Date1 黒
こんにちわ、碓氷です
緋蒼ライフが連載になりました。
内容は短編にほんの少し付け足ししてます
でわどうぞ
アタシは百瀬日和。
中学校時代はいじめられててあまりいい思い出はなかったんだけど、高校時代は恋愛もできて、すごく充実してる毎日を送ることができたんだ。
今日はそんなアタシの、高校時代の思い出をお話しするね。
あれは7年前のこと。
アタシは進学校に入学したの。
成績はそこまで良くなかったんだけどね。
彼のことが好きになったのは、初めての席替えの数日後。
彼の名前は、神城司。
頭が良いのに気取らないし、顔立ちも整ってるし、スポーツも万能で……ってよくあるパターンの人物なんだけどね、とにかくカッコイイ。
6月の上旬あたりに席替えをして隣になって、初めて彼を知った。
別にその時はなんとも思わなかったんだけど……
ある日、アタシは忘れ物をしたの。
古典のノート
せっかく予習やってきたのに忘れるなんて……!!
むしゃくしゃしながら鞄をあさっていると、それに気づいた司が声をかけてきた。
「どうした?」
「古典のノート、忘れてきたみたい……。せっかく予習したのに……」
すると、司はアタシの前に自分の古典のノートを差し出して言った。
「俺のでよかったら写していいよ。訳し方めちゃくちゃだけど」
「えっ……いいの!!?ありがとう!!」
ノートを受け取って開く。
少し右上がりの癖字
でもそれが心にすぅっ、と溶け込んで何だか落ち着く。
訳も、本人はめちゃくちゃって言ってたけど、アタシのよりずっと完璧。
思わず司の横顔をみつめていると、
「なんか間違ってた?」
と言われた。
「ううん、……完璧だなって思って」