街のシンジケート
翌日、私は城の警備兵を見回した。いた。あの憲兵だ。
私は憲兵に近づいて命令した。
「現任務の目処がつき次第、王女の部屋の警備に回れ!警備の交代が完了次第、挨拶に来い!」
「はっ」
うん。しっかりした兵士であるのは確かだけど。
やっぱり、そっち系の人なのか?人の恋沙汰は無関与だよ。絶対に踏み込みたくないよ。
私が部屋で待っていると、その兵士が挨拶に来た。
「御命令に従い、任務に従事したします」
「入れ!」
「それは禁止されており、出来ません」
私は殺気を込めて睨む。ちょっと怯んだな。
「昨日の件で話があるのだ。入れ。人に聞かれてはお互い都合が悪いのだ」
憲兵は観念したらしい。すごい汗をかいて緊張している。
「私はお前を咎めようと思っている訳ではない。むしろ協力を願っている。座れ。話を聞こうじゃないか」
「はっ」
「私は人の恋沙汰には無関与だ。ただし、あの男はいけない。あの男の詳細をおまえに聞きたいと思い、呼び出した」
「はっ」
「国の為、忠誠を誓えるか」
「私は国に忠誠を誓います。なんでもお聞きください」
「おまえにはスパイの様な事をさせてすまないと思うておる。私の様な小娘でも悪党は放って置けないのでな。この事はお互い秘密にし、今後も情報を得たいのだ。なのとぞ、協力を願うものだ」
「王女様の意のままに!私に反省点があります」
「では、もっとブランクに話そう。無礼講だ。お互い打ち解けて内緒話をしよう」
「はい。ありがとうございます」
「この街は、あの悪党が仕切っているのか?」
「いえ、違うようです。さらに上の組織があるようです」
「ほほう。詳しく聞きたいな」
「何卒、危険な事はおやめください。王女様に何かあっては大変です」
「私も自分を過信していない。話を聞いてからだ。個人で活動するため、大きな事は出来ないし、しないと約束しよう」
兵士の話によると、悪の組織があるらしい。それも憲兵如きでは返討ちにされるくらい強いらしい。なんちゃって盗賊団じゃとても太刀打ち出来ないな。メインは5人の猛者とそれをまとめている者。さすがに纏めている者については知らないらしい。絶対に悪い貴族だよ。それか、国の中枢部の文官。あの頭の良さそうな宰相が怪しい。私の自由をことごとく奪うから。
悪の総本山が宰相だったら、宰相を投げ飛ばせるのに!きっと爽快だろうな。
とりあえず、5人のうちの一角を教えてもらった。
ヤコブって言う詐欺商売の親玉らしい。
一対一なら負ける気がしないけど、私自身が井の中の蛙である事は確かだ。慎重に進めなきゃだね。




