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アイル  作者: はるの そらと
始まりの章
1/42

絶望を希望に変える者

楽しんでいただければ幸いです。

 昔、小さきものあり。

 光に焼かれ、闇に呑まる弱きものを哀れに思い、手を差し伸べたものあり。

 小さきもの、次第に大きくなり。

 強さは大きさに非ず。

 それ忘るるば、小さきもの地に帰る。

 導くは、大いなる暁色。

 それ夜明けを告げる風を纏い、現れる。



   ◇



「噴火するぞ!」


 誰かが放ったその一声が、さらなる混乱への火種となった。悲鳴と怒声。必死に逃げようとあがく者は、自分の身を優先するあまり、幼子を蹴りあげてしまったことに気づかない。いや、気づいていても悪びれる余裕すらない。泣き崩れる者は、自らの運命を呪い、恐怖で硬直する者は、考えることを止めた。まさに地獄絵図。一人ひとりあげる声は違うけど、そこには共通点があった。

 絶望だ。

 歳も性別も関係ない。必死になって走る人の群れは、暴走した家畜となんら変わらない。背後から迫り来る火砕流、雨のように降る噴石。それから逃げ切れる可能性なんてゼロに近い。なのに、己の欲望に従い、必死になって逃げ惑う姿は目も当てられない。

 本当、なんて醜い。

 はあ、と息を吐いた。

 本来なら禁忌だ。でも、仕方がないとも思った。

 自分の醜さを知るには、生きなければ元も子もない。

 右手首を小さく回せば、杖が現れた。木の枝とあまり区別のない杖。それを襲い来る火砕流や噴石、そして火山に向けて振った。




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