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盗賊王女の冒険  作者: こーむー
19/29

借金取りの館 潜入

盗賊のアジトでは日夜訓練に励んでいるらしい。盗賊もどきが盗賊になる日も近いのかな。


私とエリナは年も近い事もあって気が合う。今日は2人で街でケーキを食べていた。

「エリナ。少しは体重の事気にしなさいよ。私がそれ食べてあげるからさ」

「リリーだって、ケーキじゃない栄養のある物食べて胸を大きくしなきゃ。いつまでも胸パット入れてる訳にいかないでしょう」

「ふふふ」「へへへ」

お互いにイタイところをついて牽制だ。この娘はさすがに遠慮ないな。私も他国の王族に対して失礼な事、言ってるけど。


ん?なにか騒がしいぞ。

「いいか?来月までには借金を返すんだ。おまえの可愛い娘のためにもな」

「必ず、御返ししますので子供だけは許してください」

借金取りが脅迫まがいの取り立てか?


私とエリナは、顔を見合わせ頷く。

その男の後を追った。裏通りから大きな屋敷へ。以前、ヤコブの手下から聞いた金貸しのレーナの屋敷だ。シンジケートの中ボスでナイフ使い。まったくやりたい放題だよ。悪い奴をのさばらせちゃいかん!

この分だと奴隷商売を手掛けてるな。


正面は警備の怖い人居るし、裏手を除いてみるか。

裏口は誰もいない。壁はロープがあれば登れるから侵入は容易い。中側は調べられないよ。覗けないし。


「リリー!やるわ!やっつけちゃおうよ」

(この前、シンジケートに挑むなんて馬鹿なのって言ってたでしょ)

「私が一番心配なのはエリナの身の安全だよ。簡単にはいかないわ」

「それは、あのお人好し達が守ってくれる。もしもの時のために一筆書いて置こうかしら」

「そこまで言うなら手伝ってくれるかな?」


「姫は俺達が守る」

「親分、俺達は姫のお陰で一人前になれたんだ」

(ほんとかな?嘘っぽいぞ)

「じゃあ、ケリー。とある公爵様に報告して来て」


じゃあ、今回は防具を準備だよ。私は楔帷子を服の下に仕込む。これくらいなら動きに支障はないしね。

ベスは盾をヨハンは籠手を装備したぞ。見た目はそれっぽく見える。


よし、潜入するぞ。ぶっつけ本番だ。

小さな盾を持ったケリーと合流して金貸しのレーナの館の裏手に回る。

市中には無茶な借金を背負わされている人が多いんだろうな。救わなきゃ。


意を決して壁を越えようとするがエリナがもたついている。お尻を押してあげるけど、重いんだよ!

「リリー。また失礼な事、考えたでしょ」

「とっとと登りなさいよ。もう!」

「イイわね。胸がないと楽チンで!」

(この娘も敵と一緒に投げてやろう)


当然の如く、裏手には鍵がかかっていた。

待つ事10分。ようやく開いた。

もう慣れたよ。開けばいいよ。

「貴方達は、今度鍵開けの特訓も必要ね」


こっそりと中に入った。ここはキッチンかな?誰もいないな。廊下に見回りがいる。

「エリナ、自慢のプロポーションで誘きだしてよ」

「いやよ。こうやれば来るわよ」

ガラガラガラ!エリナは近くの鍋を蹴った。

エリナが氷を張っておいた入口で滑って転んだところを私が喉元に正拳突き。簡単に敵を倒した。

「リリーって思いのほか、容赦ないんだ」

(やっぱり?でも、これくらいしとかないと、復活しちゃうんだよ)

ケリーが縛り上げて次の敵を探す。


全部の部屋をノックして回ろう。

「なんだ!」

あっ中に人がいたよ。廊下で闘う訳にもいかないから中に入るしかないか?

「新米のメイドです。迷ってしまって」

「坊主。男はメイドになれないぞ」

ムカッ。速攻で勢い良く投げた。

「ドスン!」ちょっと大きな音がしちゃった。


「ぷっ。男と間違えられてる。それより廊下で、声がするよ」

「にゅーご」

「なんだ猫か。どこから入って来たんだ」

ドアを開け入って来たところを即投げた。

「エリナ、次に敵が続けて入って来たら、2人目に石を落として」

「ハイハイ。お馬鹿さんな親分さんね」


エリナの協力で危なげなく一掃出来た。

とりあえず、一階を全て巡回しよう。

よし、一階クリアだ。

「ねえ、ねえ。メイド服があるよ。とりあえず着といたら。男と間違えられないし」

どうするかな。ちょっと恥ずかしいけど、相手が油断するなら良いか。


メイドに変装して私は二階への階段を登った。

二階の廊下は妙に静かで怖い。

廊下を進むとふたつ扉の大きな部屋があった。多分中ボスはこの中だな。まずは他の部屋から調べて置こう。


他の部屋にもいない。

残るはあのボス部屋だけだ。





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