくださると幸いです


感想、評価お待ちしております

 ついに「ガオーン」との戦いの日が訪れた

 あれから少しレベル上げもした

 皆の専門職のジョブレベルも上がり色々と戦闘に違いがでてきたのでそれを慣らすという名目もあった

 もちろん「カクシテル神殿」を何周かした後に低レベルのフリーダンジョンに向かいクエストを終わらせてきた

 掲示板にこのクエストを皆で協力して終わらせよう!という流れができていた事もあり低レベルの狩場で高レベルのプレイヤーが全ての敵を狩りつくすという事はなくクエストに必要な分だけを狩り急いで次のプレイヤーに回す、そんな空気が漂っていた

 高レベルのプレイヤーも低レベルのプレイヤーもやはりイベントは楽しみらしい

 クリアしたクエストはゴブリンの討伐とコボルトの討伐、そしてオーガが大事に飲んでいるお酒を収奪してくるというクエストだ

 ゴブリンとコボルトのクエストは数が増えてきているので今のうちに減らさないと危ない、もしかしたら上位種が産まれたから数が増えてきたのかも、というよくある話だったがオーガのお酒だけは全然違う

 クエストを発生させたNPCが昔飲んだあの味が忘れられない、とかでお酒を取らせに行っているのだがどうやらプレイヤーがどれだけ持ってきてもこの味じゃあない!と言って別のプレイヤーに取りに行かせているようだ

 多分そのうちオーガが怒って王都に殴り込みにくるのだろうが先に盗んでいるのはこっち側なのでなんともやりきれない思いだ

 とりあえず3つのイベントに関係するクエストを終わらせたので後はイベント発生まで待つばかり

 ゴブリンとコボルトに関してはクエストが発生したNPCの顔の青さからしてもうそろそろだろう

 前に見かけた時はあんな顔色じゃあなかったはずなので本当にギリギリの状況でいつ始まってもおかしくない所まで来ているのだろう


「さあ、じゃあ「チトトーイ荒野」に行きましょうか」


「ふー・・・き、緊張してきたぁ!!」


「そうだな、またあれの前に立つんだな、俺達」


「そう言えばあっちゃん達前回戦った時ってすぐ負けちゃったんだよね、まあ、いくらパラディンだったとしてもレベル低かったししょうがないけど」


「むしろよく「ガオーン」に向かって行ったもんだ、俺も遠くから見た事はあったがなんというか・・・プレッシャーと言うか・・・絶対この敵は強いと思ってすぐにその場から立ち去ったからな」


「いやー、たまたま見つかっちゃっただけというか逃げる暇がなかったというか・・・」


「えー、アサギちゃんの性格からしてとりあえず当たってみよう、みたいな感じじゃあなかったの?」


「うっ、それもちょっとある、かな?」


「そうね、行こうと言い出したのはアサギね、まあ、別にデスペナもそこまで気になるレベルじゃあなかったから止めなかったけど」


「そうだったな、いやー、しかしあれから強くなったもんだな、あん時は何もできなかったけど今日はあん時とは違うって所、「ガオーン」にわからせてやらねぇとな!」


「うん!頑張ろうね!皆!」


「「「「「おー!」」」」」


『我が子らよ、呼びかけに応じて召喚されし外遊人よ、我が声が聞こえるか?我は光の神ヒッカリー、予言を与えるものである』


「お、天の声だ、イベント進んだのかな?」


『今古代の森にて深い眠りについていた呪われし老木が動き出してしまった、この老木の呪いは大地まで浸食しているので解く事はできない、昔は聖樹として地に根を張っていたが今となっては我が子らを敵と認識して攻撃をしかけてくるだろう、老木は動く事はできないがたとえ倒したとしても何度でも大地から力を吸い上げ蘇ってくるだろう、気を付けるのだ』


『こんばんわ、「まおクエ」運営です、現時点より「トークノ森・深層」にフィールドレイドモンスター「呪われた老木」が出現します、フィールドレイドモンスターはまだまだこの世に眠っております、プレイヤーの皆さんで世界を歩き回って探してください』


「おっとフィールドレイドモンスターか」


「そうなると募集が始まりそうね」


「トークノ森ってあのタコみたいなスライム倒した所だっけ?タコみたいなスライムといい今回の木といいあそこの地下にはなんか悪いものでも埋まってるのかな」


「そう言えばそんなような話を誰かがしてたような気もするわね」


 その時アサギに向かって声が飛んでくる


『アサギさん、こんにちわ、用件については・・・わかるかな?』


『レイドモンスターの件、ですよね?ちょっと皆に聞いてみます』


『ああ、お願いするよ』


「ねぇ、アーサーさんからフィールドレイドモンスターのお誘いきたけど」


「んー、タイミング悪いな、俺達これから「ガオーン」だしな」


「最近円卓も人増やしたしレベルも上がってるんだからギルドで狩れないのかしらね?確かに討伐に参加はしたいけど円卓で事足りるなら私達が入って行くのはどうなのかしら?」


『アーサーさん円卓って最近人増やしたんですか?ギルド内で行けそうなら行っちゃっていいですよ?』


『あー、いや、増やしたは増やしたんだが前回の「防御システム」の事を考えるとまだ戦えるレベルにいるプレイヤーは足りなくてね、それにクラスチェンジしたとは言えまだまだアサギさんのあの動きに勝てている自信がなくてね』


