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教皇の意外な罠

おかしいな・・・戦闘シーン書く気まんまんだったんだけどな・・・

 アサギ達のパーティは職業のバランスが良いのとアサギの装備や職業補正のお陰で適正レベルよりも少し高めのモブを安定させながら狩る事ができていた


「なかなか調子いいよねー、このパーティ」


 回復魔法をかけてもらいながらアサギはにこやかにそう言った


「そうだな、特に盾役が優秀なのがいいな、3匹くらい来ても一度も後ろに流れてないのは凄い」


「そうね、盾の使い方もうまいし、本当にこの世界はステータスだけでなんとかなるものじゃないのね」


「くふふふ、そう言われると嬉しいな、でもほんと稽古つけててよかったよ、ただ単に自動で防いでたら囲まれた時に対処できなくて被ダメージが増えるか後ろに流れて行っちゃってたかもしれないもん」


「んー・・・俺も大魔法研究所で誰かに使い方とか立ち回り方教えてもらった方がいいのかなぁ・・・?でもあそこ・・・見るからにマッドな感じで自分の魔法の事以外は興味ありません!!って感じのNPCばっかりだったんだよなー、んー・・・まずはクエストこなして信頼度をあげるしかないか」


 大魔法研究所は魔法使い系の職業にクラスチェンジする為の施設であると共に名前の通り研究所である、其処にいる職員に何を研究しているのかと聞いてみると「全てさ!」とドヤ顔で言ってくるので聞くことはオススメしない

 マーリンの言うようにマッドな変人の集まりなので仲良くならないときっと自分の時間を削る事は嫌がるであろう、まあ、仲良くなったらなったで周りから少し残念そうな目で見られてしまうかもしれないのだが・・・


「その点私は平気そうね、アサギが行ってる土の教会ならきっと一緒に行けば話くらいは聞いてくれそうだし、慣れた前衛の人からしたらどう動いた方がいいのかって聞くだけでも参考になるわ」


「うん、騎士団の中にもクレリック系はいるはずだからそこらへんは心配なさそうだね、私もそこまでシチュエーションを考えながらの稽古を受けた訳じゃあないから私も聞いてみたい!今度一緒に行こうよ、セッキー!」


「ちぇー、俺だけ仲間外れかよ、俺もどっかにコネを作るかなー」


「もし土の教会に魔法使いの人が居たら私も聞いてみてあげるよ」


「おう、頼んだぜ、アサギ!俺が強くなったら多分アサギも楽できるようになるぜ!!」


「あはは、そうだね、まあ、私は聖騎士やれるだけで満足だから楽とかはいいけど今後もっと敵は強くなっていくんだしね」


「そうよ、アサギには強い武器があるからいいけど私達は武器も強くしていかないといけないんだから、そう言えば貴女達サブ職は何とったの?一緒にやってるんだから被らせちゃもったいないからバラけさせようよ」


 サブ職とはクラフト職の事だ、1人で2つまで就く事ができる

 金属の武器を作る武器鍛冶、金属の防具を作る防具鍛冶など同じ原材料を使ったとしても武器と防具でも分けられていた

 それだから大体自分が主に使う武器と防具を1つずつ取るのがセオリーなのだがアサギがもし金属防具鍛冶に就いているのならセッキーは自分はとらなくてもいいかな、と考えたのである


