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聖騎士と翼持つ骨

「はー、ダンチョーに怒られちゃったなぁ・・・」


「しょうがないわよ、私達もあの場の空気に飲まれちゃってたしなにも言えないわ」


「倒そうと思えば教皇のスキルとか無敵になるのとか色々あるんだけどねー、どうも・・・」


「しかしガオーンはまだはるかに遠いって事なのかね」


「うーん・・・そうだねぇ・・・まだまだ全然だねぇ・・・」


 その日は解散となった

 次の日学校から帰りご飯とお風呂を終わらせ再度集まりまた骨の迷宮の奥に挑戦する事になった


「ダンチョーに言われたから今日は攻略をまじめにやりますー」


「とかなんとか言ってるけどアサギったら学校でどうやったらあの攻撃を防げるのかってずっと考えてたのよ、授業中なのによ、それで先生に当てられて答えられなかったのよね」


「わー!セッキー!そんな事言わなくていいじゃない!」


「とりあえずまた特殊AIならやりたいようにやってみていいんじゃない?」


「そうね、結局アサギちゃんが強くなればそれだけ強い敵に勝てる可能性はあがる訳だし、私も納得できるまでやってもいいと思うけど」


「まあ、ダンチョーはああ言ってたけど結局クリアできれば問題ないだろ」


「問題はまたでてきてくれるかだけどな、とりあえずボスに会ってみて居たらでいいんじゃないか?」


「そうね、じゃあさっさと奥まで行きましょ」


 アサギ達は骨の迷宮奥地下二階の奥まで進んでいった

 そして最後の部屋には前回と同じようにじっとこちらを見ている角の生えた骨が立っていた


「っぽいな」


「うん、そうだね・・・」


「じゃアサギ、今日こそ勝ちなさい」


「え、でも、いいの?」


「いいのよ、あっちゃん、さ!用意して!」


「うん!ありがとう!」


 アサギは支援魔法をもらい角の生えた骨の元にゆっくりと歩き進んでいく

 アサギが角の生えた骨の前にまでくるとこの前の続きだとばかりに赤い炎と青い炎を身体から出し金棒を両手で握り肩に担いだ

 前回アサギはこの一撃でやられた訳ではない

 この一撃まではなんとか耐えれたのだ、しかし上から振り下ろされた金棒を防ぎきる事ができず盾が下がってしまいがら空きとなった顔に次の攻撃がクリーンヒットしてやられたのである

 だからアサギがこの攻撃を耐えきるには最初の攻撃を躱すかその次の攻撃を躱すか耐えるかしないといけない

 アサギは角の生えた骨の前で盾を構える

 そして角の生えた骨は金棒を振り下ろした

 それに対してアサギが選んだ手段は剣をインベントリに入れ両手で盾を支え攻撃を受けるというものだった

 凄まじい衝撃が盾にぶつかるが前回のように盾は下がらない、アサギは歯を食いしばり盾を、腕を下げなかった

 だからアサギは次の攻撃も盾で受ける事ができた、前回と同様顔を狙ったその一撃もアサギは受け切ったのである

 そしてアサギは次の攻撃に備えて盾から少し顔をだし角の生えた骨の様子を窺う

 だが次の攻撃は来なかった

 カタカタカタカタと顎を揺らしている角の生えた骨

 気が付けば

 その身体からは赤い炎も青い炎も消えていた


「なんだ、様子がおかしいな」


「そうね、どうなったのかしら」


 角の生えた骨が急に動き出しアサギを攻撃しはじめる

 だがその攻撃は先ほどのような速さも無ければ威力もない

 そして同じような攻撃を繰り返してくるようになった


「あー・・・なんだ、満足したってことか?」


「えええ、まだ1回しか受けてないのに!?勝手に満足しちゃったの!?」


「ちゃんとした戦いはガオーンでやれ、って感じかしらね」


「うぐぐぐ、それを言われると何も言い返せない・・・」


「とにかくもうさっきみたいな攻撃はなくなったみたいだし、さっさと倒してドラゴン見に行かなきゃ」


「そうだね、じゃあ攻略再開だ!」


「「「「「おー!」」」」」


 アサギはすっかり普通のAIに戻ってしまった角の生えた骨を通り越し自身の方へ向かせる

 挑発スキルを何個か使うとまぁちゃんとダガーも近づき攻撃を開始した

 角の生えた骨はHPを減らしていけばいく程どんどんとバフを自分にかけ強くなっていくようだった

 25パーセント減らした時は金棒を両手に持ち、半分減らした時は赤い炎を身体から吹き上がらせ、最後の25パーセントは青い炎のみを吹き上がらせた


「結局両方同時には使わなかったんだな」


「そうだね、特殊AIならではの攻撃だったんだね」


「アサギが挑発しなかったら使ってこなかったかもよ?」


「ああ、そういやあっちゃん全力で来い!とか言ってたね」


「で、返り討ちにされたんだけどな」


「あー!あー!やめてやめて!そのいい方は!!うー・・・恥ずかしい・・・」


「まあでも結局無敵スキル使わなくてもしっかり勝てたんだしよかったんじゃないか?」


「あれどうやって受けたの?普通に受けた訳じゃないんでしょ?」


「一応少しは滑らせるようには受けたよ、じゃなかったらとてもとても、それでも凄い衝撃だったから腕が落ちちゃう所だったよ、流石に落ちたら次の攻撃は防げなかったんじゃないかな、それくらい速かったし」


