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聖騎士と懐かしの角

皆様の声を聞かせてくださると幸いです

感想、評価お待ちしております

 アサギ達の攻撃が黒い骨のHPを削っていく

 黒い骨はHPが残り25パーセントになった時剣をまた地面に刺し影を広げていく

 今までのナイットンならばこの段階で雄たけびをあげランダムに攻撃をしかけてくるのだがこの黒い骨はどうやらそうではないらしい

 セッキー達はランダムターゲットの攻撃ではなさそうだとわかると移動するのをやめた


「アサギ、また雑魚・・・召喚・・・じゃない・・・?」


 黒い骨が出した影から先ほど倒した二本の骨の腕が出てきた

 ここまでは先ほどと同じだ

 だがその骨の腕が黒い骨を掴み影に引きずり込んでいく


「ええっと・・・どうすれば?」


「とりあえずは様子見しかないでしょ、どうなってもすぐ動けるようにね」


「うん、そうだね」


 頭までどっぷりと引きずり込まれた黒い骨だったがそこにある影は消えていない

 影でしかないはずなのだがまるで水面の様に波紋が見える

 その波紋が収まった時急に黒い骨がぐるぐると回りながらでてきた

 派手な登場シーンである

 しかも出てきた黒い骨は上半身だけだ、それが2倍、いや、3倍ほどの大きさになっている

 黒い影に引きずりこまれる前までは両手で持っていた大剣だったが今は片手で持っているほどだ


「急にでかくなったな」


「ほんとだね、まさかこうなるとはね」


 呆けて見ていると黒い骨がアサギの元へ動き出してくる

 どうやら上半身しかないが移動はできるらしい

 地面と骨の境目には影がまだ広がっているのであの影が動いているのだろうか

 黒い骨が片手で大剣を振るいアサギに攻撃を仕掛けてくる

 それを盾で防いだアサギであったがその重さに飛ばされそうになった


「うぎぎ、おっもたい!!」


 黒い骨の攻撃は止まらない、右から左から、そして上からとアサギ目掛けて剣をやたらめったらと振り回してくる

 吹き飛ばされないように重心をさげアサギは何とかその攻撃に食らいつく

 攻撃の境目に自分が攻撃をするのも忘れない、だがあまり欲張って攻撃をすると吹き飛ばされそうになってしまう

 アサギは出来る時に必要な分だけ攻撃をする事にした

 なるべく火力が高い攻撃、もしくはヘイト値を稼ぐ追加効果のある攻撃だ

 何度か攻撃を受けていると黒い骨は両手を広げた


「範囲攻撃だ!」


 黒い骨はその場でぐるぐると回りだした

 ガンガンガンとアサギの盾に攻撃が当たっていく、少し後ろに飛ばされたが黒い骨はアサギ目掛けて回りながら前進してくる

 ダガーは攻撃を避けたがまぁちゃんは一度喰らってしまう、回避スキルを使っている状態で攻撃を受けると反撃できるというスキルがあるので当たりに言ったというのが正しいのであろうが

 黒い骨が回転をやめた

 アサギがチャンスだと盾をぶつけに前に出る

 攻撃を十数回受けていたので反撃スキルが発動可能になっていた

 このスキルは相手をスタン状態にする効果も持っている

 だが黒い骨はスタン状態にはならなかった、スキルによりスーパーアーマー状態になっていたのだ

 黒い骨は大剣を両手で持ち最上段に構え一気にアサギの頭目掛けて振り下ろす

 多分今までで一番の火力の攻撃だろう

 アサギの眼前に大剣が迫る


「アサギ!」


 ドーン!凄まじい音が部屋の中に鳴り響く

 その音は誰かの叫び声をかき消した

 アサギのHPは多少減っているが1回の回復魔法で回復できる量だ


「ふー、ギッリギリだ」


 黒い骨が大剣を持ちながら身体を仰け反らせている

 アサギは黒い骨が最上段から攻撃を仕掛けてきた時に盾を持ちあげ攻撃に合わせた

 だが今までの感じからするとこの攻撃は盾では防ぎ切れない事も何となくは感じていた

 盾を合わせる事でダメージの軽減はできるのだろうがそれでも大きくHPを削られる事は明白だ

 それならばと大剣が盾に触れた瞬間を目掛けて盾が爆発するスキルを使ったのだ

 黒い骨はスキルによりスーパーアーマーを纏っている、だがそれは発生を保証するものだ

 攻撃が当たったらそのスーパーアーマーは解除される、アサギはそこを狙ったのだ


「相変わらずタイミングがシビアそうなことやってんな、アサギは」


「くふふふ、さぁ、反撃だよ!」


 アサギは仰け反っている黒い骨に攻撃を加える

 体勢を立て直した黒い骨もアサギを攻撃し始める

 だが最上段からの振り下ろし以上の攻撃は来なかった、黒い骨の攻撃の全てに対処できる以上あとは時間の問題である


「よし!討伐成功!!」


 黒い骨にヒビがはいっていく

 まるでもがくかのように空中に腕を伸ばしながら黒い骨は粉々になっていき光の粒子となった


「おつかれさま、結構な経験値ね」


「お、ほんとだ、ここに籠ればレベル上げも結構進むかもな」


「ドロップはなんなのー?」


「あ、今見るね、えーっと、武器の強化素材だね、どうやらここは本当に強化とレベル上げ目的のダンジョンみたいだね」


「ふーん、そっかぁ、装備でないのかなぁ」


「そればっかりは何度か周回してみないとわからないね、多分ここは掲示板にも載ってないだろうし」


「載せてもいいけど入場制限の解除の方法がわからないわね、多分きっかけはアサギだと思うけど「悪竜エドラ」に標的にされてダンチョーに心配されたら入れます、とでも書いてみようかしら?」


