決意
私はまたもや、宰相から呼び出された。
「またもや、隣国から王女の元に入国されたらしいですな!」
(それがどうした。なにが悪い)
「エリナ様の付き人です。何かあっては大変ですもの」
「まあ、我が国の責任は逃れる訳ですね。ただあまり危険な事に首を突っ込まれるのもどうかと思います」
「ところで、宰相に聞きたい事がある」
「なんでしょう」
「貴様、どこまで知っておる。なにも知らぬ訳はあるまい。ちと、大事になりそうだ。死人が出る。私が望むところではないのだが、どうブレーキをかけようか考えている」
「罪無き人でなければ、犠牲もやむを得ないと考えます。相手がその気であれば、自己防衛は当然です」
「私は安っぽい正義感を振りかざしている訳ではない。不可能と可能の区別もつく。ただ、皆目見当がつかなくてな。王女の戯言で死人が出るのが嫌なのだ。新しく来た者は他国の人間でありながら、人を殺すかもしれん」
「王女様は聡明なお方です。先代の血を濃く受け継がれているのでしょう。事の善し悪しは私の様な者が判断しかねます。私は王女様の判断を推します。身の安全を確保されるのであれば、いかようにもして下さい」
「じゃあ。ムカつく宰相を投げ飛ばしていいかしら?宰相が黒幕って事でどう!」
「その判断は大きな間違いです。王女様には部屋に閉じ込めるより牢に閉じ込めたいと考えております」
(今のうちに投げちゃう?)
「何より、敵が大きすぎると問題だわ。国家規模じゃないよね?」
「さあ?わかるませぬぞ。とりあえず私は止めません。お好きな様に。ただし、国家間の事は報告して下さい」
(残念ながら、宰相が裏ボスじゃないみたいだ。
アジトの方はどうかな?
相変わらず、訓練されてるよ。太っちょのベスがセリドの攻撃を盾でガードしてる。ベスもやる様になった。頑張ってるんだね。頑張らされてるのかな。同情はするけど手助けはしないよ。
ヨハンとエリナが市中の見回りから帰って来た。最近は悪い盗賊が影を潜め、治安が良くなったらしい。どっか王都から離れたところで悪さしてるんだろう。悪は滅びない。絶対に。
市中のもの静けさ、なにもないって方がなんだか不気味だよ。まだ、中ボス3人もいるのに。次は暗殺者とか出て来るのかな?ん?狙われるのって誰だろう。兄上か?宰相なら狙ってもいいよ。
利害がないよね。狙って理があるのは、私だけじゃないか!私が狙われる。幸運にも盗賊親分が王女である事はバレてないはず。
「ケリー、私達も街に出よう。何かあるかも」
囮作戦だ。市中は至って平和だけど、やっぱりおかしい。私が四方に意識を集中させると殺気を感じる。シンジケート内で私は指名手配されたかも。もう、2人もやっつけてるし。やばいかな。シンジケートがなくなれば良いのに。
私は王城に引き込めば済むけど、ケリー達が心配だよ。仕方ない。徹底して潰すしかないね。私が振り向くとササッと消える気配。これぞプロの尾行だね。とにかく後をつけられない様にしなきゃ!
もう、私はシンジケートを潰すしかないみたいだから




