24話
科学実験ショーが行われている間に休憩明けのダンスサークルにラインをしておく
「ふぅ~」
「お疲れさま♪」ユイが労いの言葉をかけてくれる
「あらた兄ちゃん!」
「みちるちゃん、それにおばさん」
教室に行ってきたであろう2人が戻ってきた
「みちるが最後に会っておきたいって、ね」
「うん!」
「昇はちゃんとやってましたか?」
「はい、でも恥ずかしがってほとんど話せませんでした」
「でしょうね、あはは」
「それでも、あの子が楽しそうにしてるのを見て安心しました」
「よくやってますよ」
「これからも昇をよろしくお願いします。私たちはこれで」
「もう帰っちゃっうんですか?」ユイ
「はい、やっぱり高校生は元気いっぱいで。みちるも少し怯えていたようですので」
「確かに小学生からすると高校生は怖いですよね♪」
「そうなんです」
「わかりました。じゃあね、みちるちゃん」
「また肝試しいこーね!」
「うん」
おばさんに手を引かれてみちるちゃんは帰っていった。昇が見られれば良かったのだろう。
「それではこれから昼休憩に入ります。次は午後1時30分からです」
放送部のアナウンスが入り、お客さんも散り散りになっていく。
「あ~!」
「ふぅ、なかなかしんどかったね♪」
「いやー、ユイがいてくれてマジ助かった!」
「大したことしてないよ♪ それよりさ、ちょっと食べ物買いに行こうよ! お腹すいちゃった!」
「そうだな、会長から食事代預かってるし」
なんと会長が2人分で5000円も渡してくれたのだ、余ったら自由に使って良いとの事だ。相変わらず太っ腹だ、この2日間で使い切ることなんて絶対無理なのに。
昼休憩があるとしてもうかうかしてはいられない。早足で校内を巡り、持ち運びができる食べ物(たこ焼き、焼きそば、チョコバナナなど)をささっと買い、体育館の椅子で食べることにした。
「ふぉれ、ふぉいしー♪(これ、おいしー♪)」
「うん、うまいな」
衛生面とか少し気になっていたが、普通に食べれる感じだ。
「うっすうっすー」
「おう、お疲れ」
食べていると昇が執事姿のまま体育館にやってきた。どれだけ気に入っちゃってんだよ。
「こっちはどうだった?」昇が持ち込んだたこ焼きを食べながら聞く
「まぁ、なんとかなってるよ。まさか佐々木が役に立つとは思わなかった」
「裏でマジックの練習してたぞ。ユイに引っ張られていったが」
「佐々木くん優しいから♪」
(絶対思ってないだろ)
「クラスのみんなも大丈夫っつってたから、これからはこっちでイベント見てるわ」
「そうなんだ♪」
そんな話をしていると、お客さんが席に戻ってきた。もう5分前だ
「さて、あともうひと踏ん張りがんばりますか」
「そうだね♪」
2組先のグループまで準備するようラインを飛ばすと、クラブサウンドと共に男女6人組がステージ上で踊り始め、会場も瞬く間に熱気に包まれる。
俺はステージを見ず、スマホと体育館を出入口を逐一チェックしなければならない。というより、気になってしょうがない。
だが、今のとこ順調だ。流れも午前の部で大体わかったし、このまま何事もなく終わってくれ、、まじで。
その後も8組目のバンド演奏が始まり、次の待機もできている。何の問題もない。
………が、トラブルというものは急に起きるものだ。