聖騎士と動き出す古代の兵器
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この「ウゴクテツ」の攻撃はシンプルだ
ハンマーを振り下ろす、それが地面に当たると衝撃波が直線に流れていく
盾で受ければ衝撃波はでないがスキル使用による衝撃波は盾で防ごうが防ぐまいが360度全方向へ衝撃波がでるようだ
ハンマーを振り回す攻撃は衝撃波はでないが横から来るので受け切らないとすぐに転倒させられてしまう
背が大きくアサギが少し後ろに下がった程度では攻撃は避けれないのでしっかりと盾で受ける事になる
力が強くダメージも大きいがアサギの防御力とセッキー、オネの回復力を上回る事ほどではない
防御力が高くHPも多い為時間はかかりそうだがこのままいけば負ける相手ではないだろう
アサギ達は油断なく「ウゴクテツ」のHPを減らしていく
戦い始めて数分で「ウゴクテツ」は動きを止め光の粒子となった
「ふー、お疲れ様、その辺にいる石像よりは硬いし強かったけどそこまで問題じゃあななかったね」
「そうだな、ドロップもそんなにいいものじゃあないし別にこの場所を公開してもよさそうなんじゃないか?」
「んー・・・まだ1回しか倒してないから何とも言えないわね、「まおクエ」は運営側が情報の公開をほぼしてないから本当にいいのを出さないのかドロップ率が低いのかよくわからないのよねぇ・・・」
「確かにまだ1回しか倒してないからな、今の時間は、っと・・・よし、もうちょっとここの中ぐるぐるしてもう一度ここに戻って来ようぜ」
「そうね、リポップの時間も大体でいいから知っておきたいわね」
「よし、じゃあ奥いくよー!」
アサギ達は再度遺跡の中を探索していく
途中で何度も石像が襲ってきたが多い時で2体にしか囲まれなかった
1体1体の経験値は多いが複数を一度に倒す事ができないので経験値効率だけで考えると若干効率が悪いかもしれない
そんな事を話し合いながら行っていない道を奥へ奥へと進んでいくと道の右手側に大きな扉を見つけた
「お、やっぱりここにもインスタンスダンジョンがあったな」
「こんなフリーダンジョンの一番奥に作るなんてやっかいね、もしここが人であふれたら雑魚を無視して扉に入っていく迷惑なプレイヤーでMPKされるかもしれないわ」
「うわー、それはちょっとめんどくさいね」
「確かになー、でもなー・・・うん、そういうプレイヤーは絶対でるよな」
「まあ、気持ちはわからないでもないけどね、絡んできた敵くらいは倒してほしいわね、そんなに数湧かないダンジョンだし」
「まあ、でもここに人は来るのは誰かが教えた後って事になるよね」
「そうよね・・・インスタンスダンジョンももう入れるしボスの事を考えるとちょっと保留・・・かしらね」
「おっけー、わかった、じゃあそういう方向で」
その時アサギは扉を越え更に奥へと進んでいた、そこは灯りが届いておらず何もないように見えていた
だがそこに近づいていくと細い道があるのが見えた
「ん?あれ、ねぇねぇ皆、ダンジョンの扉に目がいっちゃったから気づきにくいけどこっちにまだ道があるよ」
「お?ほんとか?じゃあまずはそっち行くか」
「そんな所に道があるなんて全然気づかなかったわ、マップにも表示さえてないし、何があるのかしら」
アサギが見つけた道を6人は進んでいく
人一人がやっと通れそうなほど細い隙間である
そしてその道の奥には部屋があった
「なんか研究室、って感じの部屋だね」
まるで旧時代のパソコンにようなものがその部屋には何個もあった
「そうだな、科学が発展したけど衰退したって感じなのか?」
「んー・・・昔、「悪竜エドラ」が暴れたって話もあるし魔王は復活するって話だしもしかしたら何度目かの文明なのかもしれないわね」
「こういうの考察好きの人からしたらたまらないんだろうね」
「でも動かないみたいだしなんもなさそうだぞ?」
「んー・・・そうだね・・・あ、でもこれボタンみたいじゃない?押してみる?」
「危なくないかしら?」
「危ないって言ってもゲームの中だから大丈夫だろ」
「あはは、確かにそうだね、この世界だと皆が一変に死んでも私の教会に飛ばされるだけだもんね、ポチっとな」
その時目の前にあった機械のようなものが突然動き始めた
『我が子らよ、呼びかけに応じて召喚されし外遊人よ、我が声が聞こえるか?我は光の神ヒッカリー、予言を与えるものである』
「え!?天の声!?嘘!?」
「しっ!とりあえず話を聞いて!!」
『今古き時代に存在していた防御システムが機動してしまった、このシステムは昔にこの地にいた者が作ったもので今となっては我が子らを敵と認識して攻撃をしかけてくるだろう、防御システムは一定のルートを定期的に歩き、たとえ倒したとしても何度でも修理され蘇ってくるだろう、気を付けるのだ』
『こんばんわ、「まおクエ」運営です、現時点より「ハバガヒロ街道」にフィールドレイドモンスター「防御システム」が出現します、フィールドレイドモンスターは適正レベルが48人ほどでレギオンを組んで討伐する事が前提で作られたレイドモンスターとなっております、高ランクの装備を落とすので皆さん振るって攻略に参加してください、またフィールドレイドモンスターはまだまだこの世に眠っております、プレイヤーの皆さんで世界を歩き回って探してください』
