アジト 防衛戦
アジトに戻ると、エリナの護衛である門番がいない。
「まさか!」
予感は当たった。
なんとシンジケートの部下達に攻め込まれてる。
不意打ちのつもりだと思うけど、意味ないぞ!だって、私達はぶっつけ本番、出たとこ勝負だから。
私に向かって5人が襲って来た。たった5人?ナメてるのかな。飛びかかった来た勢いをそのまま背負って投げる。高高と一回転してドスンって落ちる。
私は背中越しに殺気を放つ。向かって来たな 左に軽くステップして剣をかわしながら、腰で払って投げた。
後3人だね。警戒しているな!
残念だけど、3人一緒にかかってきてもダメだよ。だって、気配が読めちゃうんだから。私は背中の敵に向かってバックステップ。振り下ろそうとする手をとって前方の敵に向かって投げる。倒れた敵には正拳突きのトドメだ。
館の中はどうなってるんだ。エリナは大丈夫か。
気が焦るよ。ヨハンもベスも弱っちいから逃げて隠れてて欲しい。2人ともお人好しで自分よりもエリナを助けようなんて考えてもしもの事があったらどうしよう。まったく信頼できないんだから。ダメ盗賊なんだし。
館の中に入った。
うわぁ。血が!人が倒れてる。情け無い事に吐きそうだ。ケリーは吐いてるよ。一階には人がいない。二階でドタバタしてるし。
「ケリー1階の生存者の確認をお願い。出来れば、安全な場所で隠れてて!」
私は急いで二階への階段へ。ここでも戦闘の跡がある。
セリドが相当苦戦したのかな?
二階で暴れているのは、やっぱりエリナの部屋だ。
「姫を返せ!」
部屋の中は、修羅場だった。セリドは中ボスらしき敵にかかりつけだ。敵の血なのか傷を負っているのかわからない。五分五分なのか。
エリナは、敵に捕まっていた。それをベスとヨハンが向き合っている。
ヨハンもベスも盾を持っているけど、攻撃手段は何一つない。それもそうだ。いきなり剣が使える訳ないし、防御の練習をかろうじて教えてもらったばかりだ。
私を見た敵はエリナを抱えたまま、窓の外に消えた。
ロープで降りて逃げ出すつもりか。もう、追っても間に合わない。
「ヨハン、ベス。ここは自分の安全が第一。姫は後からどうにかしよう。姫も貴方達の身の心配してるかもよ」
「それはどうかな、その姫の安全も怪しいのにな!」
「貴様は誰だ。なぜ、姫を狙った?」
「俺はお前らに虐められてる組織の一員さ。お前らが思いのほかガードが固くてな。まさかプラドが敵にいるとは想定外だった。ただでさえ手強いのに魔法使いってのは厄介でな。ちょっと退場してもらったんだ」
「気になった事があるんですけど。お応え頂ける?」
「ダメだ。今忙しい」
「屋敷の中、狭いのに槍って不利だよね。それでも来たって自信あり?すごく気になるのは、プラドの知り合いって事は某国の人?」
「お!見かけによらず頭良いな」
「でさプラドにも聞くけど、ヤコブって知ってるでしょ。貴方と剣のタイプが似てる」
「師匠が一緒だ!」
「貴方達の国は優秀な師匠が多いわ。紹介して欲しい!」
「俺とプラドは闘ってるんだが?」
「貴方達はレベルがまったく違う。某国ってそんな強い人ゴロゴロいるの?反則だよ。」
「いや、ほぼ頂点に近いが、上には上がいるだろう」
(話しててもまったく隙を見せないぞ。取りつく島がない)
「プラド、命令よ。エリナを追いなさい。この槍使いのゼリドは私が受け持つ」
「あとヨハン……お願いね。任せたよ」
「武器も持たない小娘に何が出来る。後悔するぞ」
「そうかな。やってみなくちゃわからないよ!」




