表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】Memory lane 記憶の旅  作者: 星野木 佐ノ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/113

第42話(1)

いつも読んで頂き、ありがとうございます。





 自分が両親を殺した?


 ツツジの垣根に身を隠し、屈んで話しを聞いていた祐介は、身体を震わせた。


 街灯の青白い光が、垣根の奥を僅かに照らしている。その薄暗い明かりの中で、土のついた自分の両手を見つめた。

 震える両手は何の感覚もなく、耳さえ遠のいて感じる。しかし、新しい人物の声に身体を硬直させると、耳は自然と会話に注意を向けた。

 宗太郎の声だと分かり、益々身を固くする中、要が静かに宗太郎の質問に答え始めた。 


「俺から連絡をすれば、きっとあなたは警戒をするだろうと思ったんです。真実を話してもらうには、祐介から連絡をしてもらった方が、何の壁もなくあなたと会話が出来ると思った」


「私は壁など作ってはいないよ。今も、昔も」


「いや、自己催眠という壁がある。昔、俺があなたの犯した罪に全く気がつかなかったのは、俺自身が病んでいたせいもあるでしょうけど、あなたが、自身に念入りに自己催眠をかけていたからです。事件について、自分は何も知らない、とでもかけたんでしょう。あの頃、俺は人に触れなくても、心の中を読むことが出来ていた。俺の父親が、あなたにその説明をしていたはずです。それを聞いたあなたは、俺を受け入れるかどうか悩んだはずだ。でも、結局は受け入れた。きっと父親の熱心な願いに応えてくれたんでしょう。それとも、自身の催眠力を試してみたかったのか」


 宗太郎は静かに低い笑い声をたてた。


「私が一体どんな罪を犯したと言うんだ?」


「祐介の両親を殺したのは、あなたですね」


 祐介は息を飲み込んだ。思わず声が漏れそうになり、両手で口を押さえる。恐る恐る、垣根の隙間から様子をうかがったが、宗介も宗太郎も、こちらに気がついた様子はない。


 祐介はそのまま口を塞いで耳を澄ませた。





最後まで読んで頂き、ありがとうございます!


同時進行でbooks & cafeが舞台の現代恋愛小説

『光の或る方へ』更新中!

https://ncode.syosetu.com/n0998hv/




「続きが気になる」という方はブックマークや☆など今後の励みになりますので、応援よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