「えーっと・・・このボタンを押したから「ハバガヒロ街道」にボスが沸いたって事かな?」
「多分そうでしょうね、古き時代に存在って事は完全にここは昔の文明なのね」
「フィールドレイドモンスター・・・48人でレギオンを組んで攻略か・・・面白そうだな!」
「48人もいたら分配が大変そうだけど絶対お金になるよね!!」
「「ハバガヒロ街道」って遺跡を発掘してる人達がいるあそこらへんの事よね、喜んでるかな?」
「いや、多分「防御システムとやらを見に行って蹴散らされてるんじゃあないか?」
「あはは、ダガー君それありそうだね、絶対見に行ってるよね」
『アサギさん、今時間あるかい?』
「あれ、アーサーさんからチャットがきた」
「「防御システム」を倒す相談かな?起動させたのを聞かれても私達だって教えちゃだめよ」
「あ、うん、わかったよ」
『あ、はい、アーサーさんこんばんわ、大丈夫ですよ』
『そうか、今の天の声聞いたかい?「防御システム」を倒す為にはレギオンを組む必要があるらしくて人を集めようと思うんだけどまずはメインタンクを他の人に確保される前に確保しようと思って、どうだろう?一緒に行かないかい?』
『あ、じゃあちょっとパーティメンバーに聞いてみますね』
「ねー、アーサーさんやっぱり「防御システム」倒す為に人集めてるんだってどーするー?」
「やっぱりか、俺はいいぜ」
「私もよ」
「当然私も!」
「うん、行こう」
「ああ!腕が鳴るぜ!!」
「じゃあおっけーって返事するね」
『アーサーさん、こっちは6人です、よろしくお願いします』
『ああ、俺のギルドで俺と同じくらいのレベルの奴は3PTいるからあと24人だな、他に誘いたい人はいるかい?』
『あ、大丈夫です、私達は6人だけで』
『了解だ、じゃあメンバー集めはこっちでやろう、「ハバガヒロ街道」にいるらしいからとりあえず王都の門集合でいいかな?』
『あ、わかりました、じゃあ向かいますね』
「王都の門に集合だってさー」
「なんでいちいちそんな遠くなんだ?もっと近くでいいだろうに」
「んー・・・よくわからないけどまあいいんじゃない?」
「んじゃしょうがない、戻るか」
「そうね、その前に一応さっきの広場まで行って「ウゴクテツ」が居るかどうか見ましょう」
「「「「「おー!」」」」」
アサギ達は広場に戻ったが「ウゴクテツ」はまだ湧き直ししていなかったので時間を確認し帰還スクロールを使いアサギの教会へ戻った
そしてアサギ達は消耗品などを買い直し王都の門へと歩いていく
「お、アーサーさん発見、あそこまで行けばいいね」
「そうだな」
アサギはアーサーの近くまでいくと全体チャンネルに合わせて声をかける
「アーサーさんお誘いありがとうございます」
するとアーサーからレギオンに誘われたらしくウインドウが現れる
【アサギさん来てくれてありがとう、一応募集をかけているが周りからやっかみとかを受けるかもしれないから全体チャンネルであまり言わない方がいいだろう】
【あ、そうですね、すいません、皆さんよろしくおねがいします】
「やっかみねぇ・・・そんなもんか?」
「まあ、配慮してくれてるならそれはそれでいいんじゃないかしら?」
アサギ達やギルド「円卓の騎士」のメンバー、そして同じレベル帯の人が募集でどんどんと集まっていく
挨拶をしていると大体の人はアサギの事を知っていて色々な事を話しかけられた
アサギがレギオンチャットで話をしているとアーサーからチャットが飛んできた
『アサギさん、「防御システム」は前情報が何もないんだが一応俺が先にタンクをやって見ておくかい?』
『あ、いえ、メインタンクする気まんまんでここまで来たのでやらしてください』
『そうか、じゃあお願いするよ、勉強させてもらうとしよう』
『いやいや、そんなつもりで言った訳じゃあないんですけど・・・』
『なぁに、アサギさんの腕は相当だからね、期待しているよ』
『は、はいぃぃ・・・』
【皆聞いてくれ、48人揃ったがパーティにヒーラーがいない所はいるか?もしいるなら構成をいじるから言ってくれ、今回のフィールドレイドモンスター戦はメインタンクがアサギさんで俺はサブタンクだ、よろしく頼む、前情報が何もないからなにをやってくるのか何もわからない、もしなにか変な動きがあったらすぐに教えてくれ、ドロップも何が出るのかがわからないがこのレギオンの中でオークションをする、終わってもさっさと帰らないでおいてほしい、アイテム取得は一応俺がやりオークションも仕切らせてもらおう、それでいいだろうか?】
誰からも異議の声はなかったので48人は「ハバガヒロ街道」まで移動する事になった
【よし!じゃあ移動開始だ!】
全員が騎乗動物を買っているらしく次々と乗っていく
アサギはそれに慌てて自分も乗り物を出した
【アサギさん・・・その馬は・・・スレイプニル?ど、どこで買ったんだい!?】
【あ、いや、これ、この前のイベントの特典のリストに入ってたんですよ】
【なんだって!?見てなかったのか・・・ああ、俺もそれが欲しいな!今度はそれにするか!!】
移動中はアサギの乗るスレイプニルの話で持ち切りとなっていた




