高速道路と心
真っ青な空。素晴らしい晴天だ。
ガードレールの向こうは海だろうか。
車を運転している私の隣には妻の気配。
高速道路で向かう目的地の方角は右手の方。
走っている車はほとんど見当たらない。
スピードの出し過ぎに注意しよう。そう思った。この辺りは取り締まりが厳しいはずだ。
分かれ道、左手の道の先は下りの坂道で、そこにブルーのスポーツカーが見えた。
あの車の後ろを走れば、私がスピード違反で警察に捕まることもない。
遠回りかもしれないが、急ぐことができる。
妻が言った。「あ、運転手は女の人だからいいか」
私には確認できなかったし、男だろうが女だろうが関係はない。
ブルーのスポーツカーを追う。
坂道の下りの向こうに人がにぎわっているのが見えてドキッとした。
まさか止まらないよな、そう思っていたらブルーのスポーツカーはそのまま停止した。そこに数名の人が集まって何か楽し気に話をしている。
この道は高速道路じゃないんじゃないか。妻にもそう言いながら、ブルーのスポーツカーを追い抜いた。
先は物凄い登り坂。しかも道は途中から砂利道になっている。
やっぱり、ここはもう高速道路じゃない。
道を間違えた。後悔の気持ちに襲われた。
どこで間違えたんだろう。漠然とそう考えながら、道路を逆走する。
たくさんの人たちがのんびりと楽しそうに過ごしている間を抜けていく。
ふと、別に高速道路に乗って、急ぐ必要なんてないんじゃないかと思い始めた。
会社での上下の人間関係のもつれで抑うつ状態になって、休職中の私がみた夢。
夢は自分の中の無意識の世界との架け橋です。
夢のストーリーや夢に登場してくるひとつひとつに無意識の世界からのメッセージがあります。