『いや、そんな事はないと思いますけど・・・あ、クラスチェンジおめでとうございます!』


『ありがとう、アサギさんもクラスチェンジはしたのかな?』


『あ、えぇと、はい、もう皆専門職になりましたよ!』


『そうか、おめでとう、で、どうだろうか?今なにをしているんだい?』


『今ですね、ちょうど「ガオーン」を討伐しようかなと思って、あ、これ言っていいんだっけ?』


『なんだって「ガオーン」!?6人でか!?』


「セッキー、アーサーさんに「ガオーン」の話しちゃったけど大丈夫かなぁ?」


「んー、いいんじゃない?だって6人以上で叩いたら即死クラスの攻撃が飛んでくるのよ、一緒に倒しましょうとはならないでしょ」


「それもそか」


『はい、6人パーティーですよ』


『そうか・・・アサギさん達も掲示板みていたのかな?実は18人で行ったパーティーは僕の所なんだ』


『え?そうだったんですか?』


「ねー、「ガオーン」に18人で行ったのアーサーさんのギルドだったんだって」


「へぇ、そうなのか」


「まあ、クラスチェンジしてる人が一番多いギルドは円卓だろうからそうじゃあないかとは思ってたけど」


『アサギさん・・・ちょっと「ガオーン」討伐を見学させてくれないか?』


『え?』


『あ、いや、ごめん、流石にそれはマナー違反って奴かな』


「なんかアーサーさんが「ガオーン」と戦ってるの見たいって言ってる」


「ふーん、まあ、いいんじゃないか?別に隠す事はもうなくなった訳だろ?」


「使えないのは教皇スキルくらい?でもあれだってアサギは元々使おうとしてないしいいんじゃないの?」


「せっちゃんは?エルダープリーストになってスキルの強化もしてるんでしょ?」


「私のはアサギみたいにそんなに派手じゃあないから大丈夫じゃないかしら?回復量の向上がメインだしうちにはオネさんだっているんだしばれないでしょ」


「回復量は別パーティのログに流れる訳でもないからね」


「そうね」


「問題は俺達で本当に「ガオーン」を倒せるか、だけどな」


「確かにな、アサギ、そこはちゃんと言っといた方がいいんじゃないか?」


「そだね、初挑戦だもんね」


『アーサーさん別にいいですよ、私達も初めての挑戦だから勝てるかどうかはわからないんですけど』


『本当か!?ありがとう!「チトトーイ荒野」にいるのかな?すぐに行くよ!!』


『はーい』


「なんだって?」


「なんかすぐ来るって言ってた、フィールドレイドモンスターほっといていいのかな?」


「んー、まあ、円卓だってギルマス抜きでやろうとは流石に思わないんじゃないかしら?」


「それもそうだね」


 アサギ達は「チトトーイ荒野」に移動した後アーサーが来るのを地面に座りながら待っていた

 その間に別の人から「呪われた老木」の討伐をしたいのだけどタンクとして来てくれないかと知らない人、まあ、名前は見た事あるけど話をした事があったかなかったかくらいの人から勧誘もされていたがそれは全て断った

 そして


「ん、おい、なんかすげー団体が近付いてきたぞ」


「え?」


 アサギは立ち上がりそちらの方へと視線を向けると


「おーい!アサギさん!お待たせ!!」


「チトトーイ荒野」にアサギ達6人とギルド「円卓の騎士」27人、合計33人のプレイヤーが集まった


「えぇと・・・アーサーさん、後ろの人たちは・・・?」


「ああ、「呪われた老木」を倒そうと集まったんだけど俺がアサギさん達と「ガオーン」の戦いを見に行くといったらね、見たい見たいと今いるギルメン全員集まっちゃってね」


「ああ、なるほど・・・まあ、いい・・・かな・・・?」


 アサギはセッキー達の方へ視線を向け特に問題はなさそうなのでそう答えた


「勉強させてもらおうよ、もちろん俺達は見てるだけでなにもしない、もし何かしたら俺がちゃんと責任を取る!約束する!」


「そうですね、まあ、7人目からはヘイトが増えると即死レベルの攻撃がくるみたいなので回復とか攻撃とか一切しないでいただければ、あとドロップ品については聞かれても教えないのでそこもお願いします」


「ああ!わかった!」


 これは待っている間にセッキーがそう言った方がいいと言ったからだ

 別に教えても構わないんじゃないかとアサギは思ったが自分で知った方が達成感が違うでしょ、と言われたのでなるほどと思った

 セッキーはそれ以外にも教えたくない理由があったがそれは伝えなかった

 流石にこの人数で見に来るとは予想外だったが来てしまった以上今更なので一種の意趣返しのようなものだとも思っていた


「じゃあ行きましょうか、この感じだと「ガオーン」の居場所は・・・」


「あっちだな」


「ええ、そうですね、距離はまだちょっとあるけどいるな、ってなんか圧がありますね」


「そうだね、じゃあ俺達はアサギさん達の後ろをついていくから、気にしないで始めちゃってくれて構わないよ」


「はい、じゃあそうします、行こう、皆」


「「「「「おお!!」」」」」


 ひょんな事から始まった「ガオーン」討伐見学ツアー、果たしてアサギ達は無事討伐をする事ができるのであろうか

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