表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

Third rank

生々しい辛さをダイレクトに感じたいあなたへ

その日は朝から雨が降っていてジメジメしていた。そのせいか元々髪がテンパだった僕は朝、鏡の前でどんなに髪を整えようとしてもうまくいかなかった。だから髪にドライヤーをかけて櫛で溶かした。しかし、うまく髪がセットできず前髪が上に持ち上がった状態で固定されたためハゲのようになってしまった。髪のセットで時間がかかったため、遅刻ギリギリの時間に家を出るハメになった。当然僕の髪はハゲかけのように見える状態のためカーブミラーやマンションに映った自分の髪を見ながら整えようと励ハゲんでいた。しかし、通学路の途中にある小学校の時計を見て全力で走って遅刻するかしないか五分五分の時間まで迫っていることに気づいた。そして僕は全力で学校まで走り続けた。結果として遅刻はしなかった。しかし、登校中車のなかにいるおっさんと目を合わせてまで整えた私の髪がさらに禿げていた。死んだ魚のような目で昼休みまでを過ごした。幸いにも(?)僕が学校に着いた後、すぐに晴れ始めたため昼休みは運動場が開放されていた。僕はそのときサッカーにハマっていたのだ。(W杯で好きになったゴリゴリのミーハー)クラスにいた唯一の仲良い友達A Kくんと他クラスの仲間たちと共に前髪を気にせずボールを蹴りまくった。雨が朝まで降っていたため運動場は泥沼ZONEが多かった。だから僕は当て鬼を提案した。当て鬼だと鬼がボールを持つためボールが泥で汚れず健全に遊ぶことができるだろうと思ったのだ。今思うとこれが浅はかな考えだった。

じゃんけんをして負けて鬼になったSくんは陸上部部長でありとてつもなく足が速かった。

僕はそいつに目をつけられボールを持って追いかけ回された。けど僕には秘策があった。それは、カーブだ。どんなに足の速いやつでもカーブを上手く使えればボールだって当てられないし追い付かれることはない。

初めのうちはカーブでうまく避けることができた。だが僕は知らなかった。自分が泥沼の上でカーブをしていることに。

ニチャニチャとSを煽りながらカーブをまたしようとすると天地がひっくり返った。

こうして僕の浅はかな秘策は砕け散った。

汗を流しながらグラウンドに寝っ転がることは不思議と気分は悪くなく束の間サッカー漫画の主人公にでもなっているかのような気分になった。しばらくして、自分が寝っ転がっているのは泥沼の上で自分はサッカーではなく当て鬼をしていることに気づいた。

近くの手洗い場で持っているハンカチを駆使しながら必死にブレザーやズボンを煽っているとA KくんやSくんなど一緒に遊んでいた仲間たちが駆けつけてきた。その中の一人であるaくんはサイコ野郎でずっと声を出して笑っていた。僕は一旦教室に戻り着替え(幸い体育があって体操服を持ってきていた)をとってきてトイレで着替えることにした。

〜トイレ〜

休み時間にトイレに行くといつも見かける特別教室の?くんがやっぱりいつものようにお花を摘んでいた。

〜教室にて〜

着替えていたせいで五限目ギリギリになってしまい慌ててワークプリントが入っているファイルをバックから取り出して自分の席(窓側前から二番目の主人公席)に駆け出した。

慌てて席に戻ったはずみにファイルの中から僕の小学三年生の頃に考えたオリジナルキャラ(幽遊白書の飛影がモデル)のモードチェンジする前と後が描かれた紙がクラスのイケイケメンバーの元へと舞い降りた。

僕は物持ちが良かったため小学生の時に使っていたファイルをいまだに使っていたのだ。体感10分後A Kくんが僕のオリキャラを僕のもとへ届けてくれた。その瞬間背筋が凍った。ふと後ろを振り返るとイケイケメンバーと目が合った。あるものはニチャニチャし始めてあるものは僕と目を逸らした。頭が一瞬真っ白になって死にたくなった。開き直って授業に集中した。

〜帰りの会にて〜

先生がみんなの前で僕がジャージなことについて突っ込んできて、制服に戻らないの?と言ってきた。

そして僕は真面目に答えた 「今日はもう、戻れません」 なぜかクラスが笑いの渦に包まれた。そのご先生にいくつかこうなった経緯について質問されたためクラスのみんなの誤解を解くことができた。これは不幸中の幸いだった。

後で友人AKに笑いが起こったわけを聞いてみたところ 急にジャージになったやつが先生に向かって 今日はもう、戻りません!キリ!!

って急に制服にもどらない宣言し出したやつ見て笑わないやつおる?だそうだ。

僕は滑舌が悪かったため戻れませんが戻りませんに聞こえたそうだ。真面目に言ったのが良かったらしい。

その後、先生や家族からはいじめが疑われた。そのときサイコ野郎のaくんが脳裏に浮かんだけど彼は何もしていないから何も言わなかった。


おわり

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