 この世界の防具の素材は大体4つに区分される

 簡単に言うと鉄板、鎖、皮、布である

 当然アサギが使うのは鉄板で作られた防具だ

 クレリックであるセッキーは鎖、マジシャンのマーリンは布である

 鉄板と鎖は金属防具鍛冶、皮と布は裁縫で作る事ができる

 この世界には武器や防具のレシピは数少ない、今の所は

 個人が好きに作っていくのだ、そしてそれが出来上がった時に初めてレシピとなる

 このレシピは勿論譲渡する事はできるが、渡す側が渡した側に他人に渡す事に対しての制限をかけられるのだ

 これにより1人だけに教えられるのでレシピを必要以上に広められる心配もない


 セッキーはもしアサギが金属防具鍛冶だったらアクセサリーを製作したり強化する事ができる細工を取ろうと考えていた

 アサギは武器は凄いものを持っているのできっと金属武器鍛冶を取る事はないとも思っていた

 しかしアサギから返ってきた言葉に2人はまたも驚かされるのである


「あ、実はさ、私サブ職1個しか取れないんだ、金属鎧鍛冶を取るつもりなんだけどね、もう1個は教皇で埋まっちゃった・・・」


「「教皇ってサブ職なの!?」」


 どうやら教皇はパラディンロードとエルダープリーストをクラフトする職業らしい


「ね、私もそこは予想外だったよ、まあ、武器はあの剣があるから取らなくてもいいかなとは思うんだけどね」


「え、ちょっと待って、教皇って任命以外にもスキルあるの?」


 サブ職の枠の1つがただ単に人のクラスを変えるだけだなんてセッキーは思えずアサギに問いかけた


「あー・・・んー・・・ある、にはあるんだけどねぇ・・・・」


「どういう事だよ?」


 そうマーリンに聞かれたアサギは少し困ったような顔をしていた


「いやー、レベルが低くて任命以外ロックされてるんだよね、だから何個あるのかもわからないしどんなスキルかもわからないんだ」


「「あー・・・」」


 運営がアサギに言わずにいた教皇のスキル変更点は実はまだあった

 世界に6人しか存在しない教会の頂点、世界の防衛力の要が人の職を変えるだけ、あとステータス補正が若干つく、それだけなはずがなかった

 しかしそのスキルはどれも強力な物で最初からこのスキルを使わせるとやはりバランスが崩れるとロックをされたり使用条件を変更されたりした


 もしアサギが教皇になった時にスキルを確認していたのならきっと今の状況はなかったであろう

 アサギは教皇ではなくパラディンになりたかった、だから教皇の事なんかどうでもよかった、だからパラディンのままでいられたのである


 教皇にのみ使えるスキル「奇跡」


 運営はアサギの行動をログを見て安堵した

 スキルを確認する事もなくパラディンロードにクラスチェンジしていたからだ

 本当にこの子は聖騎士が好きなんだな、と聖騎士関連のNPCやスキルを調整していた社員の好感度はうなぎのぼりだ


 奇跡は複数の種類がある、そのどれもこれもが戦局を変えるだろう強力なものだ

 当分の間アサギが使える事はないだろう


 パラディンにすら遠いアサギにはまだ









「んー、じゃあ私は杖作成とアクセ細工とるから私の防具作ってくれる?」


「うん、いいよー、この辺の採掘で入手できる鉱物でなんか作ろうか」


「おい、待てよ待てよ、セッキー杖作成とるのか?じゃあ俺の分も作ってくれよ、その代わり俺も裁縫と別なのとるから」


「えー、だってあと何がある?短剣とか弓とか作っても私達の中に必要な人いないじゃん」


「んー・・・薬は?大魔法研究所に出入りする人にぴったりじゃない?」


「え、あー・・・うん、確かに・・・薬品作成取ればポーション代も浮くしな、強力なポーションになったらアサギに渡したらパーティとして貢献になるだろ?MPポーションは俺達で使ってさ」


「うんうん、これから敵が強くなっていったら回復魔法だけじゃ追いつかないかもしれないしね、セッキーのMPだって限度があるしポーションがあるのはありがたいな、店売りじゃあどうしても回復量足らなくなりそうだしねー」



 3人の今後のサブ職についての道が開けてきたようだ


 楽しく話ながらする狩りはとても捗っていった


 余りにも捗りすぎて3人は「マダチケーヨ草原」を抜け「チトトーイ荒野」で狩りをしてみる事にした


「チトトーイ荒野」には何故かモブは見える範囲に1匹も居なかった

 しかし・・・感じる・・・これはダンチョーが稽古中に「慣れる為の練習だ」と放ったものにそっくりだ

 それを思い出すと同時にダンチョーの言葉も思い出す


「アクティブモンスターは相当なプレッシャーがある」




「これがそうなんですね!!ダンチョー!!!」


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