「上からの攻撃はその盾の丸みとかで滑らせるとして2回目の真正面からきた攻撃は?普通に防いだだけか?」


「2回目のはそうだね、普通に盾で受けただけだね」


「よく耐えれたな」


「自分から当たりに行ってたから少しは衝撃を殺せたのかな、上から来るのよりは前から来た奴の方が対処しやすいんだよね」


「ふーん、そんな事もやってたのか」


「相変わらずよくあんな攻撃を目の当たりにして前にでれるわよね、ほんと」


「そりゃあパラディンだからね!!」


「ほんとパラディンはすげーな」


「お!マーリンもようやくわかってきたね!!今度パラディンが活躍する小説を貸してあげよう!」


「もう何冊か読んだからいいよ」


「むー、そうか、残念」


「さ、そろそろ次の階層に行くわよ、折角ダンチョーが心配して行けって言ってくれたんだから無駄にしたら悪いわよ」


「そうだね、じゃあ行こうか!」


「「「「「おー!」」」」」


 ちなみに角の生えた骨からはいいドロップは何もなかった

 アサギ達は部屋の奥にでた扉に入っていく

 マップには骨の迷宮地下三階と表示されている


「おー、迷宮の奥で地下なのに空があるぞ」


「ほんとだね、なんか変な感じ、いっきに外にでたみたい」


「一応道はあるみたいね、さっさと奥に進みましょ」


 アサギ達は前へ進みだす

 前に進んだ所にまたスケルトンが居るのを発見した


「んー・・・竜人のスケルトンって所か?」


 目の前にいたスケルトンは身体は地下一階で見たスケルトンと同じだったが頭蓋骨が違っていた

 口がまるでワニの口のように飛び出しギザギザの牙が生えていたのだ

 そして骨盤の後ろに骨だけでできた尻尾もついている

 名前はドラゴニュートスケルトンと表示されている


「ここまでくると雑魚の武装もちゃんとしてるわね、アサギ、気を付けて進んでね」


「うん、じゃあいくよー」


 アサギ達は少しずつ敵を釣りだし倒し進んでいく

 ドラゴニュートスケルトンはスケルトンオーガと比べると力は変わらずに攻撃が多彩であった

 しかも一度に戦闘する数が多い、大体の敵が固まって存在していたのだ

 地下二階を攻略するよりも大分時間はかかっている

 そして少し休憩をしているとゴロゴロという音が聞こえてきた


「ん?また車輪か!?」


「地下二階にでなかったから一階にしか出ないものだと思ったけどランダムポップなのかしら」


「とりあえず開けた場所に行こう、ここじゃあ周りも巻き込んじゃう」


 アサギ達は少し後ろへと引きゴロゴロという音が近づいてくるのをまった

 そして少し経つと車輪が目の前まで転がってきた

 アサギがそれを光の腕で引き寄せる

 一階で見た車輪と明らかに違っている部分があった

 それは車輪の真ん中の頭蓋骨である


「おい、頭蓋骨がドラゴニュートの骨だぞ」


「てことは二階だったらスケルトンオーガの骨だったのかな?」


「攻撃方法は多分変わってないと思うから車輪が回ったら攻撃しないで目を回すまで休憩よ、覚えてる?」


「うん、大丈夫だよ、じゃあいくよー!」


 地下一階を転がっていた車輪と大体攻撃方法は同じだったがこのドラゴニュートスケルトンの車輪は回りながら炎を吐いてきた

 だが違いはそれだけだったので目を回しているところを全力で攻撃され車輪はHPを無くし光の粒子となった

 ドロップは相変わらず骨で作られた装飾品だったのダガーが取得した

 やはり好きなようで大層喜んでいる

 そしてアサギ達は前へ前へと進んでいく

 すると最後の部屋らしきものが目に入った

 その場所は迷宮の中だと言うのに空があり草木が生えた地下三階において最も異質な空間だった

 まるで誰かが手を加え作ったかのように石が敷かれているのである

 アサギ達は外からその部屋の様子を窺う、だが戦うはずのドラゴスケルトンの姿が見えない


「居ないね、はいったら出てくる感じかな」


「多分そうだろうな、じゃあ支援かけてから中はいるか」


「そうね、じゃあかけるわね」


「よし、じゃあ入ろうか!」


 全員に支援魔法がかけられアサギ達はその石が敷かれた部屋に入っていく

 すると急に風が吹いてきた

 迷宮の中なのに風が吹いてきたのだ、しかも強烈な風が

 風が部屋の中を吹き荒れ竜巻を作っていく

 竜巻はこの部屋からは出さないとばかりに荒れ狂った


「部屋の真ん中を中心にでかい竜巻が帰り道を塞ぐって事は・・・」


「そうね、ボスの登場って事ね」


「竜巻を吹かせるボスが来るところって言えば大体決まってるな」


「そうだね、上からだね」


 アサギ達はゆっくりと上から下りてくる骨で出来た竜を見上げた

 そのドラゴンの大きさは雪原で出会ったあのドラゴンよりも少し大きめである


「登場がこれってことは一応特殊AIじゃあないのかしらね」


「あー、もし「悪竜エドラ」っぽいAIはいってたら一直線にアサギに向かってきてるだろうからなぁ」


「それで練習相手になるのかしら?」


「んー、でもダンチョーが言うんじゃからなにかあるんじゃない?」


「それは・・・そうね、頑張りましょう」


「うん、じゃあいくよー!」


「「「「「おー!」」」」


 アサギは盾を構え走り出す

 竜の頭蓋骨の窪んだ眼窩がアサギを見ていた

皆様の声を聞かせてくださると幸いです

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