第七話「決着へ」.1
俺は倒れたマベッツを生成した腕で、リスボンの集落へと運んだ。
そこには傷ついたトバルも並んでおり、村の空き地にヒトだかりができていた。
「ゴーレム・コア殿、これは一体……。サイクロプスを誅罰してくださった際に、リッチ殿が負傷を?」
「いや。サイクロプスもまた、被害者だ。今回の騒動には、いろいろ厄介な奴が絡んでいるらしい」
トバルを運んできた二人のサイクロプスは、村の外に待機してもらっている。ここで余計な争いごとが起きる前に、両種族の対立は解決しておかなくては。
「みんな、聞いて欲しい」
トバルの腹の上を借りて、俺はリスボンのみんなへ話しかける。小さな種族は俺の方を向き、不安げな表情で聞いていた。
「今回、サイクルプスたちが襲ってきた理由は、彼らの集落が襲撃を受けたからだ。それも、リスボンたちに送った自分たちの武器で、部族の仲間を、特にこのトバルという男は、娘を傷つけられた」
少なからず同情の余地のある内容だ。リスボンたちは顔を見合わせる。
「そして、その犯人はわざわざこの村にまで逃げて、リスボンたちに罪をかぶせた。奴はわざわざ名前まで名乗った。ウォヘブ・アオバ、こいつが、今回の騒動の黒幕だ」
「そいつは俺も見ている! ゴーレム殿とリッチ殿に黒焦げにされながら生きていたその魔人は、俺たち異種族間で戦争を起こさせるのが狙いだと、自ら語っていた!」
俺に続いてくれたのは、リスボンのハダンだ。助けてくれたけど見知らぬ俺より、よく知っていて見知ったハダンからの言葉のほうが、信頼に値する。
「サイクロプスたちも被害者なんだ。俺たちが戦うべきは、あの魔人だ!」
確かに、サイクロプスの襲撃でリスボンたちは少なからず被害を受けた。それでも、彼らは恨むべき敵を間違いはしない。
「ゴーレム殿、どうか我らを導いてくださらぬか。我らは、いかにすればよろしいか」
「え、俺?」
話の流れが奇妙な方向から戻ってきた。どうしてと思うと、マベッツがわずかに体を起こした。
「リスボンは忠義に厚い。逆に言えば、誰かに指示を受けて最も力を出せる。今代に選ばれたのは、そなたのようじゃな」
乾燥した顔で笑うマベッツに、俺は痒くもないのに三本指で頭をかく。
助けた者には、助けた者なりの責任がある。見捨てることができたのにそうしなかったのなら、これからも助け続けなくてはならない。
「わかった。じゃあ、まずすべきことを確認しようか。マベッツ、君を回復させることから始めようか」
「ああ、なら良い方法があるぞ」
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