敵アジト 潜入準備
「ヤコブ、きさま、どのツラ下げて私の前に現れた!」
プラドがいきなり剣を抜いた。
「俺は、エリナ様を助けたいんだ。お願いだ。エリナ様と共にいさせてくれ」
「それはエリナ様が決められる事ではあるが、貴様がこの国でして来た事はそう簡単に償えないと思え」
「それは承知している。俺はエリナ様に従うのみ。俺の悪行を水に流してくれるとは思ってない」
「このリリー様はエリナ様とご友人どころか、エリナ様の命の恩人だ。決して粗相の無いようにしろ。エリナ様より、リリー様の命令は絶対だと聞き及んでおる」
「この娘、エリナ様をぽちゃだの言っていたぞ」
「む。それだけ親しいって事だ。エリナ様もリリー様をぺちゃと呼んでおる」
エリナめ、影で私の悪口言ってるな。太めのぽちゃのくせに。
「みんな、集まって。」
ケリー達を呼んだけど、来ない。どうしたんだ?襲われるって警戒しているのかな?
「あの男は確か男娼の館にいた男だ。俺達はそっちの趣味はない」
そっちの襲われるを警戒していたのか?
「大丈夫。私がよ〜く釘を刺しておく。彼の罪は赦されてない。今はエリナの救出しか考えてないから」
「ヤコブ、みんなと仲良くしなくていいから、もしもの時はみんなを守って。期待しているよ」
「ああ。それくらいの覚悟はある。エリナ様の仲間は俺の仲間。それとあの絵だが」
ヤコブの一味から買った贋作を指差した。
「あれはみんなで買ったんだ。エリナ様もリリーもみんなが気に入ってるならイイねって言ってくれた。俺達の大切なお気に入りの絵なんだ。」
「そうか。なら何も言うまい。大切にしているんだな。エリナ様はやっぱり女神だ」
「女神はないない。ところでどうやってボスやっつける?ヤコブは汚い事、ズルイ事、得意よね」
「おまえは昔から根性が曲がってる。そこになおれ。折檻してやる」
ヤコブが女性に興味がないのはきっとプラドのせいだろうな。
「ヤコブは煙幕とか催涙ガスみたいなのって作れるの?」
「ああ、出来ない事もないが材料があれば」
「胡椒とかで代用したり、いっその事ボスに毒を盛るってどうかなぁ。剣に毒を塗ったり」
「おまえって正義の味方じゃなかったっけ?俺より悪党だな」
「だって、組織のボスは反則的に強いんでしょ。マジで勝てる気しないよ」
「毒は無理だ。取り扱いに慣れてないからこっちが喰らってしまう。そのほかの姑息な事なら任せろ」
ヤコブとは妙に気が合うんだよね。プラドは堅苦しくて今イチ、溶け込めてないけど。
ケリー達に材料を集めてもらおう。毒は怖くて買えないって言ってるけど。
「ねえ、ヤコブ。今回は侵入がバレない様に変装して潜入したいんだけど、メイドに化けるとか庭師に変装するとか出来そう?」
「メイドの服なら他の館と一緒だ。用意は出来るだろう。庭師ってのは決まった服はないがツナギでも着てればそれらしく見えるんじゃないか?それより早くエリナ様を助けに行こう。」
「だって貴方がボスは強くて勝てないって言ったじゃない。他の人も言ってるし準備しなきゃ」
「エリナ様が心配じゃないのか?」
「だって、自国の王族に手を出さないでしょ。きっとエリナは今頃ワガママ三昧だよ。少しは苦労して痩せた方が本人のためよ」
「おまえ、ヒドイ奴だな。友達であるエリナ様に同情するぞ」
準備には時間かけなきゃなんだ。もう一つのとっておきの秘密兵器を用意するには時間がかかるんだから。
私は、メイド服に胸パットを縫い付けて時を待つ。
やった私の元に報告が来た時には胸パットが二重になっていた。




