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ススメシリーズ

田舎のススメ、

作者: 毛玉
掲載日:2012/07/31

前方を仰ぐ

地平の果てまで田んぼ、時々家がポツリポツリと立っているが、それ以外は風に靡く新緑の絨毯である

取り換え口で水が落ちていく、その音もなんだか気持ちが良い

・・・ただ、ホーネー海老が一緒に流れて行ってしまわないか心配でもある、田んぼ以外であいつら暮らしていけるのかいな?


眺める

ジリジリと蝉の声を遠くに聞いた

「あっついなー」

見たとおり、俺の住んでる場所はtheド田舎。

この絨毯の真ん中にいると、時の流れすら曖昧に感じてしまう。その感覚が好きだった


だが、その中で時の感覚を教えてくれる物がある。風、空、そして現れる生き物の変化。時の流れの曖昧さはそれらの存在感を強くし、普段は気付かないような事を教えてくれる

その全てが好きだった


田んぼの水面を眺めた、俺の顔がまるで鏡の様に写りこみ揺れる

「うわ!?オタマ一杯だと・・・っ!?」

雄霊邪鬼歯(オタマジャクシ)!!お前等だけはダメだ、純粋に怖い。


昔、子供の頃ホーネー海老と一緒にオタマを連れ帰った事がある。明日餌買って来くるからとパン屑を与え、一晩一緒のバケツで放置した。

だが、次の日見てみると、オタマがホーネー海老を喰い尽すという惨状。餌を買い、腐るほど大量に与えても共食いを始めるありさま

その貪欲さが幼い俺のトラウマとして刻まれた。

惚けた顔して凶暴な捕食者(プレデタ―)それがオタマジャクシだ。みんな飼う時には気をつけようネっ!仲間の腹に食いついて何かをチューチューとナニか吸い出す様は軽くホラーだヨッ!?

ピ○ニン2のオタマにさえ怯えるのだから自分でも重傷だと思う。青ピ○ニン無視して詰んだっ☆(オイ



ウゴウゴと大量のオタマ、その周りをのんきーに泳ぐホーネ海老

それを見て言った

「強く、生きろホーネー」

そしてオタマは意識から除外する。俺の目の前には田んぼの水面。それしかないじゃないか、ハッハハ



眺める

時は流れ、夕方になった。

辺りにひんやりとした空気が張り、月が静かに顔を出す

そして、ヒグラシの声が寂しさを誘うように響く。周りの静けさと涼しさの相乗効果で哀愁を引き出しそうだ、家に帰ろう。という気持ちにさせてくれる

風が吹く

紅く染まった稲絨毯がソヨソヨと揺れた

「良いなぁ、風流だなー」


まるで、ヒグラシは自分の声が一番魅力に写る時間帯をわかっているかのようだ

そもそも蝉が無くのは求愛の為、故にヒグラシ族はあの声に確かな魅力を感じているのだろう

もしかして、ヒグラシは俺と美的感覚とか価値観が近いのかも知れない。好いお友達のなれそうな気がする

そうだ、今度一匹とっ捕まえてこよう

(注 セミは大体一週間位しか生きられない。ポロポロと道端に落ちていて埋葬したこと数知れず。良い子は絶対真似しないでねっ!観察したらすぐ逃がしてあげるんだよーっ



赤トンボが頭上を往く

直線的に止まっては進み。ウロウロと往復するように

そんな様子も愛嬌があるかもしれないね

「うん、そろそろ帰ろっか」


そういえば最近オニヤンマを見ない。ちゃんと生きているか心配である

昔、大きくて立派な個体が教室に乱入して、授業が中断したのは今からすればいい思い出、

ちょっとしたイベントだった。きっともしオオクワガタが乱入してきたら祭り騒ぎに発展する事が容易に想像できる。そんな元気で愉快なクラスだった

くすっと笑う


「ゆうやーけこやけーの、あかとーんぼー」

歌ったのは気分、選曲は有名な童謡

周りに家もないしまったく気にする必要が無いのも田舎のいいところ


「おわれーてみーたのは、いつのーひーか」

俺が背に負われるのは大体迷子になったとき、トンボと一緒で一直線に進み、そのままの勢いで迷子になると母は語る

あまり憶えていないがきっと、興味のあるものに全力突貫して迷子になり、疲れて母に介抱されるのがお決まりパターンだったのだろう。

母は偉大だ


「・・・あとはわかんねぇや」

すぐに歌い終える

一番は有名で誰でも覚えているだろうが、二番になると歌える人が激減するのが童謡の法則

発見者は俺だ


「あのおおぞらにー!翼を広げー」

しかたがないから、小学校で習った他の童謡を歌う事にする

この歌大好き、同士求む

だから、パチンコのCMにおいて、この名曲を斜め240度明後日(あさって)の方向に改悪したEVA(エヴァ)とやらは絶対許せない。オノレ、4歳の俺にアニメに対する強烈なトラウマ作ったばかりでは飽きたらんのかっ!?未だにアニメが流れるだけで鳥肌が立つよ!どうしてくれる?!

・・・はい、どぉでもいいですね。ただ同意してくれるEVAファンの同士は公式にちょっと抗議してくれると助かります。俺はトラウマで無理ですから・・


「飛んでーゆきたいよー」

そうこうするうちに家が見えてきた。一軒家な事だけが取り柄のボロ屋である。エアコンどころか扇風機すらないが、何、気にすることは無い

これら全てを含め俺の故郷。

今は遠くで都会な所にある学校に通っているが、時々散歩するとここが自分の帰るべき場所だと痛感するものだ

都会も嫌いじゃない、要はバランスを楽しむこと。それが重要なのかも

ガチャン

「ただいまー」

靴を脱ぐ

そうだ今度は自転車で風を感じながら散歩するのもいいかもしれないね

遠くに行ってカブトを見てくるのもいいかもしれない

ご飯食べたら寝よう。明日から学校だ。田舎成分を補充した俺に抜かりは無い

さぁ、明日からまた頑張るぞっと




終わり



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