表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/14

第12話.アリスと秘策

第12話.アリスと秘策



「お姉様、贈り物ってどうしましょうか」

「うーん、そうね。でもキツネさんの言う通り、身につけるものは良くないと思うわ」


身につけるものを素人が作るのは無謀すぎるだろうし、タヌキの趣味とか知らないし。


「そもそも、裁縫とか小物作りとか、何一つ得意じゃないからね」

「は、はい」

「では、やっぱり長く使うものでなくて、雲のように消えるものが良いですよね」

「そうね。消える、消える……消えるもの」


んーっと背中を伸ばしながら考える。一つの考えが、頭の上で閃いた。


「それだ!消えるもの、身につけるものではなく、そう!お菓子だ、お菓子なのよ!」

「お、お菓子ですか?」

「ふふふふっ。そう、お茶会だしちょうど良いんじゃなくて」


そうだ現代知識を活かして、この大正時代では珍しいお菓子を作るんだ!そうすれば、タヌキもこんなの食べた事ないと大絶賛。確実に勝てる!


「あの、お姉様。私は、あんまりお菓子作るというのは経験がないのですが」

「大丈夫。私に任せなさい!


そう俺には、カリスマ声優である中村神一(なかむらじんいち)の記憶がある。何気に甘党である俺は、ケーキバイキングに一人で入るほどの強者(つわもの)だった。


「令和最新版の洋菓子、味わわせてあげるわ!」

「なんだかわかりませんけど、お姉様!カッコいいです」

「よし、そうと決まったら早速試作品作りに取り掛かりましょう!有栖川の屋敷に道具は揃っているだろうから、クマさん手伝ってね」

「お、お姉様のおうちに……はっ、はい!お供します!」


俺たちは意気揚々と材料を買い込み、有栖川キッチンにて秘策の洋菓子作りをスタートしたのだった。



……



「あ、あの。お姉様。これって一体、何というお菓子なのですか?」

「これは、ティラミス」

「てらみす」

「そう、食べて見て」


試作品第一号、ティラミスをクマさんに試食させる。俺は作る係、試食はクマさんが担当だ。


「とにかく苦いです」

「……」


予想外の言葉が返ってきた。


「あ、あの、全部食べないといけませんか」

「いや、いい。これは失敗だ。ふみの夜食にしよう」


アリスの作ったティラミスは失敗だった。令和の知識を持ち、数々の洋菓子店を制覇した中村神一ことアリスだったが、ひとつだけ盲点があったのだ。


「食べたことはあるけど、作った事はないんだった……」


アリスは頭を抱えたまましゃがみ込んだ。散々食べた名店のティラミスだ、空で見た目と味は思い出せるが、作り方については全くわからないのだ。とにかくそれっぽい色になるように色々工夫して見たが、良い結果は得られなかった。当然である、人生初めてのお菓子作りなのだから。せめて小学校の時の調理実習は真面目にやるべきだった。


「ティラミスってね、なんだか白っぽいケーキみたいなのの上に、黒い粉状の物が層を作っているの」

「は、はい」


それは思い出せる。だが、まずケーキの作り方がわからない。牛乳と卵を、そして謎の粉を使っているようなイメージがあるので、小麦粉と牛乳と卵を混ぜて焼いて見たが、どうにもならない。卵焼きっぽい見た目からして違和感があるが、試作品だから良しとした。

そして問題は上に乗っている黒い粉。チョコか?いや、コーヒーの感じがした。とにかくコーヒーの粉をさっきの卵焼きの上に振りかけて完成としたのだが。


「苦かった?」

「はい。上の、あのコーヒーってそのまま食べるものじゃないですよね。淹れて飲むものじゃ……」

「待って、インスピレーションが降りてきそうだからちょっとまって」


少し目線を空に追いやって、考える。何か見落としている、お菓子作りに大切な何か。そうか!


「そうよ。何かで見たのだけど、お菓子作りって金属の棒みたいなやつで、兎に角必死に混ぜていたわ」

「ま、混ぜる?」

「そう。多分ケーキにならないのはそれが原因。粉と牛乳と、卵、それを金属の棒で混ぜるのよ」


自信満々にクマさんにそう言った。お菓子を作ってキツネを見返してやると宣言したのだ、こんなところで後退は許されない。


「なるほど、では金属の棒が必要なのですね」

「そうね。すぐには手に入らないでしょうから、金属棒はふみに頼んでおきましょう。続きは明日。今度はお砂糖も入れて作ってみましょうね」

「はい!それにしても、さすがお姉様。西洋のお菓子を自分で作るなんて発想がすごいです」

「ふふふ。ともかく頑張って成功させましょうね」

「はい!」


こうして、お茶会には洋菓子を作って持っていく事を決めた。あとはレシピが期日までに間に合うか、それだけが勝負である。

時間との勝負、果たして。




………………




※筆者もお菓子作りなど一度もした事がありません。アリスと共に想像とインスピレーションで完成させようと思います。

きっと大正時代のアイテムで最高のお菓子が完成できると思いますので応援よろしくお願いします。

金属の謎の棒でかちゃかちゃやったら多分できますよね。お菓子が完成できなければ、お好み焼きにシフトする可能性があります。悪しからず。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