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乙女は誉めるものなのです。

久々の更新です。


「お嬢ちゃん、つえーなぁ」



 護衛をしていた一人、髭を生やしたオジさんが話しかけてきます。

 ミディアムアーマーというのでしょうか? 上半身だけの鉄製の鎧を身に着け、抜いていた剣は鞘に戻されています。

 もう一人は、馬車の確認をしているみたいですね。


 

「いえいえ、それ程でも無いですよ」

「いやー。それ程だって、見た感じエルフでも無いのに、大層な魔法を使いこなせてるんだからな」



 素直に賞賛されると、少し照れくさいです。


 

「本当大したことないですって。あまり誉めないで下さい」

「お嬢ちゃんは謙虚なんだなぁ。それじゃ本当助かった。ありがとな!」



 オジさんはそのまま戻っていきました。

 あれ? ちょっと待って下さい。私の求めているのはそんなのではなくて、「命の恩人だ。さぁご飯でも」とか、「助けてくれてありがとう。次の町で好きな物を奢ってやろう」とかを期待しているのです。

 このまま去られたら、私の努力は無になるじゃないですか!

 私は、雇い主と思われる商人さんらしき人の方に、歩いていきます。

 あのオジさんはもう知りません!



「こんにちわー。大丈夫でしたか?」

「ああ、はい、何とか助かりました」



 商人風のオジさん推定35歳は、ホッとした表情で私に頭を下げています。

 麻っぽい服を着ているので、これが此方の一般服なのかもしれませんね。

 もし、商人さんまで無かったことにするようなら、危うくこの地域が消えるところでしたよ。

 ふふふ。あまり私を怒らさないと良いのです。


  

「どうして、盗賊に襲われたのですか?」


 

 こんな人気の少ない処を走っていたのです。それなりに訳があるのでしょう。

 別に興味は無いのですが、会話を進める上で当たり障りの無いことから話すのが、相手も話しやすいのではないでしょうか?



「実はうちの妻が病に掛かりまして、その薬の買い付けに南方に住むエルフの元に行った帰りなんですよ。貴重品でして、1本で1Sの価値があるのです。それを狙ったのかと思います」

 1Sとは通貨の単位なのでしょう。しかし、私にはその知識がありません。

 ですが、盗賊が狙うというのですから、100万円以上の代物ではないでしょうか?

 私が盗賊なら6人で10万円を狙うなんてセコイことはしませんしね。



「成る程判りました。『わ、た、し、』が追い払いましたけど、盗賊自体の数は殆ど減っては居ません。ひょっとしたら又襲われる可能性もあります。気をつけて帰宅すると良いですよ」


 

 さぁ、言うのです。「私に助けて下さい。なんでもお礼は致します」と。



「確かにそうですね。帰り道は気をつけることにします。助けていただいてありがとうございました」


  

 えええええ。それだけですか! なんでそうなのです? コッチの人は一宿一飯の恩義とか、命を救われたら命で返す、みたいな等価交換とは言わないですが、そういうモノは無いのですか?

 これは、私がこの世界を征服して教育し直す必要があるのでしょうか?

 ご飯の恨みがどれくらい恐いか、見せ付けてやるべきですかね!



「あ!」



 商人の人が急に声を上げました。

 やっとですか……全くやきもきさせてくれるものです。

 さぁ、いつでも言うといいです。

 今なら、この最強の資質をもつらしい天使が、格安価格で守ってあげるのですよ!



「そういえば、珍しい衣装ですね。お高いのですか?」

「…………」



 ええと、だんだん面倒になってきました。

 でも私は天使、皆の夢を壊すような行いはしてはいけないと思うんです。

 良い子がマネしたらいけませんしね!!!!!!



「そうなんですか? 貰い物なので価値が判らないですけど。肌触りは結構良いです」

「ああ、お嬢さん美人ですしねぇ」


 

 それはちょっと嬉しいです。女子たるモノ外見を誉められるのは快感なのです!

 ここで、良く言われますなんていいませんよ!

 謙虚な方が魅力度アップ間違い無しです。


 

「そうでもないですって、お上手ですね」

「いや本当に美しいですって、皆に言われるでしょ?」



 少し私の中で好感度を足して上げましょう。

 それに、昔の私はぺちゃぱ――止めましょう。何故かイラッとくることを思い出しそうになりましたし。



「森の奥のエルフに育てられたので、あまり誉められたことは無いのですよ」

「ああ、エルフは皆美形ですしねぇ。それでしたら納得です」



 嘘も方便です。会ったことないですけど、やはり美形なのですね。

 是非とも美男子のエルフ様に会ってみたいものです。

 オルフェン王国に行くのを止めて、アイヤール国に進むのもありかもしれませんね。

 と、本題を忘れるところでした。

 ご飯です。ご飯!



「それで、これからどうするのですか?」


 

 話しを元に戻しましょう。



「ああ、このままサモラの町まで行く予定です」

「サモラの町ですか……」



 はっきり言って知りません! 何処でしょうか。



「良かったら暇なので、そこまで守ってあげましょうか? 先程の盗賊に報復をされたら、私も少し寝覚めが悪いですし」

「え、良いのですか? 無料で助けてくれるなんて、なんてお優しい」



 ……まぁ無料はいいでしょう。本当は少し嫌ですが。

 問題のご飯は!



「別に無料でも構いませんが、ご飯ぐらいは下さいね」


 

 天使の笑顔を振り舞いてみます。

 本物がやってるのです。完璧ですよ!



「ご飯ですか…………」



 ええええ、そこ渋るところなんですか? これでも私、この世界最強なんですよ? きっと。



「それだけじゃ申し訳ないような……」



 逆の心配をしていたのですか、さっきまでの流れから疑心暗鬼になりそうです。

 世の中っていうのは本当に難しいですね。



「いえいえ、私も旅が出来て楽しいですし、それで構いませんよ」

「では、お言葉に甘えさせていただきます」



 この瞬間、駄目親父Aと護衛B、商人さんと私の一行がサモラの町に向かうことが決定しました。

こんなにお気楽に書いてていいのか、少し心配になってきます。


※ 誤字、脱字、修正点などがあれば指摘ください。

評価や感想、コメントも是非にです。

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