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聖騎士と聞こえてくる声

皆様の声を聞かせてくださると幸いです


感想、評価お待ちしております

 召喚された雑魚を全て倒し切ったアサギ達は再度女王蜘蛛に攻撃を集中させていく

 アラクネとなった女王蜘蛛のHPが半分になりその身体に氷を纏い攻撃力を増加させた

 胴体についている足での攻撃も人型の部分が行う攻撃も全て魔法判定となったのでアサギが受けるダメージはしっかりと盾で防いではいるがかなり増えている

 だがそうだとしてもパーティーにいる二人のヒーラーは優秀でしっかりとアサギのHPをほぼ全快に保ち続けていた

 ランダムターゲットで回避不可のジャンプ攻撃も確実に受けてしまうメンバーを除き他のプレイヤーはしっかりと避けれている

 アサギ達の攻撃は女王蜘蛛のHPを確実に減らしていっている

 女王蜘蛛のHPが減り25パーセントとなると再度一撃で死ぬような小さな蜘蛛と女王蜘蛛が大型とすると中型くらいの蜘蛛が湧くが今回はジャンプ攻撃が問題とならなかった

 運良くアサギに攻撃が向いたのでマーリンやダガーが範囲攻撃をすぐに使えたのだ

 それにより50パーセントの時と比べると速やかに雑魚の処理をする事ができた

 ジャンプ攻撃を食らったアサギは他のメンバーが食らうよりもダメージが少ない

 後は残りのHPを削り切るだけだ

 人型の部分が使ってくる人の頭くらいの氷の塊がつららのように鋭く尖りダメージは増えたがアサギが受けるダメージが少し増える程度ではもう負ける事はない

 アサギは最後に光の剣を使い女王蜘蛛のHPを全て無くし光の粒子と変えた


「ふー、お疲れ様、最初は雑魚だと思ってたけどなかなか焦った部分あったね」


「おつおつ、やっぱりランダムターゲットがくると焦るわな」


「お疲れ様、そうよね、どうしてもアサギ以外に攻撃が行くとね、どうしても崩れやすい部分ではある訳だしね」


「まあ、それはそういうジョブなんだから仕方ないけどな」


「そうね、早くジョブチェンジしてもうちょっと耐久を上げたい所だわ」


「ああ、そういやもうそろそろだな、俺らも」


「そうだね!皆はやくあがるといいね!」


「おう、もうちょっとでアサギに追いつく訳だもんな、頑張ってレベル上げしないとだな!」


「うんうん!じゃあ女王蜘蛛のドロップ確認して広場に行こうか、「ウゴクテツ」いるのかなー?・・・えーっと、女王蜘蛛のドロップはなんもなし!!」


「残念、まあ、周回してればなにかしらはでるわよね、じゃあ、次行きましょうか」


「「「「「おー!」」」」」


 アサギ達は通ってきた道を戻り「カクシテル神殿」の中に戻っていった

 途中で壁に穴が開いたのでこの道を通ったがまだまだ奥に道が続いている

 未来では道がなかったので通れなかったがどうやらこの時代では通れるようで石像を倒しながら1番奥の部屋へと進んでいった


