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2施設の探索

私が目覚めた世界は滅んでいた。あらゆる文明が風化して白い砂になっていた。


私がいた施設も廃墟同然の状態だった。地下室に供給されていたエネルギーはいつから尽きていたのだろう。もし、あと数時間目覚めるのが遅かったら、他の機体、姉妹機たちと同じく目覚めることはなかっただろう。


私は奇跡的に稼働できた。エネルギーは首筋の差込口からケーブルを通しての充電方法に加えて、肌からの太陽光発電と口からのバイオマス発電などができる。


私は白い砂の上を歩きながら太陽の光を浴びた。


元々どういった場所だったのだろうか。大きなビルが倒壊しているので、もしかしたら都市部だったのかもしれない。


私の目的は人類の救済だった。しかし救うべき人類がいない以上、この目的は達成できない。


夜になり、私は一度、地下室があった施設に戻った。


施設の中を歩き回り、何かこの都市についての記録がないか探した。


階段を昇り、オフィスを見つけた。コンピュータや書類はひとつとしてまともに残っていなかった。


デスクのひとつを選んで座った。


私は手の平を合わせて、離す。手と手の間から発色する電子空間が生起された。


電子空間を拡大させてデスクを(おお)った。


かすかにある残留思念(ざんりゅうしねん)をサンプリングして、電子空間上で過去の状態を再現する。デスクにあるコンピュータが当時使われていた状態に再現された。


私のエネルギーを電子空間を通してコンピュータに流し込み、電源をつける。画面が表示された。


パスワード入力の画面になる。私はコンピュータに付着した所有者の残留思念を読み解いて、電子空間上で再現する。所有者がコンピュータのパスワードを打つ映像が、三次元的に再生された。そこから私はパスワードを入力して、使えるようにした。


コンピュータを操作して、残った情報を閲覧する。ここはアンドロイド、つまり私のような存在を制作していたらしい。まあ、分かり切ったことか。


私はこの会社の最終形と呼ばれる機体で、生き残った人類を救済するために作られた。つまり私が作られた時点で、人類は絶滅する直前だったようだ。


コンピュータには世界各国のシェルターの位置が残されていた。


よし、ついに手がかりを見つけた。


コンピュータを電子化して入手する。


私はこの施設から最も近いシェルターを目指した。

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