エリナ 盗賊団加入
捕まえた手下から大体の様子は掴めたけどボスが誰かは不明だね。すっごくお金儲けしているんだろうな。そんな羽振りのいい人を思いつかないよ。
この際、裏ボスは宰相って事にして投げちゃうか?気持ちいいだろうから。
ただ、わかった事は今の私じゃシンジケートの中ボス達には勝てない。仲間のひとりがやられたから警戒しているんだろうし。中ボスのヤコブが裏ボスを吐くかな?無理っぽいよね。
私は、後のことをケリーに任せてお城に戻った。
「王女。某国の皇子から手紙が届いております」
「ほお。ありがとう」
嫌な予感しかしないよね。また宿題出されるのかな。
「拝啓。突然だが、私の義理の妹がそちらに向かった。よろしく頼む。我が国の問題児だが君には劣る。きっと仲良くなれると信じている」
(は?なに?突然。まったく意味がわからない)
「王女。大変です。隣国からお客様がお見えです。王女への面会を希望しています。お急ぎ王門までお越しください」
(もう着いたのか?後先考えずに王城を飛び出すとは。なんてお馬鹿な娘だ。私とは大違いだね)
「すぐに行く」
門の前に大きな馬車が到着している。よくもここまで無事にたどり着いたものだね。
私は静々と門の前に出る。
「ようこそ。私が王女のリリスです」
「妾はエリナじゃ。よろしく頼む」
(随分と態度がでかいじゃないか。宣戦布告か?)
「エリナ様のご訪問は私ども知らされておりませぬ。突然のご訪問の理由を伺いたいものです」
「私用だ。義兄様が褒め称える王女とはどんなものかと見に参った」
「私用で私にご用事とあれば、王城よりいい場所があります。公爵の所や他の場所に行きましょう」
「うむ。その方が面倒がなくて良い。助かる」
「私は公爵様の別邸に2人で行く。おまえらは宿を用意して差し上げろ」
「供も連れずに2人で行かれるとは賛成しかねます」
「妾の強い希望だ。口出しするではない」
(確かに問題児だね。この娘って)
私はエリナを盗賊のアジトに連れて行った。
「ここなら、邪魔は入らないわ!」
「親分、この偉そうな娘はなんですか?もしかしてあの空が飛びたいってお馬鹿な王女とか?」
「邪魔が入っているではないか?しかもよく事態もわかっとらん」
「ちょっと待ってね」
「みんなちょっと来て」
「なんですか?」
「あの子はちょっと頭の弱い子でね。自分を偉い姫だと勘違いしているの。触らずソッとしておいてね」
「了解です」
「なんだ。この絵は贋作ではないか」
「私はね、この絵がとても気に入っているのよ。みんなが気に入って頑張って買ったものだから。買った本人達が名画って思っていれば名画なのよ。絵ってそういうものなんだってあの人達に教えてもらったのよ」
「まあそうだな。本人達が良ければ、それに越した事はない」
(ん?それほど嫌なヤツじゃないかも)
「で、どうして遥々こんなとこまでやって来たの?」
「退屈だったからじゃ」
「納得。単純明快な答えね」
「面白そうな事をしていると聞いてな。妾も仲間に入れて欲しいのじゃ!」
「え!仲間に?歓迎だよ。仲間は多い方がいい」
「美少女が仲間になってくれるのか。最高じゃん」
「おい!君達は盗賊なんだろ。自覚があるのかな」
「大丈夫だよ。親分は強いから」
「エリナ。とっても危険なのよ。何かあったら国際問題になっちゃう」
「私だって強いのよ。魔法が使えるんだから!」
「え?」
「すげえ。ホントに?」
「じゃ、そこの太った人。そこに立ってなさい」
「えっ。オレ?実験台って怖いよ」
エリナめ、なにやら呪文みたいなものを唱えたぞ。
「ストーン」
小さな石がベスの頭の上に落ちた。
「痛っ」
ショボい。期待した私が馬鹿だった。
まあ、そんな凄い魔法があれば、他国を占領出来ちゃうしね。
「どうだ。仲間にしておいて損はないじゃろ」
損はわからないけど、どんな特があるのか教えて欲しい。
「すごいよ。魔法って初めて見た。手品みたいだ」
「タネも仕掛けもない。本物の魔法だ」
(このお人好し達が喜んでるならいいかな)
私はここは盗賊団のアジトで秘密の場所であること。そちらの護衛兵達には内緒にする事など、細かい事情を説明した。




