1話 死んだ同級生
その日、目の前で同級生が死んだ。
居眠り運転のトラックが信号を無視して歩道に突っ込んできた。
その時に巻き込まれたのがクラスメイトの同級生だ。
彼女とは会話をした事も目を合わした事もなかったが、美人で可愛い事で有名だったから自然と認識していた。
彼女の名前は西条灯火。
ボクと同じ双月高校に通う1年生。
SNSや動画配信などの活動を行っているらしく、最近ではテレビにも出演する事が増えていたらしい。
そんな平凡なボクと違って煌びやかな人生を送っていた筈の彼女は今日、ボクの目の前で儚くも命を落とした。
◇ ◆ ◇ ◆
「おはよう」
翌日、クラスでは友人も少なく挨拶を交わす相手もいないボクにクラスメイトの1人が挨拶をしてきた。
彼女の名前は西条灯火。
昨日の放課後に事故に合って死んだ同級生だった。
死んだ筈の人間が当たり前のように目の前で挨拶をしてきたものだから脳の処理が追い付かずフリーズする。
「大杉平治くん、だよね? 急でゴメンなんだけど今日のお昼一緒にご飯でも食べない?」
その日、教室ないで今までにないどよめきの声が湧き上がった。