1話 お城 脱出計画
「あーあ。自由にお空を飛びたいなぁ」
私は雲ひとつない秋空を見ながら呟いてみた。空は高く高くどこまでも飛べそうな気がした。人間が空を飛べる訳ないんだけどね。
今日も何もなく終わっちゃうんだろうなぁ。つまらないなぁ。仕方ない散歩でもしよッと。そそくさと部屋を出る。
「王女。どこへ行くのですか?」
早速、警備兵に見つかった。しまった。身を隠す道具はないものか?変装とか。異国の段ボールと言われる箱は、その箱の中に隠れると人を欺けると聞いた事がある。
そんな夢の潜入アイテムがあれば、城を脱出出来るのにね。
警備兵に咎められ、私は部屋に戻された。
まずは、警備兵の巡回マップ作りから始めなきゃ。いつか警備の目をかいくぐり脱出してやる!
私だってお散歩くらい自由にしたいんだよぉ。決行は夜だね。警備の薄い夜を狙って警備兵巡回マップを作るんだ。
私は、決して暇人じゃないのだけどね。
王女も決して楽じゃない。
だってさ何一つ自由は許されない。下手したら直ぐに変な噂立っちゃうでしょ。私だって素敵な王子様と恋愛したいとか夢見る年頃なワケよ。
私は、テーブルの上に目を落とす。そこには某国の皇子からから贈られた精巧なお人形があった。余計なことをしてくれたものだ。この人形のおかげで私の周りには厳戒態勢が引かれてしまった。王女本来の目的、そう外交の道具としての利用価値に気づかれてしまったんだ。武芸に優れてるけど、結婚に向かない凶暴な姫って方が楽で良かったのに!
兄上め、剣で私に勝てないからって姑息な手段で私を追い出そうとしているのかも。次の剣の稽古で、ギッタギタにしてやりたい。しこたま投げ飛ばしたいな。もっと投げ飛ばしたいのは、人形を贈って来た皇子だよ。人形ってなによ!呪いとかないよね。私を子供だと思っているの?もしや幼女が好きな変態さんなんじゃないか?
なんかムカついてきた。私はその人形をゴミ箱に捨てた。
ちょっとだけ、スッキリしたので脱出作戦を考えよう。
まずは、脱走経路を考えなくちゃだね。廊下はダメだ。直ぐに見つかっちゃう。窓からは高くて怖いからイヤだ。
ふう。
私は残念な子じゃないよ。仕方ない。怖いけど非常用ハシゴで降りよう!暗い時ならバレない筈だ。
私は窓から下を覗いて見た。高い!挫折しそうだ。でも、窓の下は繁みになっている。繁みには建物の端まで繋がっているな。よしよし、行けそうだ。後は警備兵の巡回経路だね。向こうの壁まで見つからない様に辿りつくには?
隅の壁近くにも繁みがある。隠れるには、もってこいだよ。よしよし。
よく見ると兵士は、8の字を描く様に巡回してる。うん、上手くすれば、警戒網を突破出来るぞ。
じゃ、今夜やるよ!お城を脱出だ!




