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盗賊王女の冒険  作者: こーむー
29/29

戦い終わって

「勝ったのは良いけど。最後に投げる必要あったのか?」

「俺に毒を盛ったり、やる事が卑怯だな」

「フィアンセを足蹴にするって淑女としてどうなのかしら」

「俺よりも卑怯者ってある意味尊敬だ。みんなドン引きだ」

(ちょっと変わった賞賛の嵐だ!)


私は賞賛の声を気にせず、皇子を背負って部屋のベッドに連れて行った。



「皇子、気がつかれたのですか?」

「ああ、負けた!完敗だ。」

「初めてお会いした時を覚えていますか?私はその時皇子に投げられ、成すすべもなく完敗しましたよね」

「ああ。ドレス姿の君を投げた。ドレスが空中で舞って、胸パットがずれてしまった事を良く覚えているよ」

「あの後、悔しくていつか投げ返してやろうと貴方の国まで修練に行ったわ」

「あの時の君の猫の鳴き声は忘れられないよ。君は僕のシャツで顔を拭いたよね」


「リリー。あなたって馬鹿なの?破廉恥な事ばっかじゃない。おおよそ、王女のやる事じゃないのじゃ」

「そこまで、型破りだったとは!もう、嫁に行けんな」

(覚えて欲しくない事はしっかり覚えているんだから)


「ガゼフ、見ていたであろう。真剣勝負に私は負けた。この組織は解散だ。さらにおまえには頼みがある。このお転婆王女を守ってやってくれ。おまえなら安心して任せられる。」

「はっ。しかしこの娘は強い。しかも勝利の為ならどんな手も使う。大事はないと思いますが」

「こんな無鉄砲な王女は他におらん。貴様と素手で勝負しようとしていたんだぞ。頼む。守ってやってくれ」

「はっ」


「私は、公爵と宰相に会わなければならない。イタタ。ん?背や腰も痛めたか?」

(そっか。投げたれた事、覚えてないのか)

「義兄上。リリーったら酷いよの。聞いてよ」

「ぽちゃは黙っててよ。とっても心配していたんだから」

「それにしては来るのが遅かったわ。それほど不自由はなかったけど。それより、あの胸パットはおかしいわ。笑いを堪えるのが大変だったんだから」

「エリナの胸だって、決して型が良いって程じゃないもん」

「それをここで言うのか!破廉恥な王女のくせに」


「リリスとエリナはいつもこんな感じなのか?」

「はい。いつもです」

「お互い似た者同士なんですね」



私と皇子に公爵、宰相を交えて話し合いだ。

「リリス。良く頑張ったね。さすがだよ」

「叔父上。念願の皇子をやっと投げ飛ばしたわ」

「君の願いって変わっているな」

「私としましては、両国の親善及び国内の保安が保てれば、何も申しあげる事はありませぬ」

「我が国が貴国にご迷惑をおかけした事は反省している。許して頂けるのなら、今後は親善を第一に考えたい。」

「皇子のお考えは初めから分かっております。ですから、大きな問題にならない様に王女にお任せした次第です」

「叔父上は初めから、わかっていらっしゃったの?」

「いいや。ただ、リリスなら何とかするだろうって思ってたよ。それより、リリスのやる事が面白くて退屈凌ぎにはもってこいなんだ」

「まあ、ひどいわ」


「王女。この前は私に向かってちっ ってやりましたよね」

「私を投げるために山寺に弟子入りもしたし」

「リリスは可愛い。自慢の姪っ子だよ」

「では、後腐れなく円満解決って事でよろしいでしょうか?王女が捕まえた人はお引き取りください。なるべくなら、国内に入れないで頂きたい」

「わかった。そのようにする」


「リリス。ご褒美は何がいい?ネックレスかな?それとも駿馬か?宰相がいるんだ。なんでも好きな物を言いなさい」



「ご褒美?そうね。宰相を思いっきり投げ飛ばすとか?ダメよね。じゃあ…あのヘタレ盗賊達と自由に遊びたいわ」


「あはは。リリスらしいな」

「私に迷惑をかけない様に。よろしいですね」

「私との結婚話はどうなったんだ!」



私は、今度こそ自由に飛べる!


終わり

続編も考えています。

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