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盗賊王女の冒険  作者: こーむー
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悪徳貴族 下調べ

皇子から、私の国へ通達が来たらしい。


何も知らない王女ではなく武術や知識に富み、市中の事も良く知る王女が望ましいとの事。王女を柔術で投げ飛ばした件は触れていないらしい。

皇子、なかなか上手い手を打ったね。これで市中に行きたい放題ではないか!


そう思っていたらそうはならなかった。座学の時間が倍以上に増えた。勉学は嫌いじゃないけど、みっちり過ぎるよぉ〜。あーあ、空を飛んで自由になりたいよ。


それでも、盗賊の新入りとしては顔を出さない訳にはいかない。私はこの前貰ったロープを使ってお城を抜け出す。


この前の酒場に集合した私達は次の目標について話し合う。

「次の目標は、悪徳貴族の館に忍び込む」

「おお。すげえな。俺たち、盗賊みたいじゃないか?」

おい!君らは盗賊じゃないのか?どうなんだ!


「新入りのリリー。また、警備状況を調べておいてくれ」

「えー!ちなみになんて貴族?」

「ヘブン卿だ。悪いヤツらしいぞ」

たしかに良い噂は聞かないけど、私ってよく知らないんだよね。貴族パーティで会った事あるぐらいで、実際に貴族が何をやってるかなんて王女が知る訳ないじゃん。

「私、自信がないなぁ?」

「ぶっつけ本番でも、良いっていやあ良いんだけどな」

「犬がいたら厄介だしなぁ」

私って犬担当なの?そんな程度に頼られてるんだ。


ヘブン卿かぁ。そう言えばこの前のパーティいた気がしたな。よし手紙を書こう。

『この度、世間知らずの娘と呼ばれない為にもご教示お願いしたく、直ぐにでも参上したく…」みたいな文章を書いてもらった。自分でも書けるんだけどね。


よーし、早速潜入の下調べだよ。

先ずは屋敷の周りを一週する。屋敷の後ろは森に囲まれていて何も障害はないな。よしよし。問題は屋敷の中に入る方法だけど、塀の向こうを覗いてみる。

お!おあつらえ向きの通気口がある。太ってるベスは微妙だけど、無理させよう。


私はベス卿に話を聞く。そっか。ベス卿って皇子の国の近くに領土があるんだ。領主は、戦争になったら兵士を出したりで大変なんだ。戦争は誰も幸せになれないけど、領主にとっては出世のチャンスなんだね。

「ありがとうございました。私は今、自分が世間知らずであった事を痛感しています。領主の御苦労が理解出来、大変為になりました」

それっぽい事を言っておこう。


「ちょっと、お花を摘みに行きたいのですが?」

「ああ、どうぞ」


ちらちら見ながら、部屋を確認する。特別なことはないかも。窓から潜入って無理だね。まだ、正面玄関の方が見つからないかも。警備なんて殆どない感じだ。夜は1階フロアには誰もいないだろう。ん?アレってなんだろ。違和感があるけど。今じゃ調べられないよね。



あとは潜入するだけだ。ところで何を盗むんだ?とにかく、犬はいないよ!





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