「真ん中の部屋の扉を開ける為の物がまだ見つかってないから多分ここの奥にいるボスが鍵を落とすはずよ、準備はいいかしら?」


「うんうん、なんか声が聞こえてくるね、声って言うか・・・歌?」


「歌じゃないだろ、なんかブツブツ言ってるのは聞こえるけど」


「んー・・・私も歌じゃあないと思うな」


「ええ、そ、そう・・・?」


「そうねぇ、私もアサギちゃんみたいに歌にはちょっと聞こえないかもね」


「えええ・・・オネさんも?じゃ、じゃあダガー君は!?」


「どっちかって言ったら歌ってより・・・祈ってる・・・?」


「なるほど、邪教徒の集まる神殿なんだから礼拝堂みたいなのがあってもおかしくはないわね」


「んー・・・そうか、ってことは中には結構な人数が居るって事なのかな?」


「そうなるだろうな、しかしこんな辺鄙な場所に何を祭ってるんだが」


 マーリンが何の気なしに言った発言にセッキーの表情が変わる


「そ、そうよ!それよ!ここは昔の世界なんでしょ!?しかも邪教徒の神殿!!ここなら邪教徒が何を信奉しているのかわかるんじゃない!?」


「あー、確かにわかるかも・・・?」


「つってもここに話してくれるAIなんかいるか?」


「そ・・・それはわからないけど・・・とりあえず今この部屋の中で何を言っているのかを聞いてみましょう」


 セッキーの言葉で部屋の壁に耳を当て中の言葉を聞き取ろうとするアサギ達

 しかし残念ながらその声は小さく何を言っているのかよくわからない

 同じ言語なのかどうかすらも怪しいものだ


「壁じゃ全然わからないな・・・扉なら・・・」


 アサギはそう言って扉に耳を付ける


「えーっと・・・んー・・・聞こえな・・・あっ!」


 アサギが少しでも多く中の音を聞こうと扉に耳を押し付けるとギィィと音を立てながら扉が開いていく


「あ・・・あはははは・・・やっちった」


 扉が開いた事により中にいる邪教徒の声がピタリと止まる


「まあ、仕方ないわね、とりあえず中にいるの全員倒してちょっと部屋の中見ましょうか、もし何もなければ次来た時に聞けばいいわよ」


「そ、そうだね、えへへ」


 アサギ達は礼拝堂の中へと足を踏み入れる


「おやおや、これはこれは呼んでも居ないお客様が参られたようだ」


 礼拝堂の一番奥にいるフードを深くかぶった人物が話しかけてくる

 同時に礼拝堂の中で座っていた邪教徒達が立ち上がりアサギ達の方へ振り返った


「お、話しかけてきたぞ」


「まだあれだけじゃあ特殊AIかどうかはわからないわ、話しかけてきた敵だって中にはいたんだから」


「この神殿は四方を山に囲まれ、更に内部には我が同胞とゴーレムにより守られている、ただの迷い人がここに来れるはずがない・・・誰の差し金でここに来たかはわからないが死んでもらうぞ!!」


