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第十三話「地下世界へ向けて」.1



「それで、これから具体的にどうするかだけど」

「なんじゃ、まだなんか話し合うことでもあったか?」


 サイクロプスたちの歓迎会の宴の中、俺はマベッツとルツ、そしてハダンを前にしていた。トバルは宴の中心になるべきものなので、今この場にはいない。

 彼はリスボンたちへの贖罪のためにこれから生きると誓ったので、今の彼の代弁者はリスボンのまとめ役であるハダンであり、主は俺である。


「地上は物騒な状況だと言うことがわかってきた。人魔統一国家とやらは確かに大きな力を持って平和なようだが、全てを治められているわけじゃないし、俺がこれ以上何以下しようとすれば、反抗勢力扱いされかねない。そのためにミシュは釘を刺しに来たわけだろうからな」

「そうじゃの。バージュリタは今や大陸最大勢力ではあるものの、火種をいくつか抱えておる。ましてポリュペウス山脈以西には、その勢力も及んでおらん」

「そっちには何が?」

「竜と悪魔と天使と巨人と仙人たちが飽きもせず三千年間争っておる」


 それは絶対に介入したくない。


「ならなおさらだ。地下に住もう」


 俺の言葉に、ルツとハダンはポカンとしている。

 マベッツはそうじゃの、と頷くか、難しそうな顔をしている。


「あ、あの、テフノ様。テフノ様はゴーレムでありますからよいかもしれませんが、我々サイクロプスやリスボンには、少々難しいのではないでしょうか?」

「地下となると居住空間は限られますし、食料の生産も、どうしたって太陽の恵み、雨の恵みが必要になります。そんな急に言われても――」

「ああ、もちろんすぐにってわけじゃないし、ちゃんと調査してからだよ。心配しないでくれ。生活の基準は、最低限サイクロプスの今までの生活に合わせるから」


 俺の言葉に、二人はほっとする。そりゃそうだ。いきなり住むことも困難な場所に引っ越ししようなんて言われて、はいわかりましたと言えるはずがない。


「具体的に言うとな、サイクロプスの里に向かうときに通った地下で、さらに下層に空間らしきものがあることを感知したんだ」

「地下空洞、ということですか?」

「ああ。本来なら高熱でみんなが暮らしていくなんて到底できそうにない空間だが、そこは温度が低く、地上と同じくらいのようだった。詳しく調べてみないと何とも言えないが、もしかしたら地上と同じように暮らしている者がいるかもしれない」


 地球空洞説――まさかその実在を異世界で実感することになるとは思わなかった。

 初めてこの世界で目を覚ました時、地下で潰れた俺は、地球の空洞のどこかに落ちたのかと思ったりもしたのだが、もちろん地球にそんなものはありはしない。

 だが、この異世界には存在するかもしれない。

 そのわくわくを抑えながら、俺は説明を続けた。



少しでも気に入っていただけたら幸いです。




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