第十六話「守護者との邂逅」.1
樹海の守護者スプリガン。
彼らのことを探して地下を進み、よさげなところで地上に顔を出す。やり方が、まるでデフォルメされたモグラだが、気にすることではない。
ゴーレムトレインを完全に地面へ出すと、ハッチを解放。乗っていた三人を降ろす。
「ルツ、言われた通りの距離感で進んできたけど、この辺りで合ってるか?」
「わたしも実際に訪れたことはないので、確実にここだ! とは断言できないんです。話に聞いていた場所も、だいたいその辺り、でしたから」
「リスボンのほうでは、何か聞いたことないか? ハダン」
「ボクたちも確実なことは言えません。人魔統一国家成立後は、特に彼らはそれまでの交流もほとんどなくなってしまっていて……」
つまり、基本的に情報が足りていない。
「父トバルより、スプリガンたちの里を探す時は、環状列石を探すようにと言われています。南へ一日、円く並んだ石の上に立ち、彼らの導きに従え、と」
「それで、サイクロプスの里から南方向へ、約六十キロ程進んだわけだけど」
南へ一日。個々人の感覚で一日は違うし、進める距離も違う。それでも辿り着けると、スプリガンたちはサイクロプスやリスボンを信頼しているのだろう。
ゴーレムトレインから離脱し分解。凧型二十四面体の体を転がして地面に触れると、周囲にレーダー波を放出する。音波探知、熱紋探知なども同時に行えば、周辺領域がマッピングされていく。
虚空情報統合体からダウンロードした惑星データにさらに細かいデータを更新していく。誰が最初にこのデータを構築したのかは知らないが、ちょっとだけ地震波探査で調べた程度にも思える。
「うーん、だけど、妙に細かい部分も存在するんだよな……」
特に別の大陸に関する情報が多い。
そのことに、一つ仮説が浮かぶ。
「俺以外に、虚空情報統合体にアクセスできる転生者がいて、途中まで作ってたのか?」
少なくとも、ダウンロード後のアップデートはない。もしかしたら突然アップデートが起きるかもしれないが、そうなったら確定だ。虚空情報統合体には、ダウンロードだけでなくアップロードもできるし、その権利は俺だけじゃない。
「共有情報には気を付けないとな。ともかく、まずは調査完了だ」
「見つかりましたら、テフノ様」
ルツに抱きかかえられた俺は、空中にマップを投影する。
「とりあえず君の言っていた環状列石は見つかった。樹海の中に空き地があって、そこに形成されていた。どうやら、もう少し南だったようだ」
「うむ、スプリガンの歩幅を考えると、半日で進める距離などこの程度かと思っておったが。存外進むの」
「多分、サイクロプスに合わせて距離を伝えていたんじゃないか?」
つまり、彼らの足で半日。だからもっと南だったのだ。しかし、移動する方向を間違えたら素通りしてしまいそうだが。
ひとまず、見つけるべきものは見つけられた。
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