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Date6 橙
もう高②なんだってさ
はえーな、おい
「いつ、あれ書いたの?」
帰り道、アタシは疑問を司に尋ねた。
「11月後半くらいだったかな」
「じゃあ、なんでいつもアタシがペンケース置いてるとこに書いたの?」
他のとこなら、もっとはやく気づいてたかもしれないのに。
すると、司は前を向いたまま応えた。
「今日、日和が気づくように」
「えっ……なんで今日?」
「だって今日は、
日和の誕生日だろ……」
あっ……
そうか……アタシの誕生日……
「ありがとう……最高の誕生日になったよ」
アタシたちは顔を見合わせて微笑んだ。
「生まれてきてくれてありがとう……」
司のその言葉が優しく、どこか切なげに響き、アタシの胸を締め付けた。
アタシはそっと自分の左手首の内側に触れた。