五話 酒と服屋
亀…いや、カタツムリ更新(?)安定です
「雨…?」
僕は看板を見上げ首をかしげた
「まあ、入ってみたら良いさ」
店は少し寂れた居酒屋だった。カウンター席とテーブルが2つある。
「お、萃香さん!らっしゃい!こんな時間に珍しいねぇ!」
「やぁやぁ!ちと御使いを頼まれてね!宴会するんだが…人間も飲みやすい酒と度が強いの、両方をいくつか貰っていいかい?」
「じゃあこの酒はどうだ?苦手な奴でも飲みやすいぞ!…ん?その後ろに居る男はどうした?」
「あぁ、外来人だよ、まあまあ面白い奴だ。白雅って言うんだ」
「あ、どうも…」
僕は頭を少し下げた。
「おいおい!もうちょっと元気にやれねーのか?最近の外来人は人見知りが多いなぁ…」
僕たちは会計を済ませ店を出た
「なあ、お前、ずっとその服なのか?」
「あぁ…確かに、新しい服、買った方がいいでしょうか…?」
「よしっ!ついてこい!良いとこがあるぞー!」
あー…無邪気な笑顔だな…子供にしかみえない(笑)
少し古びた一軒の店。その戸をガラガラ…とあけ大声で叫んだ
「おーーい!!!!爺さん!!居るか!!!!」
するとパタパタとスリッパの様な足音が聞こえた。
「おぉ?なんじゃ?何か仕立てて欲しいものが有るのか?それとも他の用か?」
しわがれた声の主は年老いたお爺さんだった。
「あぁ、今日はコイツの服、仕立てて欲しいんだ」
「この服の素材、いいのう…あぁ、そうだ…この服をくれれば、代金は無しでいいんじゃが…外来人じゃろ?金が無いならなおさらじゃ!洗って着回しはできる4着仕立ててやろう!」
「いいな!その話乗った!」
「あ、僕も良いと思います…」
「じゃあその服、貰うぞ?ちょっとした着物があるからな!それを着ていけ」
僕は灰色の着物を渡された。奥に案内され、慣れない手付きで着替えた。鏡があったで自分の姿を見てみた。灰色と白の髪と真っ白い肌。これで分かるかも知れないが生まれつき色素が薄い。それに灰色の着物と来たので真っ白だ。途中、店員が手伝ってくれたのは内緒だけど。
「おぉ、似合ってるぞ、白雅!全体的に白っぽいけど!」
「それ僕も思いました…」
店主は珍しい素材が手に入ったと小躍りしていた。
「じゃあな!爺さん!」
「おお!また4日後位に取りにきとくれー」
僕らは頼まれた物を買い、帰路についた