第二十四話「前途多難」
「俺たちは、高濃度魔子空間を突破して何とか地底世界に辿り着いた俺たち。ゴーレムトレインをゴーレム装甲車へと変形させて移動中、まさかのティラノサウルスと遭遇し、殴り飛ばされた俺たち。装甲車から投げ出されたハダンが絶体絶命!
それを救ったのは、何と三つ首竜に乗った地底の先住者、内住者のサンゴであった。
ティラノサウルスに受けたダメージを回復しようとする俺たちは、彼女の住居に身を寄せるのだった」
「テフノ、あんた誰に対して今までの状況をまとめているんだい?」
後ろからするマベッツの呆れた声を聴きながら、俺は目の前の格子を掴む。
「ありがとうって思った矢先にこれだよ! どーいうことだよサンゴ!!」
俺たちは今、檻の中にいた。
サンゴに連れられて辿り着いた集落は、山岳部に築かれた集落で、地下世界の雲より高いその場所は、まさしく天空都市。
「いやぁ、さすがに表から来た者たちを、そう簡単に信用できないというか、しちゃいけないって言われたからさ。すまないね」
「さほど罪悪感を感じているように見えないんだけど」
「いや。助けたわたしが言うのもなんだけど、疑って当然だったな、と」
「ごもっとも」
彼女の言葉に俺の方が納得してしまう。
そもそも、考えてみれば初代魔王とやらも、もともと地下から追放された者だったと言う話だ。少なくとも、地下世界の住人が地上世界の住人を歓迎するはずがない。
「君たち的に言えば、表の奴は人間の味方で、自分たちの味方ではないかもしれないってことだよな」
「まぁそう言うことだね。ここは裏の世界。表に居られなかった者たちが辿り着いた、いや、表から追い出された者たちが集う場所でもある」
「追い出された?」
「ある犯罪を犯した者がいた。そいつの処刑を行うとき、何処よりも深い穴に落とされた。這い上がって来た者はおらず、底を見たものはいない。そんな場所に落とされれば、誰もが死んだと思う」
「実際は、表の世界から裏の世界へと辿り着いただけだった。ってオチか」
「その通り」
神隠しや異世界転生みたいなものだ。そうしてやって来た見知らぬ誰かを簡単に信用できない。特に、争い合う関係の世界からの来訪者となれば当然だ。
「そう言いつつ、サンゴはあまり俺たちを疑う気がないみたいだな」
「はは、地竜に追いかけられている姿を見たら、君たちが何か壮大な計画を持って侵攻してきた先遣隊なんて思えなくてね」
「そう思ってくれるなら、何とか出してくれよ」
「うーん、わたしにそんな権限はないかな」
肩をすくめ、うっすら笑みを浮かべる彼女は、とりあえずルツたちのために冷えた水と布を持ってきてくれた。
少しでも気に入っていただけたら幸いです。
評価、感想、ブックマーク、どんなものでも大歓迎ですので、お気軽にどうぞ。




