エリナ 居座る
とうとう、私は宰相に呼び出される羽目になった。
「王女、どうなっているんですか?随分隣国と親しくなっているようですが。私の知らぬ間に勝手な事をしてもらっては困ります」
「私はなにも。向こうが勝手に親密になってくれているだけです」
「あなたのおかげで外交がうまくいってるのは確かです。ただ、余りにも勝手が過ぎるとまた規制しますぞ」
「私はなにも。皇子に気に入られてしまっただけじゃないか!」
「あの姫は爆弾です。国賓として扱わず、あくまで王女に私用で訪れたことにします。王女の裁断に任せますが、くれぐれも問題を起こさない様に。私も問題児が2人になったら手に負えませぬ」
(私を問題児って称したな。いつか投げてやる)
「それと王女。王女が城を抜け出す様になってから、治安が良くなっています。くれぐれもお気をつけて。身の安全を第一にしてください。あなた自身が国の宝なのですから。無地を祈っております」
(どこまでバレているんだ。怖いぞ。やっぱり裏ボスは宰相だったか。)
でも、宰相のお墨付きを貰えたって事で堂々とアジトに行けるな。
ん?アジトに警備兵がいるぞ。
館の中には召使いもいる。
「おい!親分。妾はここが気に入った。ここに住み込むことにする」
ここまで問題児だったとは。護衛兵のみんなに同情するよ。私なんか迷惑かけない様に城を抜け出すだけだものね。
ケリー以下みんなは気にしてないらしい。食事も出るし、逆に歓迎なのかもね。セバスだけはちょっと困った顔をしているけど。
「エリナ。セバスには逐一報告して言う事聞くんだよ。この館の主はセバスなんだからね」
じゃあ、早速人払いをして作戦会議だよ。
エリナがいきなり、かます。
「憲兵が勝てない奴にこの弱々しい盗賊もどきを連れて闘うなんて無謀よ。馬鹿なの?」
(ごもっともです。エリナ。君は常識人だ)
「罪のない人から物を盗んだら、それは窃盗よ。やってはいけないわ」
(それもごもっともです。何気に偉いじゃないか)
じゃあ、とりあえず悪い人を探すって事で。エリナ様、その盗賊もどきを好きに使っていいからね。
「そうね。尾行の練習とか、高いトコから飛び降りる練習とか。この人達には盗賊のイロハを教えてあげなくちゃ」
「ひっ」
エリナは新しいオモチャを見つけた様子で悪い顔してるね。
「エリナ自身も魔法をもっと鍛えられないの?」
「オーケー。この人達を相手に色々試してみるわ」
「ひっ」
(怪我だけはさせないようにしてね)




