表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/20

可愛いは最強なのです。

 商人さんの名前はブラフさん。駄目親父Aがバランさん、残りの一人がライネルさんと教えてもらいます。ライネルさんは、皮鎧を身に着けていますので、素早い動きが得意そうです。 



「私はユイです。短い間ですがヨロシクお願いします」

「ああ、ヨロシク(よろろん♪)」



 ブラフさんとの会話を聞いていたのでしょう。 

 2人はあっさり歓迎してくれました。

 気のせいか、変な声が混ざっていたような……



「皆さんは、どこで知り合ったのですか?」



 手頃な質問からしてみることにします。



「ああ、俺とライネルの2人はギルドで依頼を受けたのだ。その雇い主がこのブラフさんってとこさ」

 駄目親父Aもとい、バランさんが答えてくれます。



「そうなんですか、そのギルドって何でしょう?」



 ドリルに似ていて嫌な名前です。宿題? なんですかそれ、写すものですよ。 



「おいおい、ギルドも知らないのか?」


 

 バランさんに呆れられます。

 コッチの世界に来てから、まだ日が浅いのです。

 全て知ってたら神様じゃないですかと反論しときます。

 でも神様というと……あの人ですか。うーん。

 渋めな声でしたが親父趣味じゃないので、どうなんでしょう。

 高○健さんみたいだったら良いですよね。



「まぁ、バランさんそう言わないで。彼女は森のエルフに育てられたと言ってたじゃないですか、俗世のことに疎いのは仕方ないと思いますよ」



 ブラフさん良い人です。ちゃんとフォローしてくれます。ケチですけど。



「それもそうだな。変な質問も納得ってもんだ」

「それで、そのギルドとは何でしょう?」



 いい加減に教えて欲しいです。

 焦らされてるみたいじゃないですか。



「ああ、悪いな。ギルドとは、冒険者の組合みたいなものだ。加入した者に仕事の情報、斡旋をしてくれる。興味があるなら登録すると良いと思う。お嬢ちゃんの腕ならさぞかし喜ばれるだろうよ」



 ふむふむ。つまりはハロー○ークみたいなモノですね。

 でしたら、生活基盤を得る上で、登録しておくのも良いでしょう。


 

「判りました。どうしたら登録出来るのですか?」

「それは、簡単だ。16歳以上であれば誰でも出来る。登録費用が少し掛かるが、一度登録すれば一生物だし、添付されるカードが身分証明代わりになるぞ。それ目当てに登録する者も居るらしいな」



 おお、免許証みたいに、便利ですね!

 ですが、気になる一言があったような……



「今、登録費用って言いましたよね? 幾らぐらい掛かるのです?」

「幾らだったかなぁ――」 

「50Cだよん」


 

 バランさんの代わりに、ライネルさんが教えてくれます。

 ええと……初めの挨拶は聞き間違いじゃなさそうです。

 この人、装備だけじゃなく、性格も軽そうですね。



「あの……50Cとは?」



 エヘッと笑って尋ねます。

 もうこうなったら、聞くのは一時の恥というアレです。

 リリム先輩のせいで要らない恥を掻いてる気がします。


 

「単位も知らんのか――」


 

 バランさんの解説によると……



 B、C、S、という通貨の単位があり、1000で繰り上がるそうです。

 1000Bで1C、1000Cで、1Sとなります。



 100Bで、大体パン1個を買うことが出来るそうです。

 50Cもあれば、1人で一ヶ月、飲食するのに困らないぐらい。

 1Sともなれば、半年は遊んで暮らせるみたいです。


 

 となると、50C結構高いですね。

 日本円にすると5万円ぐらいですもの。



 ――さて、困りました。

 私は一文無しです。

 これからのことを考えるなら、やはりお金は必要になるでしょう。

 手っ取り早くお金を入手しなくては……

 チラリ……ブラフさんを眺めると、急に身震いを始めました。

 別に襲うなんて思ってないのに、どうしたのでしょう?

 でも、『完全犯罪』をすれば……

 うーん。魅力的な言葉の気もします。

 確か中学の歴史の先生が言っていました。

 歴史というのは、勝利者が作るのだ。 

 ならば! 私に勝てる者などこの世界に居ない筈!

 しかし、そんなことしていいのでしょうか?

 虫も殺せない乙女。この設定の方が可愛くないですか?

 可愛いこそ最強です。止めましょう。

 いつの間にか、ブラフさんの身震いが止まってました。

 きっと、寒かったのでしょう。私には関係なかったのですね。

 そうなると、どうやってお金を稼げば……

 そうだ! 少し名案が浮かびました♪

この小説、予想以上の高評価に、正直驚いています。

これは、サド天使(あっ言っちゃった)頑張れということなのでしょうね!


※ 誤字、脱字、修正点などがあれば指摘ください。

評価や感想、コメントも是非にです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