青いまが玉
『今までありがとう。大好き。』
それが彼女の最後の言葉。
その言葉を最後に、彼女は意識を失う。
今までの思い出とともに…
~現代 11月~
雛「んー!」
肌寒くなってきた11月上旬。
紅葉並木を歩く『綾瀬雛』という少女。
雛「きれいだな…。」
雛は4月にこの街に引っ越してきた高校1年。
そして雛の特徴は…
子供「うわーーーん!」
雛「あ、どうしたの?大丈夫?」
子供「おひざケガしちゃったよー!」
雛「大丈夫!私がすぐに直してあげる!」
人助けが好きな雛。
将来の夢はお医者さん。
そんな雛がこの後大変なことになることなど知らず、今日も人助けをしている。
……
私は昔、ある人に助けてもらった。
ドテン!
『えーん!痛いよぉー!』
『大丈夫。僕がすぐに助けてあげるね。』
そう言ってテキパキケガしたところを治療してくれたお兄さん。
昔すぎて、顔は覚えてないけれどいつかあの人にお礼が言いたい。
~現代11月 渋谷~
今日は友達の莉愛と渋谷でお買い物!
莉愛「雛も飽きないね。人助け。」
雛「泣いている子を見ると…つい…。」
莉愛「ま、雛らしくていいと思うけど。」
雛「褒められてるのか何なのか…。」
莉愛「あ、ベンチでちょっと休も!」
雛「うん。」
莉愛「…ごめん。ちょっとトイレ行って来る。」
雛「じゃあ、私はここにいるね。」
莉愛「ごめんね。」
莉愛が行ったあと、足元にきらりと光るものが。
見てみると、きれいな青色のまが玉。
雛「わぁ…きれい…。」
しばらくそのまが玉をみつめていると…
そのまが玉がピカッと光る
雛「え!?」
その光と共に変な感覚になる。
それもそうだ。私は周りから見ればそのまが玉に吸い込まれているのだもの。
正直吸い込まれていたときの記憶はない。
ここからは、少し不思議なお話。
莉愛「お待たせ—!雛!」
…
莉愛「あれ?雛?雛ー!」