羊の国からめりくり 2
下ネタ注意。
羊族の上位種たちが集う一年の慰労会と言う名の「クリスマス会」は好評だった。
・・・主に雌羊たちに。
やわらかく薫り高い牧草の花束・・・もといツリーは、かわいらしく華々しく盛り付けられ(違うぅぅぅ!by芽衣)雌羊の目を(・・・胃袋じゃ・・・)ひいた。
ついでに恋人未満だった牡羊の株を大いにあげて、見事ゴールインしたカップルたちが群れを成していた。
プレゼントした牧草の束を幸せそうに食んでいる雌羊の姿がそこここで見られる。
それどころか。
ミニのスカートに欲情したのか早速始めようとしているケダモノも。
場をわきまえろ、おまえたち! 盛っている場合じゃない!
だが、わたしだって、悲しい位ケダモノだ。
目の端でくりひろげられる茶番に、ぎりぎりするほど妬いている。
求愛の言葉に頷いて、美味しそうに草食べている雌羊見れば、羨ましくて泣けてくる。
精一杯の牧草の花束も、受け取って食んでもらわねば、意味が無い。
落ち着け俺。諦めるな、俺。
愛しい娘は膝の上。
柔らかい肉の感触が腿にあたって心地いい(ぼそ)いやいや。
願望のなせる業か、芽衣は逃げもせずおとなしく私の膝に座ったままだ。
桃尻のあいだに行儀よくおさまった息子が欲望はらんで血流が(・・・げふげふ)。
勃っちゃいかんぞ、俺! あ、でも、辛抱たまりません・・・前のめりは仕方がないと思うのだが、いかんせん、芽衣が膝にいるからなぁ・・・。
むっちりと張り付いてくる肉のやわらかい感触に、精神の箍が外れそうだ。外していい? だめ?
・・・しかたなく、爺の顔を一匹二匹とかぞえて熱を冷ましていたのに。
皿のケーキをうまうまと食べていた芽衣の目線が泳ぐ。たぶん、あそこのうさぎりんご、おいしかったなー、もう一個たべよっかなー、などと考えているに違いない。
「う、うあ? う、うわああああ!」
一言叫んで、ぐりん! と回れ右した芽衣が、真っ赤な顔のまま私の胸に顔を埋めた。時が止まった気がした。
・・・これは、あれですか。
おあずけ、返上。
おさそい、来来。
これは、間違いなく、おさそいですね! 芽衣の腰を抱き寄せて、真っ赤に染まった顔に、いざ、接近!
「ご、ノルディしゃまっ! と、とめて、とめてくださ・・・」
「・・・はい?(ここで、寸止めですか?)」
唇まであと三ミリだったのに・・・ああ、目から水が・・・だが、何事かと、芽衣の指し示す先に目をやれば。
そんな感傷なんかふっとんだ。
「な、ぬなああああっ!」
慌てて芽衣の耳を塞ぐ。ついでに深く抱き込んだ。
失念していた。
・・・そうさ。上位種といえども理性の強い者もいれば、弱い者もいる。
まさに私たち二人の視線の先で、盛った牡羊が、豹変、していた。
恋人に牧草を贈って受け入れてもらったのだろう。嬉しいのは判る。判るがしかし、芽衣の目の前で豹変するな。羊の本能のままに圧し掛かるな。雌羊も嬉しいのは判る。判るが・・・受け入れるなあああああ!!!
雌羊は、壁に押し当てられて真っ赤な衣装をめくられて、うしろから挑まれていた。
「あ、ん! あん! ああん!」
雌羊が喘ぐたび、湿った音が広間に響く。それを聞くまいと涙目になった芽衣が私の胸に顔をうずめた。しかし、気になるのだろう。
ぐ、ちゅん! と音が鳴るたび、芽衣の肩が揺れる。
ああん! と声が響くたび芽衣が、所在なさげに身を縮め腰を揺らす。
「・・・う、」
芽衣の尻肉に挟みこまれた息子も揺れる、なんて心地よすぎる地獄。
真っ赤な顔で目線が揺れる。揺れた先でまた一組、触発されたのか、始めてしまった。
「ひぃ、ま、ままま、まって・・・」
目をつぶり、耳を塞ぐも、漏れ聞こえる淫靡な吐息、生々しい水音。
右を見れば、盛った牡羊に押し倒された雌羊の姿。
左を見れば、ミニスカートの中に頭突っ込んだ牡羊の姿。
そして、まん前を見れば、膝の上に愛しい娘。
慌てている場合じゃ、ない。
・・・羊族の上位種、ノルディさんは、なんか一本突き抜けたようです。
さっと芽衣を抱き上げると、広間の影に移動した。カーテンを止めてた紐を引っ張り、紗を下ろすと中にこもる。
声や生々しい水音はまだ聞こえるが、直接視覚に訴えられないまだマシだった。そして、なにより。
「・・・芽衣のあられもない姿は誰にも見せません」
・・・おやおや、ノルディさんったら、とうとう芽衣を喰う気になったようです。
羊の癖にぎんぎんに張った一物が存在をうったえています。
「芽衣。わたしを全部あなたに捧げます。お願いです、どうか、私のつがいになって下さい」
ぐっと抱き上げ芽衣の瞳を見つめながら、そう、切り出した。
広間での破廉恥な悪魔のいざないに、めまいがした! 止めようもない本能の熱気。
そうさ、しょせん、私は獣。
ケダモノが理性と戦っていてどうするのだ!
本能の赴くままに、生存の証明を示さなくてどうするのだ!
「どうです? 全部あなたのものですよ。舐めようがかじろうが吸い上げようが絡めようが、どうぞ、お好きに」
芽衣の耳元で囁きながら、淫猥な笑みを浮かべる。
「うはああああああ」
真っ赤に染まった顔を隠しもせず、逃げを図る芽衣の前で、優雅に、変化、した。
「毛皮、お好きでしょう? 角も、尻尾も股間のぴーーーーーも、ぜーんぶあなたのものですよ・・・?」
「きゃはあああああん、もふもふうううううう!」
逃げを図っていたはずの芽衣が、踵を返し、勢いよく飛び込んできた。
・・・ふ。勝った。
「気になるでしょう? 触れたらどう変化するのか、硬くなるのか熱くなるのか柔らかく蕩けるのか弾けるのかはずむのか・・・指だけじゃなくその舌で確かめても・・・」
ついでに私もあなたのからだの隅々まで確かめますがね。ええ、もうそりゃ、指と言わず舌といわず、猛り狂ったぴーーーーーーでね!
「もふっ! もふりたいです! 撫で回して、舐めまくりたいです! もふりたおして反応を確かめ・・・もとい実践したいです!」
まず手始めに。
芽衣が顔を上げ宣言、した。
「…本によくあるとおり、後ろに指突っ込んで、前立腺を嬲ると男性自身って本当に勃つんでしょうか!?」
ってか、前立腺って、触っただけでわかるもんなのですか?
「・・・・・・」
ひよこがぴいぴよ。
「ずーっと謎だったんです! どこを舐めればおっきくなるのか、どこを刺激したらいい声で泣くのかとか、どこを押せば反応するのかなんて、本を舐めるように読み込んでも、依然としてベールの彼方なんです! だってわたし処女だし!」
・・・うん。まあ・・・。
襲うより、襲われたほうが良い様な気がしました・・・。
「・・・では、どうぞ」
「うわはあああああ!」
ですが、芽衣。
ただ、ヤられるだけのわたしじゃ、ありませんからね?
覚悟、なさい。