宝箱の中身が気にニャってしかたがニャいの巻
たっぷり温泉に入って、3匹は元気に宝箱と鍵を持って帰りました。
「ニャか身はニャにかニャ~?」
お城で猫野様を待つ間、ニャオは宝箱の中身が気に入って仕方がありません。
ニャオが宝箱をくんくん嗅いで、その周りをうろうろしていると、ニャンとニャニャが言いました。
「きっとこの中には、数量限定猫の城レア模型が入ってるんだよ。」
「違うよ、きっと期間限定超高級マタタビキノコが入ってるんだよ。」
そこへ、猫野様がやって来ました。
「ようやく戻ったかニャニャン!」
「猫野様、お宝を盗み出して参りました!」
「よくやったぞ!」
何はともあれ、任務完了。ニャニャンの2匹と、ニャニャ、お疲れさま。
猫野様が大事そうに宝箱を持っていると、ニャオがききました。
「猫野様、ニャか身は何ですか?」
「え?あ、これ?いや、えーと、ニャか身は…………秘密である!!」
「え~!秘密?余計にニャか身が気にニャってしかたがニャい~!」
じろじろ宝箱を見るニャオに猫野様は困ってしまいました。
「そうだ!この中には危険ニャ物が入っているのだ!」
「ニャんと!それは危ニャい!今すぐ捨てましょう!」
ニャオは猫野様の宝箱を取ろうとすると、猫野様はひょいっと避けました。
「あ、いやいや、本当は柔らかい物が入ってるのだ。丁重に扱うのだ。」
「じゃ、どのくらい柔らかいのか確かめて…………」
ニャオはまた、猫野様から宝箱を取ろうとしましたが、猫野様はまたひょいっと避けました。
「いや、本当は、ツルツルしている物が入ってるのだよ。」
「ツルツル~!?」
「おじいニャンの頭とどっちがツルツルかニャ?確かめてみます。」
そう言って今度はニャンが宝箱を取ろうとしました。
「もうやめるのだ!これは大事な……」
そのうち3匹で宝箱を狙うようになり、猫野様は必死になって守りました。
あまりに必死な猫野様の様子に、ニャニャが小さな声で言いました。
「本当は恥ずかしい物が入ってるのかニャ?」
3匹はひそひそ話始めました。
恥ずかしい物って、何でしょうか?
「お漏らししたパンツ?」
「今でもこっそり吸ってるおしゃぶりかもしれニャいよ?」
「食べられニャくて隠したピーマンかも。」
猫野様は3匹に言いました。
「そんニャ物宝箱に入れたりしニャい!」
「じゃあ……ニャに?」
猫野様は宝箱の中身を開けて、3匹に見せました。その宝箱の中に入っていたのは…………ボロボロのボールでした。
「ボール……。」
「ボロい……。」
「ボロボール……。」
3匹はポカンと中身を見つめていました。何度見ても、本当にただのボロボロのボールでした。
なので……3匹は黙ってしまいました。
3匹の様子に気がついた猫野様は慌てて言いました。
「いやいや、これはただのボールではニャい!数々の英雄が投げて転がして、時には噛んで遊んだ伝説のボロボールなのだ!」
「伝説?」
「いや、幻だったかニャ?」
とにかく、このボロボロのボールは、特別なボロボールのようです。
「ニャ~んだ!」
ニャンとニャニャはがっかりしました。
しかし、ニャオは目を輝かせて言いました。
「これ、遊びたい!」
「え……!?」
猫野様はみんなを見て、ボロボールを見て、またみんなを見ました。
「みんニャで…………遊ぶかニャ?」
「遊ぶ~!」
その後、みんなで仲良くボロボールで遊びました。
今はここまでで、ニャニャンのお話はおしまい。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。6歳児はとっくに飽きて終了してますが、話はとりあえず最後まで書きました。息子には不評ですが、もっと書きたかったので……性懲りもなく、別のお話もいつか書けたらいいなと思ってます。