表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

俺ロリコンじゃないから、君達とはお付き合いできません!

作者: 心乃助(未熟者)

 ラブコメ書きてーなー。


 結果:どうしてこうなったし。

「わ、わたしと、け、けっこんして、ください!」


 俺、『荒蒔(あらまき) 健也(けんや)(17)』は、生まれて初めて告白された。


 自分よりも十歳年下の女の子に。


「だ、だめ、ですか?」


 だめです。絵面的にアウトです。


 念のために言っておこう。俺はロリコンではない。なので幼女に告白されても全然嬉しくもないし何も感じない。


 だが、ここで断ってしまったら、きっとこの子は傷付くだろう。


 なので俺は在り来たりな口約束をした。


「そ、そうだね。十年待つよ」


「じゅうねん?」


「そう! 君の今の年齢では俺と結婚する事はできない! そこでだ! もしも十年経っても俺の事覚えてたら君と結婚することを約束しよう!」


 うわ、早口で言ってしまった。これちゃんと伝わったかな?


「やくそく……うん! わかった!」


 眩しい! キラキラと輝かせる彼女の瞳が眩しい!


「じゃあ、じゅうねんごにまたあおうね! けんやおにいちゃーん!」


 そう言って、彼女は帰っていった。


 ……よし、逃げることができた。


 七歳の幼女が十年後の約束なんて覚えているわけがない。


 しかも、一人で寂しく公園で遊んでたから、仕方なく一緒に遊んであげた程度で結婚とかほざく辺りガキはガキだな。


 大事な事なのでもう一度言うが、俺はロリコンではない。


 




 それから十年後。


 俺は普通のサラリーマンとして社会人生活を送っていた。


 当然、十年前の約束なんて忘れて。


「あー、労働法が改正されてから残業減ってきたなー」


 一人、定時で上がり、一人暮らししているアパートまで帰る最中であった。


 今年で27歳になってしまったが、未だに恋人ができていない。


 むしろ初恋すらしていない。


 三十路手前で恋愛経験ゼロの童貞。最近の日本ではそう言う人が増えてはいるが、もう少しで30歳になると思うと、さすがに焦る気持ちがなくもない。


「はー、俺、このまま独身として一生を終えるのかなー」


 そんな愚痴をこぼしていると、背後から誰かに呼び止められた。


「あ、荒蒔 健也さん。ですか?」


「え?」


 振り返ると、そこには茶髪でロングなストレートヘアーの女子高生が立っていた。


「……えーと、誰かな?」


「わ、忘れたのですか!? 私ですよ私!」


「ワタシワタシ詐欺?」


「ち・が・い・ま・すー!!」


「冗談だよ」


 うーん、この子、どこかで会った事あったか? どことなく見覚えがあるような……。


「私です! 十年前に約束をした『真路(しころ) 真奈(まな)』です!」


 真路 真奈? ……あ。


「あー真奈ちゃん!? 昔公園で一緒に遊んだ!」


「思い出してくれましたか! 嬉しいです!」


 思い出した思い出した。俺が高校生の時に一緒に遊んだ真奈ちゃんだ!


「いやー全然気付かなかったよ! あの真奈ちゃんがこんなにも大きくなって美人になってるんだから!」


「そ、そんな、美人だなんて……」


 お、顔が赤くなってる。かわいいな。


「てか、よく俺の事わかったね」


「はい! ずっと監視してましたから!」


「そうかそうか、監視を……へ?」


「だって、十年前にあの約束をしてからずっと健也さんの事を見てましたから」


 え? なに? 監視? 約束? なんのこと?


「もちろん、覚えてますよね? 十年前の約束」


 十年前、約束、なんだっけ?


 てか、この子今怖い事言わなかった?


「さぁさぁ、ちゃんとあの約束を覚えていましたよ! だから私と……」


「ちょーーーーーーーと待ったーーーーーーー!!」


 と、今度は別の女の子の声が聞こえたので、声が聞こえた方を見ると、そこにはヘリコプターが空中でホバリングしていた。


「な、な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!?」


 街の中ですぐ目の前にヘリがあって、ヘリの横のドアからこちらを見下ろす金髪の少女が一人。


「おーほほほ! お迎えに上がりましたよ荒蒔 健也! 十年前の約束を果たしに来ましたわよ!」


 な、なんなんだこの高飛車な感じのお嬢様な女子高生は!?


 しかもパンツ見えてる!


「な、誰ですかアナタは!?」


「アナタこそ誰ですか。今すぐ健也から離れなさい! このどこにでもいるようなモブ庶民!」


 真奈ちゃんと謎のお嬢様が言い争ってる。


 十年前の約束って、なんなんだよー!


「健也」


「ひっ!?」


 背後からまた別の女の子の声が聞こえたので振り返ると、今度は黒髪眼鏡の女の子が立っていた。


「だ、誰?」


「誰だなんて、水臭い。十年前の約束を果たしに来ただけ」


 な、なんなんだこの状況。十年前、約束?





 ……あ、ああああああああああああ!?



 やっと思い出した。そうだ、俺は真奈ちゃんと結婚する約束をして、そして他の女の子にも同じ約束をしてその場逃れをしてきたのを思い出した!


 当時の俺は、やたらと十歳年下の幼女に好かれやすくて、そしてその度に告白されていたんだけど、事あるごとに守る気もない約束をして逃げ続けてきたのをやっと思い出した!!


 あの金髪のお嬢様も、黒髪の子も、十年前に知り合って、仲良くなって告白してきた子達じゃないか!?


 こ、この三人、あんな約束を真に受けて、ずっと覚えていたのか!?


「これはどういう事ですか健也さん!」


「この女は誰ですの健也!」


「健也、わたしと結婚式、上げる」


 あ、あぁ……。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 逃げた。俺は逃げた。なんでこんなことになったのか分からないが、俺には一つ言える事がある。


「俺ロリコンじゃないから、君達とはお付き合いできません!!」


 俺が全速力で逃げる中、三人の女の子は俺の事を追い掛けてきた。


「待ってください健也さん! 久し振りに再会できたのですからお話だけでも!」


「待ちなさい健也! アナタは私のお婿さんになるのよ!」


「健也、逃げるの、卑怯」


「来るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 こうして俺は、十歳年下の三人の女の子に結婚を迫られる日々を送ることとなるのであった。

 16年前に年下の子に告白された経験が実際にあったのだが、その子を異性として全く見ることができなかったので「じゃあ十年後も僕のこと覚えてたら考えておくよ」と言って逃げた事がある。

んで、実際に十年以上経っているけど彼女が現れる気配はないし、今どこで何してるのかは知らない。

やっぱ十年も約束を覚えるのって、小さい子供には難しかったのかなーと、思いながら書きました。

いやー、ラブコメ初挑戦ですが、個人的にはイマイチな感じなので、もう少しラブコメの勉強をしておきます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 10年間の彼女たちの行動が気になる小説でした。 今後、どう転ぶか楽しみたいです。 [一言] 続きを読みたいです!
[良い点] 若干の難点は有るものの、【連載の第一話】としては(大筋)合格ではないでしょうか。 叶うなら【連載での続き】が読んでみたいかも。 [一言] がむばれ、色々と。(何)
2019/11/03 23:48 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