「うわ、部屋に入ったら強制エンカウントかよ」


 礼拝堂の中にいた邪教徒達が襲い掛かってくる

 だが一度にすべてが来る訳ではないらしい、手前の方に居た6人が動き出した

 アサギはすぐに範囲挑発を発動し邪教徒のヘイトを自分に集める、そして取り出した武器を見て邪教徒の頭上にサインを付けていく

 1のサインを付けられた邪教徒が持つのは短剣、多分シーフ系だろう

 挑発スキルをもう1度使うとアサギは弓を持つ2のサインを付けられた邪教徒を光の腕で近くに寄せる

 その間にマーリンが5のサインを付けられた斧を持つ邪教徒を眠らせ、6のサインを付けられた剣と盾を持つ邪教徒の足を凍らせた

 アサギの元に集まってきた4人の邪教徒に向けマーリンとダガーは範囲攻撃を繰り出しHPを減らしていく

 襲ってきた6人の中で遠距離職は1人のみなのでそこまで問題にはならない

 睡眠と氷が解ける前に1と2の邪教徒が光の粒子となる、再度また睡眠と足止めをかけ次は3と4のサインの邪教徒を倒していく

 アサギ達はあっという間に6人の邪教徒を倒した


「なかなかやりますね、お前ら!さっさと行け!!」


 次の6人が襲い掛かってくる、しかしこちらに向かってきたのは今度は3人だけ、他の3人はその場で呪文を唱え始めている

 アサギは動き出した3人に向かい範囲挑発を使う

 そして呪文を唱えている3人のうち1人に向かい光の腕を伸ばし手前にひいて1のサインを付けた

 アサギの元へ向かってくる3人には2、4、5とつけ回復役であろうメイスを持った邪教徒には3、呪文を唱えてくるもう1人の邪教徒には6とつける

 マーリンは3に足止め、6に睡眠をかける

 魔法使い系とシーフ系の敵は防御が弱く回復が飛んできたとしてもすぐに倒せる

 1と2が光の粒子となるくらいには光の腕のCTも回復していたのでアサギはメイスを持つ邪教徒に光の腕を使い手元に寄せた

 そこからは流れ作業である

 アサギ達は問題なく邪教徒を退けた


「なるほど、ただのネズミじゃあなさそうだ、でしたら次はこの私が相手をするしかないようですね!」


 部屋の奥にいた邪教徒がフードを外しながらそう言うとどこからともなくとりだしたハルバードを振りかざしアサギ達の方へ走り出した


「完全に普通のAIっぽいわね、残念」


「うん、そうみたいだね」


 アサギが挑発スキルを使うと邪教徒はアサギの方へ視線を向ける

 相手の武器がハルバードという事は範囲攻撃を持っていると考えてもいいのでアサギは部屋の中央へと進み後衛の3人から距離を離した

 攻撃パターンが同じ攻撃の繰り返しなのを考えても目の前に居る邪教徒が特殊AIではない事が一目瞭然である

 アサギは振り回されるハルバードをよく観察し動きに合わせて盾を動かし防御していく

 その攻撃は重たいが吹き飛ばされるほどではない

 だが武器が武器だけに攻撃の範囲が広い、アサギは元々攻撃を受けるのが役割なのでいいのだが後ろから攻撃しているまぁちゃんやダガーにもダメージがはいる

 いちいちハルバードを振り回しながら攻撃してくるのだ

 最初ぐるりと回った時はヘイトが移ったのかと思ったが通常攻撃にも範囲攻撃が含まれているだけだった

 アサギはなんとか攻撃を止めたかったが最近敵のレベルが上がったからなのか攻撃自体を止めるという行為はできなくなってはきている

 足を踏んだり蹴りをいれたりはできるのでヘイトを維持し続けるのは簡単だと思っていた時にそれをやられたのでアサギはかなりびっくりしてしまった

 ハルバードを持つ邪教徒の攻略が始まって少し経つと邪教徒が持っているハルバートが逆さまになるくらい両腕を上げた、すると目の前に真っすぐと攻撃予兆の魔法陣のラインが伸びる

 アサギは避けれるかどうかを確かめる為に少し横にずれるがアサギを中心にラインが動いたので躱せないものだとわかり盾を構えた

「ふんっ!」と言いながら邪教徒はハルバードを振り下ろす

 その攻撃を盾で受けるとアサギの身体は後ろに向かって飛んでいった

 どうやら強制ノックバックらしい


「アサギ!まだよ!!」


 吹き飛ばされた衝撃でアサギは見上げるように仰け反ってしまっていた

 アサギの視界には天井しか映っていない

 だがその足元にはまだ攻撃予兆のラインが残っているのだ

 邪教徒が振り下ろしたハルバードを手元に引きながら回転する

 そして正面に向きそうな時に右手1本に持ち替えアサギの方へ向かってハルバードを突き出した

 アサギは吹き飛ばされていたのでその槍が直接当たった訳ではない

 だが突き出された槍の先から出てきた黒い光がアサギの身体を貫いた

 アサギは仰け反っていたが防御が間に合わなかった訳ではない

 セッキーの声になんとか少しでもダメージを減らそうと盾だけは邪教徒の方へ向けていたのである

 しかしいつもなら盾で止まりそこでダメージ計算が行われるはずの攻撃がアサギの身体を貫きダメージが入ったのだ


「あー・・・初めてみた、防御貫通だ、今の」


 アサギはそう呟くとハルバードを再度手元に引いていく邪教徒の元へと走り近づいて行く

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