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俺のモテ期がなんか思ってたのと違う  作者: 佐土原いづる
22/30

22話

文化祭1日目、生徒会は朝早くから集まり準備に追われている。


俺もめちゃくちゃなスケジュールをなんとかトラブルなく終わらせられるように自分の1日の動きを何度も確認する。2日目のイベントはどうしようもないとして、公式のパンフレットでスケジュールは多少調整している。さすがに回らないのは学校としても避けたいところだろう。


だが、そんな俺にも助っ人がいた。


「ええっと~、3組目のライブをやってる間に次の舞台の仕込みをやって~。裏に掃ける余裕は無いから学期は直接ステージから降ろしてもらって…うあー!新くんよく発狂しなかったね!」


「ユイも一人だったら発狂なんてしてる場合じゃなかったぞ。発狂できる余裕ができたってことだ。アハハ…」


ユイが俺の真なるやばさを察したのか、苦笑いをする


田中が実質バックれたことにより、急遽ユイが助っ人として来てくれたのだ。田中がいると1人でやるより苦労が8倍になることがわかっているから、ある意味助かったといえる。


ユイは2年の中でも有名人で、コミュ力もある。仕事も真面目にやってくれるで文句の付け所はない。お願いすると快く引き受けてくれた。本人曰く俺の頼みじゃなければ引き受けなかったらしい。


昇はこういう事は苦手だろうと声はかけなかった。


本当はこんなに、すんなりいくもんなんだな。何はともあれ良かった。


「良かったのか、執事喫茶」


「もー、くどいよ♪ 引き受けたってことは、良いってことでしょ! 新くんが1人で苦しんでるのに、楽しめないよ。」


ユイの少し真剣な顔にドキっとする。俺もファンになろうかな。


「この後は代表者と最終確認でしょ♪ 行こっ」


「うん」


広めの会議室に各団体の代表を集め、改めて流れを確認していく。先に無理くりなスケジュールを謝罪したが、思ったより受け入れてもらえた。これもユイ効果なのだろう。やはり2日目のイベントの質問がしつこく寄せられたが内緒にしておいた。


「では、この手はずで1日よろしくお願いします。わからないことはラインでいつでも言ってください」


あまり時間があるわけではない、なるべく手短に済ませ解散する。


会長は忙しそうに電話していて声をかけられそうにないな。あれからもちょくちょくこっちを気にかけてくれている。


廊下を歩いていると教室はどこも慌ただしい。生徒会も準備が終わった者から一旦教室に戻っていった。


「よう!」


「おはよー♪」


「おう、っていうか気合入ってんな」


昇はすでにコスに着替えていた。実はこういうの好き?


「まぁな、まともに文化祭とかやんの高校に入ってからだからよ! 気合入れてかねーと」


気合を入れるようなことか?と思いつつ朝のホームルームが終わる。


クラスのみんなもそれぞれ衣装に着替え、ドリンクや席の準備も良い感じになった。


うちの学校は文化祭開始の宣言を生徒会長と校長が校内放送で行う、学校なりの配慮なのかもしれない。


「みなさん、待ちに待ったこの時がやってきました」


おー?おー?


会長の放送が始まると、他の教室からも男共の煽り声が聞こえる。


「ケガ、トラブル等など無いよう、節度ある行動をよろしくお願いします。それでは校長先生より※煌き祭の開始宣言が行われます」


「えー、皆さんも待ちわびているようですので、余計な話は割愛します。えー、これより、煌き祭を開始します!」


うおー!!


学校中から歓声が沸き、テンションを上げるBGMが校内に流れる。


うちのクラスもグループを2つに分けている。1つは遊びに出かけ、1つが執事喫茶を営業する、時間が来れば交代する感じだ。


まぁ、そんな事俺には関係ないんだけど。


「ユイ、行こう」


「うん♪」


「俺も顔出すからよ!」


「昇くんはこっちをよろしくね♪」


昇に別れを告げ、体育館に向かう。平行して、ラインで最初の出し物の太鼓同好会に準備を促す。


2日目がダメな分、なるべく多くのイベントを1日目に詰め込んでいる。太鼓は準備に時間がかかるし、派手でトップバッターにはもってこいだ。


開始は30分後、例年は1時間後くらいからなのだが仕方が無い。


ぞろぞろと生徒、外部の方もが体育館に集まってくる。別に俺が何か披露するわけでもないのに緊張するな…いよいよだ


「それでは、アナウンスお願いします。」


体育館の音響設備を担当する放送部に声をかける。


※本当に文化祭の名前が煌き祭の高校があった場合、それではありません。あくまでフィクションです。

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