「そんな達成条件を提示されてもアサギ以外達成できないだろうなぁ」


「でもレベル的には解放されてもおかしくないくらいの強さのダンジョンだろう?なにか条件はあるんじゃないか?」


「んー・・・帰ったらダンチョーに聞いてみようかな?」


「メールしてみれば?」


「んー、それはちょっとなぁ・・・忙しかったら悪いし」


「まあ、そうだな、ダンチョーも忙しいし一応お偉いさんだもんな」


「一応って言うか相当なお偉いさんなんだけどね」


「あはは、違いない、よし、じゃあ続きがあるみたいだし進んでみようぜ」


 黒い骨が光の粒子になった時に部屋の奥の壁の一部が開いていた


「よし、じゃあいこー!」


「「「「「おー!」」」」」


 そこを進んでいくとまた骨の迷宮の入り口と同じような場所にでる


「なんだ、また同じマップか?」


「でも骨の迷宮地下二階って書いてあるわね、進んでいるのは間違いないわ」


「じゃあ前に進もうか」


 アサギ達が再度迷宮の奥に進んでいく

 そこにはまた骨が居た、だがその骨は地下一階で戦っていたものよりも大分大きい骨格をしている

 そして見覚えのある角を頭蓋骨から生やしていた


「あれは・・・オーガ」


「あー、オーガかー・・・おい、アサギ、アサギ?」


 その骨を見た時、アサギの身体は小刻みに震えていた

 骨とは言えオーガである、アサギを一撃で倒したあのガオーンと同じオーガである


「そういえば「ダクパラ」とか「悪竜エドラ」以外に因縁深いのが1人いたわね」


「うおおおおおお!!!!」


 アサギが突然叫びだす


「うわ、どしたの、アサギちゃん」


「ああ、ごめん!急にテンションがマックスになっちゃって!!」


「俺とアサギとセッキーはちょっと前にオーガにコテンパンにされてな、オーガを見るとその時の事思い出しちゃってな」


「気合いれなきゃ!ここでやられてちゃガオーンには勝てない!」


「え?ガオーン?あの「チトトーイ荒野」の?あの実装するタイミング完全に間違えちゃいましたって、ネームドか?」


「そうよ、まだクラスチェンジもしてない時にやられたのよ、その時から私達の目標はあいつを倒す事なのよ、言ってなかったかしら?」


「いや・・・聞いたような聞いてなかったような・・・、でも楽しそうだね、私もそれに乗った!」


「ふふ、見た事はないけど名前は聞いた事あるわ、「チトトーイ荒野」に全然プレイヤーが居ないのはそのネームドが原因なんですってね、私も倒してみたいな」


「なるほど、じゃあ確かにここで適正レベルの骨のオーガになんか負けてらんないな」


「そういう事だ、対ガオーン戦の練習と行こうじゃないか!」


「「「「「おー!!」」」」」


 アサギは角の生えた骨を相手に戦いを始めていく

 頭の中で何度も何度も思い返す攻撃がある、目の前に居る角が生えた骨が繰り出すその攻撃はどれもこれもその攻撃とは比べ物にならないほど遅く弱い

 こんなものじゃない、ガオーンに攻撃はこんなに弱くない、アサギは少しイラだっていた

 勿論オーガやこの角の生えた骨が悪い訳じゃあない、それなのに何故だろう、このイラつきは

 気が付けばアサギは角の生えた骨の背中を他のパーティメンバーに見せる事を忘れていた


「アサギ!ちょっと落ち着きなさいよ!」


「え?あ!ごめん!忘れてた」


「複数に囲まれてる時じゃなかったから別にいいけどガオーンはアサギ一人で倒す訳じゃないんだぜ?」


「ほんとにガオーンと戦いたいんだね、あっちゃんは、でも今の状態だとやられてると思うなー」


「う・・・気を付けます・・・じゃ、じゃあ気を取り直して出発!!」


「「「「「おー!」」」」」


「アサギ、さっきはどうしたんだ?」


「んー・・・ガオーンの攻撃は私にとって忘れられない攻撃なんだよ、あの速さ、威力、全部覚えてる・・・でもなんかここの骨は同じような動作で攻撃してくるから・・・でも全然速さも威力も違うし、なんというか上手く説明できないけど・・・こう・・・全然違うんだよ!!だからそれでついカッとなったと言いますか・・・それでそのあの・・・」


「要するにガオーンっぽい見た目の癖に弱い攻撃してくるな、って事かしらね?」


「んー・・・そ、そんな感じ・・・」


「ぷっ、あっちゃんの中ではオーガは全部ガオーンなんだね」


「そうなると多分王都は滅びてるな」


「そうだね、全部が全部ガオーンだと誰もオーガを倒しにはいかなくなるだろうね」


「い、いや、そこまでは・・・」


「アサギ、道中はしょうがないと思うわ、でも喜びなさい、ここのボスはきっとガオーンまでは行かなくてもここいらの雑魚よりは強いはずよ」


「うん、うんうん!そうだね!楽しみだね!!」


「そうね、実はね、アサギ、私もちょっとここの骨がガオーンよりもかなり弱いからちょっと残念だったのよ、だからさっさと雑魚を倒してボスまで行くわよ」


「うん!頑張ろう、セッキー!急ぐよー!」


 アサギはダンジョンの奥に強者を求めた

 昔自身を一撃の元に倒した強敵のような強さを


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