如恋
死にたい。
想像する。
車道に、飛び出す。
ビルから、翔ぶ。
心臓を、刺す。
あるいは、服毒。
さもなきゃ、コロシテモラウ。
ハ…。笑ってしまう。
死にたいと切望する割に、私は自分で死ぬこともできない。
弱いから。ズルイから。
私には勇気がない。
死ぬ勇気。
死んだあとを考える勇気。
親や親類や、先生や友達や、それこそ私が死んだと知った人たちが何を思うか。
それに耐える勇気がない。
強い思いだけで死ねるのならば、私はとっくにこの世にいないだろう。
生きる事に執着も、希望ももはや見い出すことはできない。
ただただ寿命を浪費するように漫然と生き続けるだけ。
誰かが言う。自殺は罪だと。
私はその言葉に囚われ、身動きもとれない。
死することに恐怖は無い。
むしろ焦がれる。早く早くと願う。
それすら罪だと言うならば、私は何処まで堕ちれば良いのだろう。
年季の入ったこの想いは、誰にも止めることなどできない。
時折、何もかにも放り出して、求めるままにしてしまいたくなる。
いつまで経っても叶わぬと知りつつ、欲求不満の捌け口は衝動的な…。
心が満ちることは、無い。
私を唯一救ってくれる筈の死は、永遠の禁忌。
おぞましいと、理解できないと、誰にも受け入れられぬ想いが私の全てでもある。
ああ。
ふわり、と舞う粉雪が地に堕ちるその前に、誰か、私を殺してくれまいか。