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帰り道にて

作者: 旬過愁到

 ばかばかしい。実にばかばかしい。自分の信条を疑うなんて許せないと思いながら、家路につく時に見上げる真っ冬の、この揺るぎのない月ほど、冷酷な物はないだろう。同時に、このろくでもない世において、おそらく未来永劫であろう事実の具象として、いかほど愚かな人間でも自分の目でとらえられる形のあるものも、今やもはやこの強面の月ぐらいしかないのではないか。なのについさっきまで、あのばかばかしい宴会で盛んに取り上げられた他人の「栄光」や「賛辞」ときたら、かくして「栄光」にしか添えられることのない「賛辞」、そして「賛辞」によって初めて周囲に気づかれる「栄光」、刹那の如く短く「存在」していた「存在」に過ぎない「存在」たち、なぜか自分の中でこだましている。そう、ばかばかしい宴会のこだまが、頭の中で宴会をしている。まるで一瞬一瞬が汚れ知らずだった真白な砂が一粒一粒連なってできた日常という名の砂浜に、不意に波によって打ち上げられたプラスチックゴミのように朽ちる一方で、永遠に分解されることも土に戻ることも知らないこだまは、害そのものに違いない。幸せであろうが、不幸あろうが、上等であっても、下等であっても…昼は時の波に蝕まれ、夜は月の光に洗いざらいに晒され、それでも自分の持ちうる揺るぎのない信条を守り抜くため、命の限り蔓延っていく、害。

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